食蜂操祈のお兄様   作:とんこつスープ

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今回は、前回の続きです。


王様ゲーム、その2

 「王様だ〜れだ?」

 

スターカッターの船内に、賑やかな声が響く。

 

「私が王様ってわけよ!」

 

フレンダがくじを掲げながら、誇らしげに笑う。

 

「うわ、フレンダが超王様ですか......また変な命令が超飛んできそうな予感がします」

 

絹旗が警戒しながら言うと、麦野も「まあ、フレンダのことだからな」と苦笑した。

 

「さてさて、何を命令しようかな〜?」

 

フレンダは腕を組んでしばらく考え込んだ後、パチンと指を鳴らした。

 

「よし、決めた! 4番が王様含めた全員にマッサージをする!」

 

「......ん?」

 

結絆は自分のくじを見つめ、少しだけ眉を上げた。

 

「おやおや、これはまた面白い命令だねえ。俺が4番だよお」

 

「えー!じゃあ、結絆が私たちをマッサージしてくれるってわけ?」

 

「......結絆に体を触られるのは、なんか超恥ずかしいです」

 

「ふふっ、まあ、気持ちいいマッサージを期待してるわよ?」

 

麦野が楽しげに笑いながら、ソファに腰を下ろした。

 

他のメンバーも、それぞれ楽な姿勢を取る。

 

「じゃあ、まずは王様のフレンダからいこうかねえ」

 

結絆はフレンダの後ろに回ると、そっと肩に手を置いた。

 

「んんっ......!」

 

指がぐっと食い込んだ瞬間、フレンダの体がぴくりと跳ねる。

 

「うわ、フレンダの肩、めちゃくちゃ凝ってるねえ......」

 

「そ、そう?でも、なんか気持ちいいってわけよ......」

 

結絆は適度な力で揉みほぐしながら、フレンダの肩の筋肉をゆっくりと解していく。

 

「ふぅ〜......なんか、眠くなってきた......」

 

フレンダがうっとりと目を閉じるのを見て、麦野が「次は私の番ね」と言って肩を回した。

 

「麦野も結構凝ってるねえ。リーダーはやっぱり疲れるのかなあ?」

 

「そりゃあねぇ......って結絆、あんた結構上手いじゃない」

 

「そりゃどうもお」

 

結絆は麦野の肩から背中にかけて、ゆっくりと指圧を加えていった。

 

「くぅ〜......効くわねぇ......!」

 

次に、滝壺が静かに座って、結絆の手を待った。

 

「滝壺は肩よりも首の方が張ってるねえ」

 

「うん......気持ちいい」

 

滝壺は目を閉じ、穏やかな表情を浮かべた。

 

「じゃあ、次は絹旗だねえ」

 

「わ、私ですか......!?」

 

絹旗は少し顔を赤らめながら、そわそわと落ち着かない様子で座った。

 

「緊張しなくてもいいよお。力加減はどうかなあ?」

 

「い、意外と......超いい感じです......」

 

結絆の指が優しく肩を揉みほぐしていく。

 

絹旗の表情が次第に緩んでいき、心地よさそうに目を閉じた。

 

「最後は俺かなあ?」

 

「自分で自分のマッサージってできるの!?」

 

「まあ、自己制御(セルフマスター)を使えば、できなくもないねえ」

 

そう言って、結絆は自分の首を軽く回しながら、自らの筋肉を弛緩させていった。

 

「凄いわね......」

 

麦野が感心しながら結絆を見つめる。

 

「じゃあ、みんなの疲れも取れたし、次、いこうかねえ」

 

結絆が軽く手を叩くと、フレンダが満足げに頷いた。

 

「うん! 最高のマッサージだったってわけよ!」

 

「これは......確かに超悪くないです」

 

絹旗も、頬を染めながら呟いた。

 

 

 

 「王様だ〜れだ?」

 

くじを引いたメンバーが一斉にくじを確認する中、結絆はふっと微笑みながら札を掲げた。

 

「俺が王様だねえ」

 

「お、結絆か。何を命令する気だ?」

 

麦野が興味深げに腕を組むと、フレンダや絹旗も期待の眼差しを向けてきた。

 

「うーん、じゃあ......2番は王様にびっくりする話をする、ってのはどうかなあ?」

 

「びっくりする話?」

 

「そう。俺が『マジかあ!?』って驚くような話をしてほしいねえ」

 

結絆が軽く肩をすくめると、メンバーは一斉に自分のくじを確認した。

 

「私が2番」

 

滝壺が静かに手を上げた。

 

「おっ、滝壺か。楽しみだなあ」

 

「うん......それじゃあ、耳を貸して」

 

滝壺は結絆の隣に座ると、そっと身を寄せた。

 

「なになに?」

 

