二人が、鏡の国を引き続き冒険します。
柔らかな光が洞窟の天井の割れ目から差し込み、泉の水面にゆらめきを作り出していた。
静寂の中、水滴が落ちる音が響く。
「......ふあぁ......」
結絆が目を覚ますと、帆風も隣で静かに目を開けた。
昨夜の疲れがすっかり癒えているのを感じながら、二人はゆっくりと起き上がった。
「おはよう、帆風」
「おはようございます、結絆さん。よく眠れましたか?」
「うん、すごく快適だったねえ。泉の水の音が心地よかったよお」
帆風も微笑みながら頷いた。
「ええ、こんなに落ち着いた場所で眠るなんて、なかなかない体験ですね」
体を伸ばし、二人は洞窟の奥へと歩き出した。
青緑に光る苔が道を照らし、壁には小さな鉱石が埋まっているのが見える。
「やっぱり、この洞窟は自然にできたものじゃなさそうだねえ。ところどころ人工的な掘り方をされてる気がするよお」
「確かに......。整った形の通路が多いですね」
そんなことを話していると、前方の岩陰から小さな影が現れた。
「......ん?」
目を凝らして見ると、それはヘルメットを被ったモグラだった。
小さな体に似合わないほどしっかりとした装備をしており、手には小さなツルハシを持っている。
さらに、横にはサングラスをかけたモグラもいて、腕を組んでこちらを見つめていた。
「モグラ......?」
「おそらく、この洞窟を掘ったのは彼らではないでしょうか」
帆風が驚いた様子で呟くと、モグラ達はコクコクと頷きながら穴を掘る仕草を見せた。
「なるほどお......モグラが鉱山作業員みたいに掘り進めてるってことなのかなあ」
サングラスを付けたモグラは、ツルハシを肩に担ぎながら、得意げに胸を張っている。
ヘルメットを被ったモグラは、地面をトントンと叩いてから、何かのリズムを取るように踊り始めた。
「ユニークな子達ですね......」
「ほんとだねえ......。いやあ、学園都市にはない光景だなあ」
二人はしばしモグラ達の様子を観察した。
どうやら彼らは洞窟を整備しながら、新しい通路を作っているようだった。
壁に空いた穴を慎重に調べたり、ツルハシで軽く叩いて強度を確かめたりしている。
「この洞窟、どこまで続いてるんだろうねえ?」
「それは気になりますね。もしかしたら、このモグラ達の案内でさらに奥へ行けるかもしれません」
結絆と帆風は顔を見合わせ、再び洞窟の奥へと足を踏み入れた。
モグラ達の作った不思議な洞窟が、どこへ続いているのか——二人の好奇心はますます膨らんでいくのだった。
洞窟の奥へ進んでいくと、徐々に空間が開け、天井の高い広間へとたどり着いた。
壁面にはツルハシで削った跡があり、天井からは無数の鉱石が光を反射して幻想的な輝きを放っている。
「すごいですね......こんなに広い場所があるなんて」
「ほんとにねえ。まるで遺跡みたいだよお」
帆風が感心したように周囲を見渡していると、突然、地響きのような音が響き渡った。
「......何の音ですか!?」
二人が警戒する中、奥の闇から巨大な影が現れた。
それは木製の大きなハンマーを持ったゴリラだった。
毛並みは艶やかで、筋肉質な体躯が闘志をみなぎらせている。
「侵入者......!ここは、オレ様が守る場所......出て行け......!」
ゴリラは低く唸りながら、ハンマーを振り上げた。
「おお......いきなり戦闘モードってわけかあ......」
「結絆さん、避けてください!」
ゴリラのハンマーが振り下ろされる。
二人は素早く横に飛び、地面に巨大な亀裂が走った。
「パワーがすごいねえ......。でも、こっちもやられるわけにはいかないよお」
