結絆達はスターカッターに乗り込み、新たな冒険の舞台へと向かった。
目的地は鏡の世界の宇宙。
スターカッターがゆっくりと上昇し、空を突き抜けていくと、窓の外には無限に広がる星空が広がった。
「うわぁ......!」
フレンダが感嘆の声を上げる。それに続いて、絹旗や滝壺も静かに目を見開いた。
麦野は腕を組んでいたが、その目には確かに驚きが浮かんでいる。
「本当に宇宙に来たのね......」
「ここは学園都市の宇宙とはまた違うよお。」
結絆が説明する。
鏡の世界の宇宙は通常の宇宙とは異なり、光が独特の軌跡を描き星々が幾何学模様のように並んでいた。
流れ星も幾筋も流れ、幻想的な光景を作り出している。
「ねえ結絆、この流れ星って、普通の星と違うの?」
フレンダが興味津々に尋ねる。
「うん、ここでは流れ星が消えずにずっと流れ続けるんだよお。願い事をするにはぴったりかもねえ。」
「それって、ロマンチックじゃん!」
フレンダはキラキラと目を輝かせた。
絹旗も目を細めながら、流れ星に手を伸ばすように窓に近づく。
「超不思議ですね。こんな宇宙、初めて見ました。」
滝壺は静かに星々を見つめていたが、やがて口を開いた。
「私、願い事をする。」
「お、いいわね!何をお願いするの?」
麦野がからかうように言うと、滝壺はしばらく考えてからぽつりと答えた。
「ずっとみんなと楽しく過ごせますように。」
その言葉に、一同は思わず静かになった。
やがて、結絆が微笑む。
「それなら、俺も同じ願いにしようかなあ。」
フレンダや絹旗も笑顔で頷き、麦野も微笑んだ。
スターカッターは幻想的な宇宙を旅しながら、仲間達の思いを乗せて進んでいくのだった。
スターカッターの中、窓の外には無数の星々が瞬いていた。
船内は穏やかな雰囲気に包まれていたが、その空気を破るように結絆が静かに口を開いた。
「そうだ、皆は学園都市には科学しかないって思ってるかもしれないけど、実は......魔術ってものもあるんだよお」
「魔術?」
麦野が眉をひそめる。
「そう。科学とは別の理論で成り立つ力だねえ」
結絆は魔術の基礎的な概念について説明した。
魔術師達は法則や儀式を利用し、超常的な力を行使すること。
能力開発を受けた者が魔術を使うと身体が拒絶反応を起こし、最悪の場合死に至ること。
そして、自分は自己制御(セルフマスター)の能力で身体の構造を変えられるため、魔術を使っても問題がないことを話した。
「へえー、ちょっとやってみたいかも」
フレンダが興味を示した。
「やめといた方がいいよお。さっきも言ったけど、学園都市の能力者が魔術を使うと血を吐いて倒れることになるからねえ」
「ガーン......」
フレンダはしぶしぶ諦めた様子で肩をすくめた。
「それと、もう一つ頼みがあるんだよお」
結絆は少し真剣な表情になり、麦野達を見渡した。
「俺は時々魔術サイドと戦うことがあるけど、その間に科学サイドで何か事件が起こったら、解決するのを手伝ってくれないかなあ?」
麦野は腕を組み、しばらく考え込むような素振りを見せたが、やがてニヤリと笑った。
「まあ、面白そうだし、暇なときなら協力してやってもいいわよ」
「そういうことなら、超やる気出ますね!」
絹旗も乗り気になった。
「うん、私も。結絆の頼みなら聞く」
滝壺も穏やかに頷いた。
「おおっ、頼もしいねえ」
学園都市の闇と魔術サイドの脅威——二つの世界に関わる結絆にとって、アイテムの仲間達の協力は大きな力となるだろう。
鏡の世界を旅した結絆達は、スターカッターの船内で最後のひとときを過ごしていた。
広大な宇宙を駆け抜け、数々の不思議な星々を巡った冒険も、いよいよ終わりを迎えようとしていた。
「......なんだか名残惜しいよね。」
フレンダが窓の外を見つめながら呟いた。
その視線の先には、鏡の世界の輝く星々が広がっている。
「超楽しかったですけど、やっぱり元の世界に戻るのも悪くないですね。」