結絆が軽く笑いながら耳を傾けると、滝壺は小さく囁いた。

 

「フレンダと絹旗......最初に結絆を見た時に、一目惚れしてる」

 

「......え?」

 

結絆の体がピクリと硬直する。

 

「......マジかあ!?」

 

突然の驚きの声に、他のメンバーがびくっと反応した。

 

「ちょ、ちょっと!?何がそんなにびっくりしたんですか!?」

 

絹旗が驚いたように問いかける。

 

「いやあ、これは予想外というか......本当にびっくりしたよお......」

 

「え、なになに!?私も知りたいってわけよ!」

 

フレンダも興味津々で詰め寄るが、結絆は滝壺をちらりと見て、小さく苦笑した。

 

「......ふふ、秘密だよお」

 

「えぇ!? なんでよー!」

 

フレンダと絹旗が不満そうに頬を膨らませる中、滝壺は静かに微笑んでいた。

 

「......びっくりした?」

 

「びっくりしたよお......ほんとにねえ」

 

結絆はこめかみを軽く押さえながら、改めてフレンダと絹旗の方を見つめる。

 

(......そうだったんだねえ......)

 

今まで気づかなかった事実に、彼は内心で驚きを隠せなかった。

 

「まあ、結絆が驚いたなら成功ってことで、次の王様を決めるわよ」

 

麦野の一言で、場の空気が再び和やかに戻る。

 

しかし、結絆の心には小さなざわめきが残っていた。

 

(参ったねえ......これはちょっと、意識せざるを得ないねえ)

 

そんなことを思いながら、彼は次のくじを引いた。

 

「王様だ〜れだ?」

 

くじを引いたメンバーが一斉に自分の札を確認する。

 

「私が王様」

 

滝壺が静かに札を掲げた。

 

「おっ、滝壺ね。どんな命令にする気?」

 

麦野が興味深そうに尋ねると、滝壺は少し考え込んだあと、淡々と言葉を紡いだ。

 

「1番が5番と一緒に、今日の晩飯のメニューを考える」

 

「......へぇ、珍しく穏やかな命令ですね」

 

絹旗が意外そうに目を瞬かせる中、メンバーはそれぞれ自分の札を確認する。

 

「お、私が5番ってわけよ!」

 

フレンダが札を掲げると、結絆もゆったりと札を見せた。

 

「ん〜、俺が1番だねえ」

 

「ってことは、結絆とフレンダで晩飯のメニューを決めるのね」

 

麦野が頷くと、フレンダは笑いながら言った。

 

「なんか、意外と簡単な命令ってわけよ!」

 

しかし、その言葉を聞いた結絆は軽く首を振った。

 

「いやあ、これはなかなか難しい命令だよお」

 

「え? そうなの?」

 

フレンダが首をかしげると、結絆は穏やかに微笑みながら説明を続けた。

 

「だって、みんなが満足するメニューを考えないといけないでしょお? 麦野はガツンとしたものが好きそうだし、滝壺はあっさりしたのが良さそうで、絹旗はバランスにこだわってそうだから......結構考えることが多いんだよねえ」

 

「うっ、それは......確かにそうかも......」

 

フレンダは口元に指を当て、考え込む。

 

「じゃあ、どうする?」

 

滝壺が静かに尋ねると、結絆は腕を組んでしばらく考えたあと、ふっと微笑んだ。

 

「よし、じゃあこうしようか。メインはガッツリ系のハンバーグ、それにさっぱりしたサラダを付けて、スープは野菜たっぷりのコンソメスープにするってのはどうかなあ?」

 

「おお、それならバランスも良いし、皆喜びそうってわけよ!」

 

フレンダがぱっと笑顔を見せる。

 

「ハンバーグ......いいと思う」

 

滝壺が小さく頷き、麦野も満足げに微笑んだ。

 

「悪くないじゃない。ちゃんとみんなの好みを考えてるし」

 

「結絆、なかなかやりますね。私も超納得です」

 

絹旗も満足そうに頷く。

 

「ふふ、気に入ってくれてよかったよお」

 

結絆は柔らかく微笑み、フレンダと目を合わせる。

 

「じゃあ、早速準備を始める?」

 

「うん!一緒に頑張るってわけよ!」

 

こうして、結絆とフレンダは今日の晩飯のメニューを決め、楽しい夕食の準備へと取り掛かるのだった。

 

 

 

 夕飯のメニューが決まり、結絆たちは食材を調達するために動き出した。

 

「さて、とりあえず材料を集めないとねえ」

 

結絆はスターカッターの操縦席に座り、ふわりと微笑んだ。

 

そして、手際よく操作盤に触れると、船体が滑らかに動き出す。

 

「どこへ向かうの?」

 

麦野が腕を組みながら尋ねると、結絆は前方のモニターを指さした。

 