結絆は素早く前へと踏み込み、ゴリラの懐へと潜り込んだ。
その瞬間、ゴリラがハンマーを横薙ぎに振るう。
「甘いねえ!」
結絆は瞬時に跳躍し、ハンマーの軌道を避けながら、ゴリラの肩口に手刀を叩き込んだ。
「ぐおおっ!」
巨体が一瞬ぐらつくが、すぐに踏ん張り直した。
「さすがに頑丈だねえ......」
そして、帆風はゴリラが怯んだ隙を逃さず、渾身の蹴りをゴリラの脇腹に叩き込む。
「はっ!」
重い衝撃音が響き、ゴリラが苦悶の表情を浮かべながら後退する。
「ぐぬぬ......強い......!」
しかし、ゴリラは再びハンマーを構えた。
その目には、単なる怒りではなく、この場所を守ろうとする強い意思が宿っていた。
「......侵入者、許さない......!」
「いやいや、俺達別に荒らしに来たわけじゃないんだけどなあ......」
結絆は肩をすくめつつ、早めに決着をつけるべく、瞬時に地面を蹴ってゴリラの背後へと回った。
「終わりだよお」
結絆は手のひらをゴリラの首筋に当て、そこへ圧倒的な力を込める。
次の瞬間——
「ぐ......おおおっ!」
ゴリラの体が大きくのけ反り、その巨体が地面に膝をついた。
「ふう......やれやれ、なかなかタフだったねえ」
結絆が息を整えながらそう呟くと、ゴリラは地面に手をついたまま、荒い息を吐きながら彼らを見つめた。
「......ま、待て......」
「ん? どうしたんだい?」
ゴリラはハンマーを置き、ゆっくりと頭を下げた。
「すまない......。お前達、敵ではなかったのか......?」
「だから、最初からそう言ってたんだけどねえ......」
結絆は苦笑しながら、ゴリラの前に歩み寄った。
帆風もゴリラを心配そうに見つめている。
「どうやら、俺達のことを侵入者だと勘違いしてたみたいだねえ」
「......この洞窟は、俺達が長年守ってきた場所だ......。外から来た者は、皆、略奪者だった......だから、つい......」
ゴリラの言葉には後悔の色が滲んでいた。
「なるほどお......でも、俺達はそんなつもりじゃないから安心してよお」
「......ありがとう......」
ゴリラは深く頭を下げた。
「お前達、強かった。無駄な戦いをしてしまったが、感謝する......」
「ふふっ、結絆さん、どうやら仲良くなれそうですね」
「そうみたいだねえ」
こうして、思わぬ戦闘を経て、結絆と帆風はゴリラと和解した。
新たな仲間の可能性を感じながら、二人は再び洞窟の奥へと歩みを進めるのだった。
洞窟の奥へ進んでいくと、通路が次第に広がり、再び大きな空間へと出た。
そこには、今まで見たどのモグラよりもはるかに巨大なモグラがいた。
頭にはゴーグルを装着し、しっかりとした作業服のようなものを身につけている。
「おお......君達か。ゴリラのやつから話は聞いているよ」
低く響く声が洞窟内にこだました。
「俺達に何か用事でもあるのかい?」
結絆が警戒しながらも問いかけると、巨大なモグラは静かに頷いた。
「そうだ。鏡の国で異変が起こっている。お前達に、それを解決するのを手伝ってほしい」
「異変......?」
帆風が不思議そうに眉をひそめる。
「うむ。最近、この国のあちこちで鏡の力が暴走し、奇妙な現象が次々と発生しているのだ。ゴーレムの頭に刺さっていた鏡の破片も、その異変の一部だろう」
「たしかに......。あれもただの破片じゃなかったよねえ」
結絆は考え込むように顎に手を当てた。
ゴーレムの頭に刺さっていた鏡の破片が原因で、ゴーレムが苦しんでいたことを思い出す。
「異変の原因ははっきりしていないが、どうやらこの鏡の欠片が鍵になっているらしい」