絹旗も感慨深げに頷く。
「ま、帰ったら帰ったで、また騒がしい日常が待ってるからね。」
麦野は腕を組みながら苦笑した。
「でも、こういうのもいいと思う。」
滝壺は、静かに座りながらそう言った。その表情には穏やかな満足感がにじんでいる。
結絆は、仲間達の言葉を聞きながら、スターカッターのコントロールパネルに手をかけた。
「じゃあ、そろそろ帰ろうかあ。」
結絆は原典の力を使い、スターカッターを元の世界へと移動させる。
青白い光が船内を包み込んだかと思うと、一瞬で視界が変わった。
そこは、学園都市の外れにある結絆のマジックシアターだった。
「おぉ!一瞬で戻ってきた!」
フレンダが驚きの声を上げる。
「いや、何度見ても超不思議ですよね、これ。」
絹旗も、さっきまでの壮大な宇宙の旅が夢だったかのように感じていた。
スターカッターは、依然として巨大な姿のままだったが、結絆は再び原典の力を用いた。
結絆が手をかざすと、船体が光に包まれ、みるみるうちに小さくなっていく。
やがて小さなサイズになり、結絆の手の中に収まった。
「これで、普段はここに展示しておけるよお。」
そう言って、彼はマジックシアターの中央にある特設ステージの上に、小型化したスターカッターをそっと置いた。
「おお、なんかカッコいいじゃん。」
麦野は感心したように眺める。
「またいつか、みんなで旅に出られるようにしとくよお。」
結絆はそう言いながら、手のひらに残るスターカッターのぬくもりを感じていた。
「じゃあ、それまでに超色々準備しておかないとですね!」
絹旗が意気込む。
「今度はもっと遠くに行ってみたいかも。」
滝壺も静かに微笑んだ。
「次の冒険はどこにする~?」
フレンダがワクワクした様子で結絆に尋ねる。
「ふふ、お楽しみだねえ。」
結絆は笑いながら答えた。
こうして、結絆達の鏡の世界の旅は幕を閉じた。
しかし、彼らの冒険は、まだまだ終わることはない。
スターカッターでの冒険を終え、学園都市へと戻ってきた結絆は、さっそくドリームのメンバー達をマジックシアターに集めた。
そこには帆風潤子、蜜蟻愛愉、警策看取、弓箭入鹿、弓箭猟虎、悠里千夜、そしてミサカが揃っていた。
「結絆クン、今日は何の話なのお?」
蜜蟻が興味深そうに尋ねると、結絆は少し照れくさそうに頬をかきながら口を開いた。
「ええと......実は、フレンダと絹旗とも付き合うことになったんだよお。」
一瞬の沈黙の後、帆風が目を輝かせて微笑んだ。
「まぁ!おめでとうございます、結絆さん!フレンダさんと絹旗さんも、お幸せに!」
「マジかぁ......あのフレンダと絹旗がね。まあ、結絆さんならしょうがないかもねぇ。」
警策が肩をすくめながらも、どこか納得したような顔をしている。
「結絆さんの良さを分かってる人が増えて、す~~~~っごく嬉しいよ」
悠里千夜は穏やかな笑みを浮かべた。
「......あー、またライバルが増えましたね。」
弓箭猟虎は腕を組みながらニヤリと笑った。
「でも、これで本当に結絆さんは大丈夫なの?」
弓箭入鹿が少し心配そうに尋ねる。
「もちろん。俺はみんなのことを大切に思ってるし、無理に誰か一人だけを選ぶつもりもないよお。だから、フレンダや絹旗ともちゃんと向き合っていくつもりだよお。」
「結絆さんは素晴らしい人ですね!」
帆風は感動したように頷いた。
「うん、結絆クンがどんな決断をしても、私達は変わらないからねえ。」
蜜蟻がそう言うと、警策がいたずらっぽく笑った。
「むしろ、これからが面白くなるんじゃない?」
結絆はそんな皆の温かさに胸がいっぱいになった。
「ありがとう、みんな......これからもよろしく頼むよお。」
こうして、ドリームのメンバー達は改めて絆を確かめ合い、結絆の新しい恋を祝福したのだった。
これで、アイテム編はおしまいです。
次回は、当麻達の話です。