「森だよお。あそこなら新鮮な食材が手に入りそうだからねえ」

 

そう言うと、スターカッターは美しい弧を描きながら、広大な緑の森へと降下していった。

 

 

 

 スターカッターを森の開けた場所に着陸させた後、五人はそれぞれ役割を決めて食材探しを開始した。

 

「じゃあ、私はイノシシ狩りに行くわ」

 

麦野が不敵な笑みを浮かべながら宣言する。

 

「ええっ、イノシシ!?そんなの捕まえられるの!?」

 

フレンダが目を丸くするが、麦野は肩をすくめた。

 

「大丈夫よ。ちょっと脅かせば、大人しくなるわ」

 

「なんか超危なっかしいですね......」

 

絹旗がため息をついたが、麦野のやる気は満々だった。

 

「私も一緒に行く。イノシシ、スタミナがあるから気をつけたほうがいい」

 

滝壺が静かに申し出ると、麦野は「心強いわね」と笑った。

 

「じゃあ俺たちは、野草や果物を探そうかあ」

 

結絆はフレンダと絹旗を見ながら提案し、二人も頷いた。

 

 

 

 森の中を歩きながら、結絆たちは慎重に食べられるものを探していく。

 

「おっ、この実、おいしそうじゃない?」

 

フレンダが小さな赤い実を見つける。

 

「ちょっと待ってねえ」

 

結絆は鼻を近づけて、成分を分析した。

 

「うん、大丈夫だねえ。甘酸っぱくて栄養価も高いよお」

 

「やった!じゃあ、たくさん集めちゃお!」

 

フレンダは張り切って果実を摘み始める。

 

一方、絹旗は野草を探していた。

 

「これ、確か超食べられるやつですよね?」

 

彼女が指差したのは、細長い葉の野草だった。

 

結絆が確認すると、それは食用のハーブの一種だった。

 

「うん、それはスープの香りづけにも使えるねえ」

 

「よし、超ゲットです!」

 

 

 

 一方、その頃麦野と滝壺はイノシシを追っていた。

 

「いたわね......」

 

麦野が木陰から様子を伺う。

 

目の前には大きなイノシシが草を食んでいる。

 

「どうする?」

 

滝壺が小声で尋ねると、麦野はニヤリと笑った。

 

「簡単よ。ちょっと脅かしてやれば、気絶するでしょ」

 

そう言うと、麦野は手から微弱な光を放ち、それを地面に向かって放った。

 

「ドガァンッ!」

 

大きな音と振動に驚いたイノシシは一瞬硬直した後、その場に崩れ落ちた。

 

「......驚かせるだけって、超嘘じゃないですか?」

 

後ろから絹旗の冷静なツッコミが入ったが、麦野は気にせず満足げだった。

 

「細かいことは気にしないの」

 

こうして、結絆たちは無事に食材を集め、夕飯の準備へと進むのだった。

 

森で集めた食材を手に、結絆たちは丘の上へと移動した。

 

「よし、ここなら風通しもいいし、煙もこもらないねえ」

 

結絆は周囲を見渡し、適当な木を見つけると、軽く腕を振った。

 

その瞬間、鋭利な刃のような風が木の幹を切り落とす。

 

倒れた木をいくつか集めると、今度は手のひらに小さな火を灯し、薪に火をつけた。

 

「流石は結絆、超手際がいいですね」

 

絹旗が感心したように言うと、フレンダも目を輝かせた。

 

「ほんとほんと、火起こしってもっと大変なイメージあったけど、こんなに簡単にできちゃうってわけね!」

 

「ま、せっかくのキャンプ気分だから、楽しまなきゃねえ」

 

結絆は笑いながら、焚き火の火加減を調整した。

 

 

 

 火が安定したところで、いよいよ調理が始まる。

 

「よし、まずはハンバーグ作るわよー!」

 

麦野が意気込んで拳を握る。

 

「じゃあ、ひき肉をこねるのは誰がやるかい?」

 

結絆が尋ねると、滝壺が静かに手を挙げた。

 

「わたし、やってみたい」

 

「おっ、滝壺やる気だねえ。じゃあ、お願いしようかなあ」

 

滝壺はひき肉に塩コショウ、パン粉、卵を加え、ゆっくりとこね始めた。

 

その横でフレンダが玉ねぎをみじん切りにしている。

 

「フレンダ、大丈夫? 目、超痛くならないですか?」

 

絹旗が心配そうに聞くと、フレンダは涙目になりながらも笑った。

 

「うん、大丈夫......!たぶん!」

 

「いや、超泣いてますよ......」

 

みんなが笑う中、滝壺がしっかりとこね上げたひき肉を丸めていく。

 

「じゃあ、焼くのは結絆に任せようかしら?」

 