そう言うと、巨大なモグラは懐から小さな布包みを取り出した。
慎重に包みを開くと、中にはゴーレムの頭に刺さっていたものとよく似た鏡の破片が収められていた。
「これは......?」
「これは、私達が洞窟の奥深くで発見したものだ。お前達なら、これを使い異変の真相を突き止められるかもしれないな」
モグラはゆっくりと結絆に鏡の破片を差し出した。
「......分かった。俺達で何とかしてみるよお」
結絆は破片を受け取り、帆風と視線を交わす。
「結絆さん、一緒に頑張りましょう」
「もちろん、まだまだ頑張っていくよお」
二人は微笑み合い、改めて決意を固めた。
鏡の国に起こる異変の謎を解き明かすため、結絆と帆風は新たな冒険へと踏み出すのだった——。
巨大なモグラは鏡の破片を結絆に手渡した後、もう一度懐を探り、今度は別の鏡を慎重に取り出した。
それは他のものとは異なり、縁が歪んで揺らめいているように見える。
「この鏡は特別なものだ。エリア間を移動できる鏡でね、これに入るといいよ」
巨大なモグラはそう言って鏡を地面にそっと置いた。
すると、鏡の表面が波打ち、やがて吸い込まれるように結絆と帆風を引き寄せ始めた。
「おっと、またか......!」
結絆がバランスを取ろうとした瞬間、帆風とともに鏡の中へと吸い込まれていった。
次の瞬間、二人はまばゆい光に包まれながら、新たな場所へと降り立った。
「ここは......?」
帆風が周囲を見回すと、そこは巨大な火山のふもとだった。
黒々とした岩肌が広がり、遠くでは赤々と燃える溶岩が流れている。
熱気が漂い、空気が少し重く感じられる。
「うわあ、なかなかハードな場所に来ちゃったねえ......」
結絆は額から汗をかいていることに気付き、能力を発動して環境に適応する。
そして、二人は辺りの状況を確認した。
「でも、幸いにも木々が生えている場所もあるみたいですね」
帆風が指差した先には、火山の厳しい環境の中でもたくましく生い茂る植物があり、その周囲には果実のようなものも実っていた。
「食料になりそうなものを探しておいた方がいいかもねえ」
「そうですね。しばらくここを探索してみましょう」
二人は慎重に足を進めながら、周囲の植物を観察し始めた。
「おっ、この実なんかはどうかなあ?」
結絆が手に取ったのは、見た目はリンゴに似ているが、表面が少し硬めの赤い果実だった。
「ちょっと待ってください。安全かどうか確かめた方がいいですね」
帆風は手にしていた小さなナイフで慎重に果実を割り、匂いを嗅いだ。
「特に異臭はしませんが......少しだけかじってみます」
「無理しないでねえ」
帆風は慎重に果実の端をかじり、ゆっくりと味を確かめた。
「......ほんのり甘くて、少し酸味があります。でも、毒はなさそうです」
「なら、食べられそうだねえ。もう少し探してみよっか」
結絆と帆風はさらに探索を進め、火山地帯でも生育する野草や、洞窟内に自生するキノコなどを見つけた。
幸運なことに、どれも食材として利用できそうだった。
「よし、これでしばらくの食料は確保できたねえ」
「ええ、この環境でも生きていけるように準備は大事ですからね」
二人は確保した食材を手にしながら、次にどこを目指すべきかを考え始めるのだった。
火山のふもとで食材を確保した結絆と帆風は、次に食事の準備を始めることにした。
「さて、どうやって料理しようかねえ?」
結絆は手にした果実や野草を見つめながら、火を起こす手段を考えた。
しかし、ふと視線を向けると、火山の裂け目から地熱が噴き出している場所がいくつか見受けられた。
「これ、うまく使えば調理に使えるんじゃないかなあ?」
