インモラルなステディxステディ【完】   作:ノイラーテム

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主人公が制約と誓約の一部として作った作中内ゲームの説明回です。
読み飛ばされても構いません。



作中内ゲームの提示

「カキンでは継承戦の問題で全て王子と呼称される。ただ、身内では名前で呼ぶか、姫の方が嬉しいんじゃないかな」

 

「ではフウゲツ姫、カチョウ姫。よろしくお願いしますね」

 

「カチョウで良いですよクラピカさん。よろしく♪」

 

「フウゲツです……よろしくお願いします」

 

 ヨークシンでバッテラの借りた四神相応の屋敷でクラピカ達と面会した。

 

双子の反応はここでも僅かに違い、カチョウは明るく挨拶してフウゲツは警戒している。彼が他所のマフィアに所属しており、若頭として台頭したことに由来しているのだろう。カチョウは友好的な組織との顔合わせのつもりで、フウゲツはそれでも一応の警戒心を解いていないのかもしれない。なお、後で聞いた話では、カチョウはクラピカが男だったので安心し、フウゲツはそれでも安心できないと男同士の恋愛を警戒したそうである(共にセンリツは考慮外)。

 

「しかし、この子たちが本当に……」

 

「巻き込まれないようにするつもりだが、おそらく駄目だろうな。その時は同じような考えの下位王子が護衛を雇うと思うが、色々な意味で頼むことになると思う」

 

「話を聞いた以上は仕方ない。判った」

 

 クラピカにはヨークシンで概要だけは話している。

 

カキンは身内での蟲毒や、敵を倒して発展するという形式で制約と誓約を掛けて居るという推測だ。だから内部勢力を水増しするために女子も王子とするが、子供を残し易い上位の男子が優勢な様に出来ている。その上で女子を含めた下位の王子にはそう言う縁力は用意されて居ないので、護衛であり、身内として入り込んでもらう手はずになっていた。幻影旅団は自力で下から来るだろうが、マチやパクノダ辺りは混ぜても面白いかもしれない。

 

「あの。ユキ兄さま。今回の件は兄さまにとって負担なんですよね? でしたら提案があるんですけど……」

 

「フウゲツ姫。その案は使えない、やめておいた方がいい」

 

「ちょっと! せっかくふーちんが提案してるってのに、聞きもしないで!」

 

「クラピカ。好意なのは判るが、一言足りてないから誤解されているぞ」

 

 フウゲツが何か言いだそうとしたところでクラピカが止めた。

 

頭の早い彼からしてみれば自明の理なのだろうが、一言というか主語も足りてないから煽っている様にしか見えない。せめて話を聞いて、その趣旨に対して『こういう理由で問題を起こすから止めておいた方が無難だ』とでも言えば良いのだが……。どうみても、これで喧嘩を売っているだけである。原作のままといえばそうなのだろうが。

 

「そうか。すまない。賞金を積み上げて『個別に買い取って一本化する』という案だろう? 確かにもう500億積み上げれば他のプレイヤーも切り崩せるだろう。だが、それをしたくない者が反対に回る。場合によっては仲間の中からもな。だから、不和を引き起こすことになるから止めておいた方が良い」

 

「た、確かにそう……ですね。私の考えが足りてませんでした」

 

「……そう思うんだったら早く言いなさいよね!」

 

 クラピカが先回りして説明すると、双子は互いに微妙な顔をした。

 

この話は実に難しい問題なのだ。仮に大天使の息吹・一坪密林・一坪海岸それぞれに100億、他のSランクに10億、独占だったら30億払えばクリアできるだろう。だが、それでは金で叩いたことになってしまいゲームをクリアした事に成ったとしても、自力でやった満足感は無くなるのだ。プレイヤーとしてもゲームマスター側としても。バッテラは問題ないだろうけどな。

 

「ツェズゲラ氏は難しい内容で懸賞金も高額だからこそ意義を認めている。そしてデザイナーたちは自らの作品の展示をしている。彼らからすれば参加枠だけならともかく、クリアまで金で解決したらやる気を削ぐだろう。行動力は確実に落ちるし、場合によってはクリア後に即サービス終了というのもあり得るだろう。その場合は君たちに安全に……」

