食蜂操祈のお兄様   作:とんこつスープ

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今回は結絆が裏の情報網を使ってレベルアッパーの製作者を突き止めるという内容になってます。

もう少しレベルアッパー編が続きます。


裏の情報網と木山春生の正体

 結絆は夜の学園都市を歩いていた。

 

表の世界では知ることのできない情報を求めて、彼は自身が統べる暗部組織の拠点へと向かっていた。

 

表向きは学園都市で一番のマジックシアター......

 

しかし、そこは結絆の組織の拠点でもある。

 

「結絆、遅かったですね。」

 

建物の奥深くにある一室。

 

一人の少女と黒服の部下たちが結絆を迎えた。

 

室内には複数のモニターが並び、都市の監視カメラ映像や機密データが映し出されている。

 

「調査の進捗はどうだい?」

 

「結絆の指示どおり、レベルアッパーに関する情報を洗いました。その結果......製作者が判明しました、とミサカは自身のやった仕事の結果を報告します。」

 

そして、部下の一人がモニターを操作し、ある人物のデータを表示する。その顔写真には『木山春生』と書かれていた。

 

「......やはり、彼女か、予想通りだねえ」

 

結絆は静かに呟いた。彼女と会った際のやり取りを思い出す。

 

微妙な間や言葉の選び方、そして結絆自身の能力で察知した隠し事——すべてが繋がった。

 

「ということは、レベルアッパーは、ただの都市伝説じゃない。実際に存在し、それを作り出したのが木山春生——大脳生理学の専門家ってことだねえ。」

 

結絆の言葉に、部下たちが緊張を走らせる。

 

「それで、目的はわかったのかい?」

 

「まだ完全には特定できていません。しかし、これまでのデータから推測するに、彼女は能力者の脳に何かしらの実験をしている可能性があります。レベルアッパーを使用した者が次々と昏睡状態に陥っていることも考慮すると、単なる能力向上ツールではなく、より深い目的があると見て間違いないかと」

 

「なるほど......」

 

結絆は腕を組み、思案する。

 

木山春生が何を目的にレベルアッパーを作ったのか、それを探る必要がある。

 

「次の行動を決めようかあ。木山春生のもとへは俺が直接出るよお。君達には、昏睡状態になった能力者たちの情報をさらに詳しく洗い出してほしいねえ。」

 

「わかりました、とミサカはハッキングの準備に取り掛かります。言い忘れていましたが、レベルアッパーはミサカネットワークと似た雰囲気を感じる、とミサカは自己の推測を話します。」

 

「なるほどねえ、参考にさせてもらうよお。」

 

 そして、結絆はモニターの映像を見つめながら、静かに息を吐いた。

 

「......この先に何があるのか、見極めるしかないねえ」

 

彼は再び夜の街へと足を踏み出した。

 

 

 

 翌日、結絆は御坂美琴、白井黒子、佐天涙子、初春飾利と共に、木山春生の研究室へと向かった。美琴の提案で、直接彼女に話を聞くことにしたのだ。

 

研究棟の一角、簡素なオフィスの扉をノックすると、木山春生が無造作に椅子へ腰掛けていた。

 

「やれやれ、こんな大勢で押しかけてくるとは......レベルアッパーについて何かわかったのかい?」

 

「とぼけないでください。レベルアッパーの件、先生が関わっているって情報があるんです」

 

美琴が鋭く問い詰めると、木山は肩をすくめて答えた。

 

「そういう噂があるのは知っているけど、証拠はあるのかな?」

 

「証拠なら、ここに集めた情報があるよお。先生がレベルアッパーの開発者である可能性は極めて高いねえ」

 

結絆が冷静に告げると、木山の目が一瞬鋭く光った。

 

「......流石だな。君は、本当にただの高校生なのか?」

 

 

 

 結絆達の間に、沈黙が流れる。

 

そして、木山の口元がわずかに歪んだ瞬間、異変が起こった。

 

「っ!?」

 

初春が突然宙に浮き、次の瞬間には木山の手の中に引き寄せられていた。

 

「初春!?」

 

黒子が即座に空間移動で救出しようとしたが、間に合わない。

 

木山は初春を盾にしながら後退し、口元に笑みを浮かべる。

 

「ふふ、追い詰められたらこうするしかないだろう?」

 

「卑怯な......!」

 

美琴が電撃を放とうとするが、木山は余裕の表情で初春の喉元に手を添える。

 

「......さて、どうする?」

 

結絆は静かに状況を見極めた。

 

焦る美琴や黒子を制しながら、木山の意図を探る。

 

「レベルアッパーの真相、そしてあなたの目的。それを聞く前に逃がすわけにはいかないよねえ」

 

「そう言われてもね......」

 

木山は不敵な笑みを浮かべ、次の瞬間、空間が揺らぐような感覚が襲った。

 

「っ! これは......!」

 

木山の姿がかき消え、初春もろともその場から消え去る。

 

「これは、空間移動......!?」

 

黒子が即座に追跡を試みるが、すでに彼女の気配は完全に消えていた。

 

静まり返る室内。

 

結絆は唇を噛みしめながら、次の行動を考えた。

 

「......逃がしたか。だが、これで確定したねえ」

 

「木山春生が、レベルアッパーの黒幕......」

 

美琴の拳が小さく震える。

 

初春が人質に取られたことで、事態はさらに緊迫していた。

 

「やるべきことは決まったねえ。初春を助ける、そして木山春生を止めるよお」

 

「そうね......行動開始よ!」

 

結絆たちは決意を固め、木山春生の行方を追うべく動き出した。




流石に研究所で戦うと地味になっちゃうので、初春には人質になってもらいました()

そして、レベルアッパーの正体が意外と早い段階で分かったので佐天さんとその友達はレベルアッパーを使っていません。

自分で書いておいて言うのはなんですが、結絆が結構万能なので、扱いに困ることがありますね。

それに関しては、原作の合間にオリジナルストーリーを挟んでいって尺を稼ぐつもりです。
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