「確かに......火を起こさずとも、自然の力を借りて加熱できますね」
帆風もそのアイデアに賛同し、二人は地熱の吹き出る場所に食材を持ち寄った。
「まずはこの果実を焼いてみましょう。リンゴみたいですけど、加熱すると甘みが増すかもしれません」
「おっ、いいねえ! じゃあ俺はこの野草を蒸し焼きにしてみよっかなあ」
二人はそれぞれの食材を岩の上に並べ、火山の熱でじっくりと火を通した。
果実は表面の色が少し変わり甘い香りを漂わせ、野草もほんのりとした苦みと香ばしさが際立つ仕上がりになった。
「わあ、いい香りがしますね!」
「これは絶対うまいと思うよお......さっそく食べようか!」
結絆と帆風は熱々の果実を手に取り、一口かじった。
「んっ......!甘くて、とろけるような食感!」
「ほんとだねえ......まるで焼きリンゴみたいだよお」
野草も適度に苦みが抜け、ほんのりとした塩気を感じるほどに美味しく仕上がっていた。
二人は夢中になって食べ進め、あっという間に完食してしまった。
「ごちそうさまでした。自然の恵みに感謝ですね」
「そうだねえ。火山の熱を利用するなんて、なかなかできない体験だよお」
満腹になった二人は、次に寝床を探すことにした。
火山のふもとではあるが、風が直接吹き込まず、適度に温かい場所を見つけることができれば、快適に休めるだろう。
「少し離れたところに、岩陰がありました。風をしのげるので、あそこで休むのがいいかもしれません」
「おっ、いいねえ! じゃあ、そこに行こうかあ」
二人は残りの食材を整理し、岩陰へと移動した。
幸いにも地熱のおかげで、寒さに震えることなく横になることができる。
「はい、ここなら安心して休めそうですね」
「じゃあ、今日はここで寝るとしようかねえ......」
結絆と帆風は岩にもたれながら、静かに目を閉じた。
火山の奥深くでの新たな一夜が始まる。
朝日が火山のふもとに差し込み、静寂の中で結絆は目を覚ました。
微かに流れる風が岩陰を吹き抜け、昨夜の疲れを癒すかのように穏やかだった。
「......ん?」
結絆は、隣で眠る帆風の様子がおかしいことに気付いた。
普段なら規則正しい寝息を立てているはずの彼女の呼吸が、浅く乱れている。
「帆風? 大丈夫かい?」
結絆が声をかけ、そっと額に手を当てると、いつもより熱を帯びていた。
顔色も少し青白く、身体がわずかに震えている。
「これは、熱が出てるねえ......」
帆風は薄く目を開け、かすれた声で応えた。
「すみません......少し、気分が......悪くて......」
結絆の胸に不安が走る。
昨日食べた果実や野草に何か問題があったのか?
自分自身は何ともなかったが、それが逆に違和感を覚えさせた。
(......もしかして、俺の能力が無意識のうちに毒素を分解してたってことか......?)
結絆の自己制御(セルフマスター)は、結絆の意識と関係なく自分の体調を完璧に管理することができる。
もし食材に毒が含まれていたとしても、彼の身体はそれを自動的に無害化してしまう。
しかし、帆風にはその能力がない。
「ごめん、帆風。気付くのが遅れてしまって......」
帆風は弱々しく首を振った。
「いえ......結絆さんの、せいじゃ......」
「喋らなくていいよお、すぐに治してやるからねえ」
結絆は膝をつき、帆風の体を優しく支えながら、自らの能力を発動させた。
自己制御によって体内の化学構造を自在に操ることができる彼は、すぐに解毒作用のある成分を合成し、それを帆風に投与する方法を考えた。
(......よし、これを直接帆風の体に送り込めば......)