 

「ありがとうクラピカ。それ以上は勘弁してやってくれ」

 

「ごめんなさい、ユキ兄さま。私が焦り過ぎました」

 

「ふーちんだけじゃなくて私も。空気悪くしてごめんなさい」

 

 言いたいことは全部言ってくれたのでここで締めておこう。

 

ついでにゲンスルーみたいな不穏分子が不満を抱えて潜伏する可能性はある。彼からしてみれば五年越しの計画を潰されて、自分たちで全部独占する心算なのに、100億ぽっちをあの人数で分けるとか言っても納得しないだろう。他の連中は……まあ一坪海岸の条件を効いたら納得してしまいそうだけどな。

 

「さて、話が落ち着いたところで気分転換をしたいところだな。バッテラ氏ももう少しかかるようだし、すまないがセンリツに一曲お願いしても?」

 

「オレなら構わない。彼女さえよければ止める筋合いはないな」

 

「よろこんで一曲演奏させてもらうわね」

 

 センリツにはヨークシンで世話になった。

 

その耳を活かした索敵もだが音楽の知識を尋ね、第三の発である雪月花を乱れ雪月花に再調整するためのアイデアを相談したのだ。彼女の意見も取り入れて、速度や音域を変更するオクターバーというアレンジ曲を幾つか用意した。これは俺の周囲だったり、一定以上外には機能しないとか、念空間で採り入れた機能を全員に適用しない為のものである(もちろん画像バージョンでも考案中)。

 

「わっ。すごーい! こんなの初めて聞いたわ!」

 

「ですです! すごいすごい!」

 

「どういたしまして。でもちょっと待っててね、もう一曲行くから」

 

 初めて聞く二人はその曲に感動することしきりだ。

 

フウゲツは同じ放出系なので、もし継承戦が始まったら護衛ついでに色々と教えてもらうのも良いかもしれない。いずれにせよ一年半から二年は先の事だが、今の内から話を通していても良いだろう。なんだったらカキンに教えに来てもらう流れを用意して、メンチあたりも呼べれば理想的だろうか?

 

「集まってもらった諸氏には感謝の念が堪えない。特にツェズゲラ君とユキ君には迷惑を掛けることになるだろう。だが、私も本気だ。クリアした暁には……いや。私の恋人が目覚めた時には、私の力が及ぶ限りの事をさせてもらおう」

 

「ただの金ではなく、それだけの意義がある報酬と思っての事です」

 

「せっかくもらうグリードアイランド。思い出の品としていただきましょう」

 

 バッテラの挨拶に俺とツェズゲラが代表して答礼する。

 

この場に居るメンバーは専門医は当然のことながら、全員が事情を知り彼の協力者であることを約束している。念による拘束など行わないが、それだけにクリアに対する意欲と、これから行う前フリ……俺の能力起動に本気であった。

 

「次にクラピカ君。君のお陰で彼女が少し楽になった、礼を言おう」

 

「ユキとの契約だ、気にすることはない。先ほど見た通り、大きな疲労を伴うので金を積まれても多用は約束できない」

 

 クラピカとバッテラは初対面だが、緋の目もあって信用している。

 

もはや世界で唯一と言って良いモノを上流階級である彼が見たのだ。もし彼の友人に特殊な趣味の人間が居たら大変なことになるだろう。ゆえにクラピカがバッテラを裏切る事はなく、逆にバッテラの伝手で緋の目を効率的に探すことが出来るようになる。

 

「ユキ君。今居る者はみなネンや君のゲームのルールを知って居る。だが必要らしいからな一応説明を頼むよ」

 

「了解した。みなに問題が無ければルールの説明に入ろう」

 

 ここからはバッテラに代わって俺が司会となる。

 

俺の二つ目の発である、『我の強い匠による再建築(エゴ・リ・ビルダーズ)』は制限時間付きのボードゲームのスコアで効果が決まる。このゲームを作成したのは俺であり、矛盾が起きた時や著しい有利・不利が発生した時に、俺が再調整してバージョンUpするデザイナーであるからだ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

