知り合いはさいつよ決闘代理人   作:秘境と聖杯ダンジョン

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服の買い替えは定期的に

今日はクロリンデさんと一緒に千織屋に来ているよ。

珍しいって?まぁ、色々あってね。

 

「いらっしゃい。なんでクロリンデが、あなたの洒落っ気のカケラも無い服を着ているのかは聞いた方がいいのかしら?いえ、言わなくてもいいわ何となく分かるもの」

「そんな言う?」

 

思わず丁寧な言葉が外れてしまった。そんなにダサいかな、スメールでも璃月でもモンドでも特に何も言われなかったんだけどなぁ。

 

「ちょうどいいサイズのシャツが無くなってしまったんだ」

「一枚も?」

「まだ着れるサイズのがある、と思っていたら、それが一番大きいサイズだったんだ」

「だから余裕を持って買い替えておくように言ったじゃない。ほら、採寸するからこっち来て」

「すまない、ありがとう」

 

ごゆっくりー。

いやー、今朝は大変だったなぁ。まさか服のボタンが僕の目に飛び込んで来るなんて──

 

「ん?どうしたんですか千織さん。採寸するんじゃ──」

「出ていきなさい」

 

僕は店から蹴り出されたよ。

仕方がないからエローフェさんに許可を貰って、千織屋の隣のテラス席を借りた。

ひとまず休憩しながら今朝のことを思い返すとしよう。

 

 


 

僕たちの朝はまぁまぁ早い。鳥の囀りが聞こえる頃、日が昇るのとほぼ同じくらい。

大抵クロリンデさんが先に起きて、僕はそれに釣られて目を覚ます事が多いよ。今日もそう。

 

「──ん、おはようございます。クロリンデさん」

「おはよう。今日も起こしてしまったか」

「気を遣う必要はないって言いましたよ」

「今日こそはあなたを起こさずにベッドから出るつもりだったんだ。今日も私の負けだな」

「そんな事してたんですか」

 

最近はすっかり寝覚めも良くなってきたもので、以前のように微かな物音や違和感でスっと起きれるようになったんだよね。

さすがに腕にあった熱が消えたら気付きますよ。

 

起床後、鍛錬がてらに軽い決闘ゲームをやるのが最近の日課だ。

まぁ僕が勝てたこと無いんだけどね。負けた方がその日のご飯を作る事になっているよ。

ちなみに今日も負けた。

 

事が起きたのは朝食を作っていた時。いつもならもう仕事着に着替え終えて、リビングでお茶かコーヒーを飲んでいるはずのクロリンデさんがなかなか姿を見せなかったんだ。

少し気になって耳をすませてみると、クロリンデさんの唸るような声が微かに聞こえた。

何かあったのかと思って、急いで駆け込んだよ。

 

「クロリンデさん!大丈夫ですか!?」

「んぅ……んっ……あぁ、大丈夫だ。やっと留まった」

「とまった?」

「シャツのボタンだ」

「なんだ……良かった……」

 

安堵のため息が出たよ。病気とかじゃなくて本当に良かった。

 

「前まで着ていたサイズが、その……少しキツくなってしまって……まだ大きいサイズのシャツがあると思っていたんだが、それが持っている中で一番大きいサイズだったんだ」

「クロリンデさんにしては珍しいミスですね」

「……その、あなたの作ってくれるご飯が美味しいから……太った……のかもしれない」

「太った?」

 

頬を赤らめて目を逸らすクロリンデさんから一歩だけ距離を取り、その全身を視界に収める。

出るところは出て、締まるところは締まってる綺麗な身体だ。これで太ってるなどといえば、道行くご婦人が大変お怒りになることだろう。

 

「そんなこと無いですよクロリンデさん」

「そうか?──んっ」

 

クロリンデさんの腰を抱き、優しく持ち上げる。

うん。全然太ってないですよ。

 

「ほら」

「ふふ、そうか……あっ──」

 

プチッと言う音と共に、右目に衝撃と激痛が走った。

クロリンデさんを抱えている手を離さなかった事を褒めてほしい。

強烈な目の中の異物感に耐えながらゆっくりとクロリンデさんを降ろし、何が起きたのかを確認する。

右目は……潰れてはいないな。まだ痛いが、少し経てば問題ないハズ。

目に何かが飛び込んできた。何だったんだ。

 

改めて無事な左目で辺りを確認すると、僕を心配してくれているクロリンデさんが着てるシャツ、胸元がはだけてる。

 

「大丈夫か?すまない、シャツのボタンが飛んでしまった」

「ありがとうございます」

「なぜ礼を?」

 




クロリンデさん好き好き狩人
「ボタンが弾け飛んだのが家に居るときでよかった。もし街中であんな事が起きてたら目撃した人全員始末しなきゃいけないもんな。あぁもちろん冗談ですよ。ハハハハハ」

最近服が合わなくなるペースが速い
「太った訳ではないらしい。良かった」

千織さん
「今度来るときは古着も一緒に持ってきなさい。調整すればまた着れるし、本当にダメなやつは仕立て直してあげるから」

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