最も効果的な方法を選び、結絆は躊躇いながらも決断した。
「ごめん、ちょっとだけ我慢してねえ......」
結絆は帆風の肩をそっと抱き寄せると、そのまま彼女の唇に優しくキスをした。
解毒成分を自らの唾液に乗せ、直接体内へと送り込むためだ。
一瞬、帆風の体がびくりと震えた。
しかし、すぐに力が抜け、目をトロンとさせながら結絆に身を預けるように寄りかかる。
十秒程度たった後、結絆はそっと唇を離した。
「......っ、これで大丈夫なはずだよお」
帆風の体を抱き支えながら、彼女の容態を見守る。
すると、次第に呼吸が落ち着き、顔色も少しずつ元に戻ってきた。
「結絆......さん......?」
「気分はどうかい? まだ辛いかい?」
「......いえ、なんだか、体が......楽に......なりました」
帆風はゆっくりと目を開け、結絆を見つめた。
結絆の顔には安堵の笑みが浮かんでいる。
「よかったよお......ほんとに、焦ったんだからねえ」
帆風は弱々しく微笑みながら、そっと唇に指を触れた。
そして、小さく頬を染めながら、静かに結絆に寄り添った。
「助けてくれて、ありがとうございます......結絆さん......」
「俺の大事な仲間だからねえ、当然だよお」
火山のふもとで、静寂の中、結絆は帆風をそっと抱き寄せながら、彼女が完全に回復するまで優しく見守っていた。
結絆は、まだ完全に回復しきっていない帆風を抱きかかえながら、火山地帯の奥へと足を進めていた。
朝方の出来事があってから、結絆は常に帆風の体調を注意深く観察していた。
毒の影響は取り除いたものの、彼女の顔にはまだ少し疲労の色が残っている。
そこで結絆は、先ほど発見した温泉へと彼女を連れて行くことにしたのだった。
「今日は無理せず、温泉に入ってゆっくりしようかあ。体力回復が最優先だよお」
「温泉......ですか?」
帆風が驚いたように問い返す。
「うん、ちょうどいい場所を見つけたんだよお。火山の地熱で湧いた温泉で、周りの岩が蒸気に包まれてて、すごく雰囲気がいいんだあ」
「確かに、少し身体が重いですし......お言葉に甘えさせていただきます、結絆さん」
帆風はほっとしたように微笑んだ。
その笑顔を見て、結絆も安心した気持ちになる。
火山地帯を歩くこと数分、二人は目的の温泉へと到着した。
そこには、自然にできた岩のくぼみに澄んだ湯が溜まっており、あたりには湯気が立ち込めている。
硫黄の匂いはほとんどなく、泉のような清涼感がある。
「わあ......」
帆風が感嘆の声を漏らす。
「いい感じだろお? ここならリラックスできそうだねえ」
「はい......! まるで秘湯みたいです......」
帆風は早速、岩場の陰で服を脱ぎ、温泉へと足を浸した。
じんわりと温かさが広がる感覚に、思わずため息が漏れる。
「ふぅ......すごく気持ちいいですね......」
「だろお? 俺も入るよお」
結絆も服を脱ぎ、温泉へと足を入れる。
程よい熱さが身体を包み込み、長旅の疲れがじわじわとほぐれていくようだった。
二人はしばらくの間、静かに湯に浸かりながら、火山の大自然を眺めていた。
「こんな温泉に入れるなんて、まるで夢のようですね......」
「そうだねえ。ここまでいろいろあったけど、こうしてゆっくりできるのも悪くないよお」
結絆は温泉の水面を軽くなでながら、帆風の方をちらりと見た。
帆風は頬を赤らめながらも、結絆の体をしっかりと見ていた。
帆風は意外とムッツリなのである。
それはさておき......
「結絆さんがいてくれたおかげで、私は今ここにいられるんですね......」
「そんな大げさなことじゃないよお。まあ、これから帆風がピンチになったとしても、何度でも助けてあげるからねえ。」
結絆が気恥ずかしそうに笑うと、帆風も静かに微笑んだ。
こうして二人は、しばらく温泉の温もりを堪能した後、岩場に腰掛け、涼しい風に当たりながら休息をとった。
「これで明日には、また元気に動けると思います」
「よかったねえ。しっかり回復して、次の目的地に進もうかあ」
「はい!」
帆風の力強い返事に、結絆は満足そうにうなずいた。
鏡の世界での旅は、まだまだ続く。
今回は、洞窟と火山での話を書いてみました。
結絆が帆風のことを大切に思っていることが、よくわかるシーンになっていると思います。
鏡の国編は、基本的には結絆と帆風がイチャつきながら冒険するという流れになっています。