『ゲームに参加して良いのはこれから始まる一時間の説明を聞いた者だけ』

 

『ゲーム時間は二時間だが、説明が超過した場合は制限時間から削減される』

 

『一人で行うゲームだが、複数人でプレイしても、特に制限時間は増えない』

 

『相談するために人を増やすかどうかの判断や、相談時間や申し送りなどもゲームの範疇に含まれる。入室は誰でも出来るが、入室制限を掛けたい場合は、鍵持ちを示すゲーム参加者が順番に行動またはパスを行う必要がある。今回は患者や医師団を入れる関係上、鍵は掛けない』

 

 これは基本的な部分で、制限時間がいかに重要かを示す部分だ。

 

特に時計など生じないので、予めストップウォッチを用意してある。既にボタンを押しており、全部聞いてから始めるとかは出来ない。仮にトイレなどに行きたくなった場合は、説明が終わるまで待ってゲーム開始後に行くか、ゲーム参加を放棄する必要があった。なお、鍵に関する部分も制約と誓約の一部であり、侵入者対策を掛けるかどうかも、最初の時点で考慮しないといけない、制限時間の内としている。

 

『ゲームそのものは中世のカキンにとある建築様式が入って来た時代』

 

『四角く区画を区切る様な設計・増築を繰り返した時期を参考にしている』

 

『全カードは四角くなっており、形状的に何も無い部分は庭や改築の余地だ』

 

『一番外枠にある色違いの部分は、そこがカードごとに設計された出入り口になる。基本的にはその部分のみを隣り合わせて隣室を作ることになる。例外規定はそれぞれのカードやエクスパンション・ルールに記載されているので参照する事』

 

 建物の建築様式を語る必要はないが、なぜ四角いエリアなのかの定義付けだ。

 

その時代の様式を参考にしたのは、ゲームとして用いやすく、同時に建物の建築構造を把握し易くするためである。これによってどんな構造なのか大まかに暗記することが出来るし、妙な位置が出入り口になってカードを隣接させられない事を避けられるからだ。ついでに言うと余白の部分に神字を書き込んでいる訳だが、大昔のカキンでは暗殺対策だったり内部対立で始末する為の仕掛けが入っている部分だったりする。

 

『ゲーム開始時に確認すべき事は二つ。一つはエキスパンションの追加』

 

『次に何処を開始地点にするか? 例として二階起点の場合は地下階段が無い』

 

『カードは2~12でナンバリングされたカードが二組。追加するともう二組』

 

『セットが存在しない場合はサイコロでも代用できるが、トランプを使う場合はエースとキングを抜くと良いだろう。今回目的とする治療部屋は第一組の十二番、トランプで言えばハートのクイーンになる。各クイーンは正妃に成れる婚家の援助を示しているからだ。エキスパンションを追加した場合はもう一枚追加される他、通用口だけでなくワープゲートを用意できるが、目的のカードが見つかり難くなることに注意が必要だ』

 

 説明だけでも十分経過し、何人かの目がタイマーを確認した。

 

先にルールに目を通したのに全員に緊張が走っている。この緊張感こそが制限時間による制約と誓約を確かなものにしている。もちろん制限時間を超過すれば罰則があるので、みんな異議を申し出ていない。もちろん本当に外で必要になった時は、鍵なんか掛けずに俺一人で片付けるけどな。裏ルールによる制約強化みたいなものである。

 

『二つ目の地形制限に関して詳しく説明しよう。カキン風水の影響だな』

 

『二枚ずつある10・11・12の六つの特別室は、それぞれ制限地形がある』

 

『これはゲーム中に設置できないのではなく、最初からゲームに封入できない』

 

『問題が無い地形で基本セットのみを使う場合、合計22枚を用いるが、始める場所に制限地形があった場合は20枚以下になって開始する可能性があるので、目的の部屋がある場合は注意が必要になる。先ほど言った二階起点の場合に地下階段が存在しないのは、何かの建物の上に別の建築物を立てる、増改築で地下を用意してはならないというカキン風水に寄る』

 

 これも言い訳要素による情報補足でしかないが、カキン的な意味がある。

 

