知り合いはさいつよ決闘代理人   作:秘境と聖杯ダンジョン

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エスコフィエさんの伝説任務も『ハーモニックワルツ』も最高でしたね!

クロリンデさんが出なかった……仕方ないけど……


料理でバトルってなんですか?

今日はナヴィアさんに招待されてクロリンデさんと一緒にサーンドル河のレストランに食事に来ているよ。

 

いや、正確には『食事に来たはずだった』が正しいかな。

 

「どうして僕がご飯を作ることになってるんですか?」

「いいじゃない、材料費は棘薔薇の会持ちなんだし」

「今日もいつもと同じように持ってきているだろう、調理道具。なら問題ないな」

 

ナヴィアさんとクロリンデさんはそう言うが、問題はそこじゃないんですよ。

対面でバチバチしてるナヴィアさんのご友人のエスコフィエさんなんですよ。

 

「あ、それとも自分で獲ってくる?」

「いや別にそこまでするつもりは……」

 

審査員の二人、ナヴィアさんとクロリンデさんをしっかり満足させるならそれが必要だけど、僕の狩りは基本歩いて探すだからそんな事してたら制限時間内に料理なんか無理でして。

それに相手はエスコフィエさん。名の知れたドゥボールレストランのシェフだし、万に一つも僕の勝ちの目はないでしょ。

 

「何をゴタゴタ言っているの?始めるわよ」

「はぁ……」

 

僕たちはただナヴィアさんにご馳走になりに来ただけだったんだけどなぁ。レストランに着くなりエスコフィエさんに変な因縁付けられてこんな事になったよ。

フリーナ様の家に上がって料理を作った事がどうとか。

やっぱり迂闊に男を家に上げない方が良かったじゃないですかフリーナ様。そのせいでこんな事になってるんですけど。

 

「なかなか乗り気じゃないね。よし、奥の手を使いましょ。クロリンデ、よろしく」

「コホン……あなたの手料理が食べたいな」

「思った以上に棒読みですねクロリンデさん。いつも食べてるじゃないですか」

「ダメか?」

「良いですよ」

「ナヴィア?一体なぜ私はこんな茶番を見せつけられているのかしら?」

「まぁまぁ」

 

仕方ない。どうせ普通って言われるのは目に見えてるけど、作ろうか。

 

「それじゃあ……よーい、スタート!」

 

ナヴィアさんの合図と共に食材を手に取り、調理を開始する。今日は何を作ろうか……。ていうか、こういうのってテーマとか決まってるものじゃないの?

んー、久しぶりにピタでも作るか。これならエスコフィエさんが何作ったとしても合わせられるでしょ。

 

小麦粉捏ねて生地作ってオーブン入れて、レタストマト玉ねぎとかその辺を適当に切って、お肉切って焼いて、自前の調味料使ってソース作って、出来上がったのを生地で包んで完成。

 

「ピタです。伝統的ってほどじゃないけど、昔からスメールで食べられてる料理ですね。ソースは唐辛子を使った辛いのとキノコクリームソースがあるのでお好みでどうぞ」

「こっちも完成。ミートソースラザニアよ」

 

この短時間で?さすが一流レストランのシェフ。手際がよすぎる。見た目も煌びやかだ、美味しそう。

 

「じゃあ早速いただきましょう」

「ああ」

 

二人がまずピタを口にする。勿論量もそれなりに用意してあるので、エスコフィエさんと僕の分もあるよ。

 

「ん、初めて食べたけどなかなか美味しいね。辛さが絶妙よ」

「キノコクリームソースとも抜群の相性だ」

「…………ふーん」

 

ナヴィアさんは7点、クロリンデさんは10点と書かれた札を上げた。

 

「美味しかったけど、普通に美味しいの域は出ないかなって。クロリンデのそれは贔屓?」

「かなり好みの味だったからこの点数にした。贔屓はしていない」

 

ふふ、嬉しい。

 

次はエスコフィエさんのミートソースラザニア。食べた二人が絶賛するので僕も食べてみた。滅茶苦茶美味しい。自分で作ってもこの味は絶対に出せないだろう。

 

二人とも勿論10点。さらに僕も10点。17対30で僕の負けだよ。

 

「待ちなさい。私がまだあなたの料理に点数を出していないわ」

 

終わりかけの料理バトルにエスコフィエさんが待ったをかけた。

いや、待ったもなにも例え10点くれてもエスコフィエさんの勝ちなんですけども。

 

「8点、10点満点中ね」

「あら、中々高得点ね。私のマカロンは100点中6点だったのに……」

「何か理由があるのか?」

「料理自体は普通で5点だけど、食べてほしい人のことをよく考えて作ってるからその点で合計8点よ。料理自体は普通だけど。はぁ、なんでずっと惚気をくらわなきゃいけないのよ……。ああそうだ。あなた、ちょっとこっち来なさい」

 

なんだか褒められてるんだか文句言われてるんだか分からないな。

エスコフィエさんに連れられて来たのはレストランの厨房。

 

「まさかここで働けって?」

「なワケ無いでしょ。私が聞きたいのはあなたが使ってた調味料よ。何を使ってたの?」

「調味料?秘密ってことに……」

「ダメ。ひっくり返して全部調べても良いのよ?」

「旅の最中に試行錯誤して独自に調合した調味料ですよ。中身まで聞きたいですか?」

「レインボーローズ、ブリュイロータス、パティサラ、清心、イグサ、絶雲の唐辛子……普通の調味料は分かるわ。その他に何を使ってるの?」

 

スゴ。直接調味料を口にしたワケでもないのにそこまで分かるんだ。

 

「乾かしたトカゲのしっぽをすり潰したものと、スライムの液体を少し混ぜたりとか」

「なるほど……前に会った子もスライムの液体やトリックフラワーの蜜、私には考えつかない素材を使って料理していたわ。やっぱり、味の可能性を広げるには旅をするのが一番なのかしらね」

 

前会った子……多分知ってる子な気がする。

 

「ありがと、参考にするわ」

「はぁ、どうも」

「しかし……はぁ〜、『料理は愛情』なんて言葉が残る訳だわ……」

「……ははは」

 

一流シェフの目と舌は騙せなかったらしい。

 




普通に料理が上手「旅で鍛えた」

退勤後はご飯が楽しみ「最近お弁当を作ってもらっている」

マカロン6点「今度はもう少し砂糖を減らしてみたの!」

惚気でお腹いっぱいシェフ「その代わりにクリームを増やしたら意味無いのよ。大きなマカロンの上にまでクリームを山ほど乗せて、まるで晴れた日に見えるフォンテーヌの大きな入道雲みたいね」
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