今回と次回で帆風潤子編はおしまいです。
闇に包まれた学園都市の外縁部。その一角に、厳重な警備を誇る研究所が存在していた。
表向きは医療研究機関を装っているが、その実態は違う。
ここでは、帆風潤子の能力である天衣装着(ランペイジドレス)を再現し、人工的にパワードスーツを超える力を生み出そうとする実験が密かに行われていた。
「......ここが、例の研究所かい。」
結絆はビルの屋上から施設を見下ろしながら呟いた。
隣には操祈と帆風、そしてドリームの構成員たちが待機している。
「警備力が無駄に厳重ねぇ......まあ、潰すだけなんだから関係ないけどぉ。」
操祈が軽く笑う。
その言葉通り、既に、結絆たちはこの研究所を殲滅するつもりで来ていた。
「帆風、準備はいいかい?」
「はい......私は、私の力をこんな研究のために利用させるつもりはありません!」
帆風は力強く頷き、拳を握りしめた。
研究員たちが彼女の能力を悪用しようとしていることに、怒りを抑えられない様子だった。
「なら、さっさと終わらせるよお。」
結絆が手を振ると、暗部の仲間たちが一斉に動き出した。
闇の中、複数の影が静かに研究所へと忍び寄る。
そして、作戦開始の合図と共に、結絆が指を鳴らした。
ドォンッ!!
爆発音と共に、施設の正面ゲートが吹き飛ぶ。
警備員たちが慌てて迎撃態勢を取るが、その瞬間、操祈の心理掌握が発動した。
「私のお願いを聞いてくれるかしらぁ?」
警備員たちは次々に武器を放り投げ、無抵抗になっていく。
「さて、そっちは片付いたし、中に突っ込むよお。」
結絆が先陣を切り、施設の内部へと踏み込む。
待ち受けていたのは、研究所の防衛部隊だった。
「ここから先は通さん......!」
「お断りだねえ。」
結絆の手がわずかに動くと、風圧で敵の体が宙に浮く。
そして次の瞬間、圧倒的な力で壁に叩きつけられ、肉片と化した。
「ひ、ひいいっ......!」
残った敵兵は恐怖に震えながら後退する。
しかし、帆風が一歩前に出ると、彼女の身体を青白いオーラが包んだ。
「......これが本物の天衣装着です!」
その瞬間、帆風は超高速で敵兵の間を駆け抜け、彼らを次々と吹き飛ばしていく。
「さすがだねえ。じゃあ、こっちも引き続きやっていくよお。」
結絆は研究データの保存されている部屋を目指し、奥へと突き進んでいった。
施設の最深部に到達した結絆たちの前に、白衣を着た研究者たちが立ちふさがった。
「やれやれ、来るとは思っていたが......少し早かったな。」
研究責任者と思われる男が、冷静にこちらを見つめていた。
「あなたたちは、一体何を企んでいるんですか?」
帆風が怒りを込めて問いただす。
しかし、男は薄笑いを浮かべながら言った。
「君の能力は素晴らしい。我々は、それを再現することで優れた身体能力を万人が持てる時代を作ろうとしているだけだよ。」
「......ふざけるなッ!!」
帆風が拳を握りしめる。
彼女にとって天衣装着は特別な力であり、決して他人が勝手に利用していいものではない。
「やるしかないねえ。」
結絆は一歩前に出た。
そして、次の瞬間——
「悪いけど、ここで終わりだよお。」
彼の腕がわずかに動くと、研究設備が次々に崩壊していく。
研究者たちは悲鳴を上げ、逃げ惑うが——
「逃がすわけ、ないわよねぇ......」
操祈の能力が発動し、彼らの動きを封じる。
帆風が最後の一撃を放ち、施設は完全に沈黙した。
炎が研究所を包み込む中、結絆たちはゆっくりと外へと歩み出た。
「......これで終わった......のですかね?」
帆風が息を整えながら呟く。
操祈が微笑みながら肩をすくめた。
「まあ、これであの研究も終わりってことだねえ。」
結絆は月を見上げ、静かに言った。
「だけど、これで全て終わったわけじゃないねえ......。また別の連中が動き出すかもしれないよお。」
「それなら、その時も戦えばいいのです!」
帆風が力強く答える。
その言葉に、結絆も微笑んだ。
「そうだねえ。」
そう結絆は呟く。
こうして、学園都市の闇に潜んでいた天衣装着の研究は完全に消え去った。
しかし、これは新たな戦いの幕開けに過ぎなかった。
結絆たちが、研究所を破壊しました。
能力を利用したクローン兵器の作成は、結絆たちの地雷を踏みまくっているので、速攻で潰されましたね。
次回で帆風潤子編は終わりです。