要するに下位の王子が部屋住みになっている場合、二階以上の部屋にしてしまえば、地下通路を作って脱出が出来ないとか、暗殺した対象を地下に埋めて居ませんとかいう申し開きを元にしている。ちなみに地下階段を使うのは知識階級を保護し、半ば監禁して保護するための場合が多い。軍人の場合は高い場所に見晴らしが良い場所を作りたがるからな。

 

『地下から始める場合は治療部屋が存在しない。カキンの治療は公明正大だ』

 

『大きな山など起伏がある場合は浮遊部屋が存在しない。重力を解き明かした』

 

『流れる水の中に冷凍部屋も存在しない。海洋を旅してそれは自明の理である』

 

『移動する乗り物に二階席は許されない。それは王を見下ろしてはならないから。そして砂漠を渡る風は慈悲深く、圧力などは存在し得ない』

 

 これらにもカキン的要素を盛り込んでそれらしくしている。

 

二線者などの手術であったり、死にかけた高貴な人間が入れ替わる様な事は許されない。ゆえに治療を行う部屋は地下に存在してはならないのだ。次に大きな山で浮遊しないのは、重力や水の流れを研究しているというのもあるが……謝肉祭で村が全滅した場合、埋めてしまうからな。ナニカが浮遊しては困るのだ。もちろん水の中に氷が無いのは冷凍保存して死体がバレたら困るから。さっさとドザエモンになって消えてもらおうという話であった(海洋探索で冷凍することが無かったのも影響している)。

 

『ランダムで、通常のカードのみを五枚、特殊部屋から二枚の合計七枚で開始』

 

『七枚を使い切って最初のスコアとし、その場での終了か継続を選ぶ』

 

『終了した場合は完了として、現実的な大きさで空間が再現される』

 

『ゲームを継続する場合は特殊部屋から一枚、通常部屋から六枚を選んで続行するものとする。ただし、部屋がそれ以上大きくすることはできず、建築ミスになった場合や、制限時間をした場合はお手付きとして一段階前の大きさになってしまう。初期の場合は四畳半だが、その場合は畳一畳分とする。またカードに著しい偏りがある場合、10分のペナルティで引き直すことが出来、これは倍掛けで再チャレンジが可能だ』

 

 最初の七枚だけなら、まず成功するシステムになっている。

 

重要なのは時間の浪費であり、第二ゲーム以降のスコアを伸ばす時に『欲しい部屋があるのか?』『どう伸ばすか?』『このまま終わった方が良いのか?』を悩ませるために存在する。裏ルールとしてパっと見で一直線に延ばして無理やり完成させたり、初手サレンダーで即座に畳一枚分の空間を作ることも出来た。

 

『以上がルール部分の説明になるが、私はゲームマスターとしてゴールデンルールを管理せねばならない。プレイヤーの長にはバッテラ氏を、心身の管理にはセンリツと医師殿に分権するものとする。フウゲツ姫とカチョウ姫にはスコアラーや伝言役をお願いしたい。さて、バッテラ氏に尋ねよう。この場所で良いかね? 基本セットのみで行うかね?』

 

「もちろんだ。その条件で問題ない」

 

 なお、地形制限は制約と誓約であると同時に、意図しての建築だ。

 

風水とは自分たちに運気を呼び込む様に行われているものだ。バッテラ氏は予め治療部屋を狙い易くするために、北が山の屋敷を選んでもらい、砂を敷いて枯山水の庭を設けてもらっている。これで砂漠での圧力部屋と、山での浮遊が存在しない。逆に二階と地下が存在するので、建て増しを行い易くしていた。このルールはBW号では逆に働き、上下に移動して落下したり他者の念に引っ掛からない様、多重に設計している。

 

『それでは問題なければ、ゲームを始めよう!』

 

「……むう。初手から医療部屋はないか。引き直すべきか……」

 

「あ、でも10付け大技師! 地下階段を作れるよ!」

 

「抜け穴や十字路もあります。ここはこのまま行くべきでしょう」

 

 ゲーム開始のコールと共に、場へカードが出現する。

 