麦野がニヤリと笑う。

 

「もちろんいいよお。おいしく焼くから、楽しみにしててねえ」

 

結絆はフライパンを焚き火にかけ、油を引いてハンバーグを並べる。

 

じゅうっと食欲をそそる音とともに、香ばしい匂いが漂い始めた。

 

 

 

 ハンバーグを焼いている間に、絹旗とフレンダはサラダ作りを担当する。

 

「森で採った野草も使えるよね?」

 

「うん、それと森の果物も入れるといいかもお」

 

結絆がアドバイスをすると、二人は張り切って作業を始めた。

 

「よし、超おしゃれなサラダを作りますよ!」

 

絹旗はレタスや野草をちぎりながら、果物をトッピングしていく。

 

一方、コンソメスープは滝壺と麦野が担当。

 

「コンソメの素はないけど、骨付き肉と野菜を煮込めば、それっぽくなるよお」

 

結絆が教えると、麦野は「なるほどね」と頷きながら、鍋の中で煮込んでいった。

 

 

 

 全ての料理が完成し、五人は丘の上で円になって座った。

 

「いやー、超いい匂いですね!」

 

絹旗が嬉しそうにハンバーグを見つめる。

 

「うん。がんばった分、すごくおいしそう」

 

滝壺も静かに微笑む。

 

「じゃあ、いただきまーす!」

 

五人は声をそろえて食べ始めた。

 

「ん~!これ、めっちゃおいしいわね!」

 

麦野が目を輝かせる。

 

「ほんとほんと、ジューシーで肉の旨味がすごいってわけよ!」

 

フレンダも頬を押さえながら感動している。

 

「サラダも超新鮮でおいしいですし、スープもめちゃくちゃいいダシが出てますね」

 

絹旗も感心しながらスープをすすった。

 

結絆はそんな仲間たちの様子を見て、満足そうに微笑んだ。

 

「みんなで作った料理は、やっぱり最高だねえ」

 

丘の上に広がる夜空の下、五人は楽しく夕飯を楽しんだのだった。

 

食事を終えた結絆たちは、丘の上に寝転がって夜空を見上げていた。

 

「ふぅ......超お腹いっぱいですね」

 

絹旗が満足げに息をつく。

 

「うん、すごくおいしかった」

 

滝壺も静かに微笑む。

 

「にしても、この丘からの景色ってめっちゃいいわね。星もすごいハッキリ見えるし」

 

麦野が、夜空を見上げながらそう呟く。

 

「確かに。都会じゃこんなに星は見えないよね」

 

フレンダも目を輝かせながら言った。

 

結絆はそんな仲間たちを見て、ゆっくりと夜空に目を向けた。

 

「そういえば、俺は前に鏡の世界に行った時、宇宙を探索したこともあったんだよねえ」

 

その言葉に、アイテムのメンバーたちは驚いて身を起こした。

 

「......ちょっと待ってください。超どういうことですか?」

 

絹旗が目を丸くする。

 

「結絆、宇宙行ったの?」

 

滝壺が淡々と聞く。

 

「うん、まあ、鏡の世界の宇宙だけどねえ。あっちは普通の物理法則とちょっと違って、空気があったり、俺でも飛び回れる環境があったりしてねえ」

 

「それ、超SFじゃないですか......!」

 

絹旗が驚愕する。

 

「いや、話がぶっ飛びすぎてついていけないってわけよ......」

 

フレンダもぽかんとした表情だ。

 

「へぇ、なんか面白そうね。でも、宇宙探索って具体的に何したの?」

 

麦野が興味深そうに尋ねる。

 

「うーん、いろいろな星を巡ってみたり、巨大な星雲の中を突っ切ったり、魔獣を懲らしめたりもしたねえ」

 

「ちょ、ちょっと待ってください!魔獣!?普通だったら超死ぬやつじゃないですか!」

 

絹旗が叫ぶ。

 

「まあ、帆風と協力して倒せちゃったからねえ」

 

「ええ......」

 

アイテムのメンバーたちは呆れ半分、驚き半分といった表情になった。

 

「結絆、本当にすごいね」

 

滝壺が静かに言う。

 

「うん、まあ、貴重な体験ではあったねえ」

 

結絆は微笑みながら、再び星空を見上げた。

 

「でも、こうしてみんなで地上から星を眺めるのも、いい気がするねえ」

 

その言葉に、麦野たちも同意するように頷いた。

 

「宇宙旅行も楽しそうだけど、こうやってのんびり星を見るのも悪くないってわけよ」

 

「ですね。超落ち着きます」

 

絹旗も満足そうに夜空を眺める。

 

こうして結絆たちは、静かで穏やかな星空の下、ゆったりとした時間を過ごしたのだった。




大自然の中で食事するのは、楽しいですよね。

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