悩むバッテラにルールを良く知るカチョウが声を掛け、ツェズゲラが助言する。初期二枚の特別室は冷凍室(トランプで代用する場合はダイヤの12相当)と、地下階段を付けれる技師の囲い込み(前略。ダイヤの10)。

 

通常の五枚の中に、任意の場所に抜け穴を作れる(ダイヤの2)ことや、あちこちへ部屋を作り易い回廊(ハートの8)がある。割りとこのまま家を建て易い配布と言えなくもなかった。懸念は風呂(ハートの9)が、冷凍室と並んで行き止まりな事だ。問題としては野外生活ならこれで十分以上なのだが、目的は医療部屋なのでここで終われないことだ。

 

「医療関係者と術具の出入りを考えるならば、出来るだけ西を残してください」

 

「それがあったな……なんでこんな面倒極まりないルールにしたんだ」

 

『その方が効く気がしたからだ。それに特別室の捨拾選択はペイオフになるべきだ』

 

「抜け穴と階段は最後まで残すとして、とりあえずここは北に食堂のT字部屋(ハートの7)と回廊を連続で、そこから東に続き間(ハートの5)、風呂と行くべきだ。地下階段に関しても万が一の浸水を考えたら東や南に地下を作る愚は避けるべきだろうし、地下階段は食堂で抜け穴は続き間にしておくべきだな。冷凍室が地下なのはありそうなことだ」

 

 ここで医師とクラピカが屋敷の地形に言及する。何しろ四神相応だからな。

 

西が最も出入りし易いガレージや街道への通り道になっており、東に川が南に湖がある。特別室から不要な二枚を抜くために山に面し枯山水のある屋敷を選んだことが、色々と影響を与えていた。まあ、なんでもやり放題になると制約と誓約にならないから仕方がない。

 

「そうだな。その配置でいこう。ファイナルアンサーだ」

 

「お風呂の手前にある続き間って、要するに脱衣所でしょ? そんな所に……」

 

「ほ、ほら、カーチン。大きな鏡を使った隠し扉かもしれないし」

 

『あくまでゲームゆえのランダム性だから勘弁してくれ。それより使い切ったな。時間が惜しいのでスコア1で終了するかの問いは行わない。即座に第二ゲームと行こう』

 

 クラピカの忠告は行動まで指摘するものだが妥当性はある。

 

バッテラも少し悩んで問題無いと決めたようだ。ゲームなので問題ないのだが、女の子であるカチョウとフウゲツは妙な所に言及している。しかしフウゲツは昔やった遊びを覚えて居るんだな。俺は年齢的に時々しか面会していなかったが、原体験としては強烈な印象なのだろう。

 

「っ! 出た。後はこれを設置するだけだ」

 

「ここで落としては何にもなりません。確実にやり切りましょう」

 

「同意する。それと出来れば、守衛室と兵士の待機所を近くに置いておくべきだ。見張り部屋はむしろ反対側の東だろうか?」

 

 二ゲーム目は特別室を一枚、通常のカードを六枚となる。

 

出易くする作為を入れているので、二ゲーム目で目的の部屋が出てくれた。これが三ゲーム目になると、慣れていてもバーストする可能性が出て来るからな。出た特別室は正妃の実家による援助を示す治療部屋(ハートの12)、通常のカードは内部に設置できるクローゼット(ハートの3)、行き泊りの個室であるトイレ(ダイヤの4)、直線である渡り廊下(ダイヤの5)、L字である見張り部屋(ハートの6)と兵士の詰所(ダイヤの6)、T字である守衛室(ダイヤの7)の六枚。

 

「うむ。スタート地点であるプレイルーム(ハートのA)と回廊は出入りし易い場所だから、見張り小屋とトイレで塞いでおくべきだな。そうすればイザという時に北側で籠城できる」

 

「となると守衛室を経由してプレイルームと治療部屋。こんなものかな?」

 

「兵士の待機所をプレイルームの傍へ。渡り廊下は適当に使うとして……」

 

「はいはい! 続き間にある抜け道をクローゼットで塞ぐべきだと思います!」

 

 今回は念空間を隠さずに解放するので、出入り可能な場所は通れてしまう。

 

この屋敷に入って来るのは医療スタッフを含めてバッテラの使用人や傭兵ばかりとは言え、流石に余計な場所は塞いでおくべきだろう。この辺も念空間を出入り自由にしたり、鍵を掛けるルールを作る為の制約と誓約になる。ツェズゲラは真面目に思案し、趣味で遊びに来る心算のカチョウは自分の趣味で判断することにしたようだ。

 

「そしたら、私たちがこの辺に遊びに来ても安心して使えるからね!」

 

「カチョウ姫。その辺りは流石に自重するべきでは?」

 

「ははは。そのくらいは構わないよ。それに、私だって風呂は安心して入りたい」

 

『では異論がなければこの間取りで空間を構築しよう。さあ、見るが良い、我の強い匠による再建築(エゴ・リ・ビルダーズ)!!』

 

 説明時間も、プレイ時間も余裕をもって終わった。

 

だが、これは全員がルールを知った状態であることも影響している。もし知らない者が疑問を述べたり、切羽詰まった状態で始めたらそうも行かないだろう。また、最初に治療部屋を求めて三回くらい再挑戦してしまうと、それだけで30分は潰れてしまう。もちろん残りの手札が全て一直線に並べられれば問題ないが、もし行き止まりが複数枚あったら揉めてしまうだろう。それこそ出入り口がないとか普通にあり得るからな。

 

「おお……これが念空間と言うものか……」

 

「バッテラさん。まずは治療部屋に行ってみましょう」

 

「利便性も確認して見ないと。場合によっては術具をバラバラにして持ち込む必要性があります」

 

 驚くバッテラにツェズゲラや医師が促していく。

 

不思議な空間を見る事自体に意味はない。ハンターならば『過程を愉しめ』というネテロ会長たちの言葉もあるが、バッテラは恋人を助けることこそが重要だからだ。常時設置型な上、俺が特質系だから効果は弱い。だが、みんなで力を合わせてここまでやった以上は、『時間切れ』を可能な限り延ばしてくれるものと思われたのである。

 

「ユキ君。これからのことはまだ分からない。だが、この部屋に意味があったならば、その時は可能な限り君に報いよう」

 

「これは俺たちの自己満足ですからね。全てはクリアしてからです」

 

 ここまでは大したことのない苦労であるとも言える。何故ならば、いよいよグリードアイランドの面接と、プレイが始まる事になるのだから。




 という訳で作中ゲームの提示回です。GI編開始時のオマージュなのと……。
作者の自己満足に付き合いくださり、ありがとうございます。
主人公はこのくらいのゲームを何度でも作れるので、再調整も可能。
それが制約と誓約を踏み倒せる属人性に繋がってる感じですね。

なお、ゲーム自体は大富豪の地方ルール有りと、ランダムダンジョン作成の複合系です。時間の問題で中途半端にしか作ってませんが、実際にはエキスパンション込みで全てのカードがあるかと思います(あと絵も)

●もう五百億! 大天使には百億!
 やったらクリア可能に見えます。
しかし、ゲンスルーは他の数名と共に暴発し、ボマー組十名とかになるかも。

●第三の発は調整中
 センリツと相談しながらやってます。

●ゲームのフレーバー説明に関して
 大富豪地方ルール・7並べ・ランダムダンジョンの複合ですが
カキン風水とかいう、でっちあげの設定を用いることでそれらしくしてます。実際には継承戦を思わせるあれこれを含ませたけですが。

・大富豪の地方ルール
10付け。うちの地元では、大富豪で10を出す時は余分に1枚捨てます
最弱のペア。一番弱いカードのペアは最強の一枚に勝てるルールです
 これらに数秘的なのを盛り込むことで、簡便にゲームを作ってます。
(8は発展、3は揉めやすい数字、4は死面とか)

次回はちゃんとGI編に突入し、面接とか最初の把握時になります。

フィンクスとフェイタンはどうなる?

  • クラピカが殺した
  • ユキが約束通り殺した
  • 迷ってる間に自殺した
  • 渋々、約束を受け入れてNGLへ
  • 除念待ちしながらNGLへ
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