インモラルなステディxステディ【完】   作:ノイラーテム

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第65話

「センリツさんに話を付けて来たよ!」

 

「お疲れ様、カチョウ。これで可能な範囲での準備はすべてやった形になるな」

 

 センリツの耳と演奏を使って遠距離から第九王子陣営に情報を送っている。

 

今回伝えた内容自体は、フウゲツが囮として動くことでツベッパの様子を伺う事。そしてベンジャミンの私設兵をまとめるマイト曹長が毒ガスの様なナニカを持っているので、訪問されたら気を付けろという物だ。おそらくハルケンブルグはカチョウが思って居るのと逆の動き方をするだろう。

 

「これで午後からの弔問、無事に終わるといいね」

 

「そうなると良いとは思う。ハルケンブルグに関しては可能な限り危険を減らせはするだろうが、ツベッパは激昂して逆張りするだろう。その上で彼女が弟に何か指示するとしたら判らんよ。自衛のために動くだけでも、何かに波及しかねないからな」

 

 カチョウは覚悟を決めていても、良い子なので悪には成り切れまい。

 

最愛の妻に重荷を背負わせる必要もないので表向きは楽観論を中心に述べはする。だが将来の可能性には言及せざるを得ない。特にフウゲツとカチョウが狙われるかもしれないとあってはなおさらだ。

 

「無事に……終わるといいね」

 

(原作よりも能力を使った回数が少ない。おそらくハルケンブルグは事前に動くだろうな。そうなった状態で念使いの護衛を受けたフウゲツを見て、ツベッパが正気で居られるかな? 弟に嫉妬を抱き焦るだろうし、場合によってはツェリードニヒを含めた兄妹に挟まれて第五王子陣営が空気化すると見られる可能性すらある。承認欲求がどの程度か判らんが、タイソンと比べて諦めきれている筈がない。何らかの反応は見せるだろう)

 

 カチョウは政治工作の必要性を認めつつも同じことを繰り返した。

 

もし原作序盤での悪い子ぶりっこ状態なら『今のうちに排除すべき』と率先するだろうし、死亡後の念獣状態ならフウゲツの生存を優先するだろう。どちらにせよ今回の件は襲ってこないに越したことはない。あくまでフウゲツが殺されないようにする交渉の一環であり、ベンジャミンがそれを守る気が無くとも、念空間の設置だけでも出来ればかなり楽になるからな。

 

「マチ。通路に結界を張ってくれ。封鎖する必要は無い」

 

「誰かが移動したかどうかの感知かい? アタシの能力は治療用だけど、そのくらい問題はないよ」

 

 少し離れた場所の会議室で、事前の取り決めに無い行動を付け加える。

 

マチの念能力に関することであり、また警備の問題上、全員に伝達しなくてもおかしくはない。そもそも、思い付きで警備を増やそうとしてもおかしくはないのだ。私設兵たちが苦々しく思ってもおかしくはあるまい。

 

「すみません。オレにも何か協力させていただけません?」

 

「クロロ君。申し訳ないが『他派閥の人間』に動かれると困るんだ。オイト王妃の心遣いと、故カミーラ王子への弔問ゆえに参加を認めたがね」

 

 事前に無いというか、俺も知らなかったのがクロロの同行である。

 

手続きの問題で以前から申告はしていたらしいが、俺の方まで伝わったのがさっきである。どうやら何処かの陣営が邪魔をする為に伏せていたようだ。正直な話、『団長、何やってんだよ!?』という気分だったので、反応を見るためにベンジャミンの私設兵二人がやったのかもしれないし、ツベッパが玉突き事故を起こすためにやったのかもしれない。

 

「だがそうだな。君は『凝』が上手く気が付くのも早かった。だから気が付いても何もしないか、さもなければそっちの私設兵……ウショウヒに伝えてくれ。間違ってもこっちのリハンにだけは教えないように」

 

「え? それって何か変じゃないです? 意地悪じゃないですよね?」

 

「彼の除念は推理で強さが決まる念獣だ。事前に知ってしまうと無効化される」

 

「っ? っ……。……」

 

 クロロは俺の誘導に気が付いたようで無邪気に見える質問をして来た。

 

そこで事細かには言わないのだが、リハンの持つ念能力の概要だけは説明しておいた。この前提だけを伝えれば、『警備のために必要だから触りだけを教えた』と見える筈だ。その上で彼の能力が欲しいならば、クロロの方で勝手に状況を作って盗みに行くだろう。適当な団員を使って推理する様に仕組み、適当な生贄を連れて来れば問題なく観察できる。カミーラの能力を奪う予定を立てていたようだし、何処かに監視網を用意してるだろうしな。

 

「そうなんですか。勝手に聞いてしまって申し訳ありません」

 

「何のことか良く判らんな。だから君の事を不快に思う事もない」

 

(切り返しが上手いな。だが話のキッカケがあれば幾らでも策は用意できる。パクノダが記憶も消せることを考えれば、一度消してから無警戒な状況にも出来る筈だ。すまないがリハン、君に含むところはない。有用過ぎる君の念能力が悪いのだよ)

 

 しれっと爽やかな会話を行う二人を尻目に話を進めていくことにした。

 

あくまでこのブリーフィングはフウゲツの危険を避けるために用意しているものだしな。サッサと動くのもアリだが、もう少し話を詰めて置きたいものだ。

 

「もし狼藉者が見つかった場合、俺は水を使って障壁を作る。幸いにも近い場所にあるんだが……問題もあって、制約と誓約の問題で俺は能力発動中に武器や具現化したモノを持てない。排除の方は他のみんなに任せよう」

 

「そりゃ不審者は排除しますがね。私らが出しゃばっても良いので?」

 

「フウゲツ王子が無事な事が最優先だ。不審者の方を向く限り構わない」

 

 私設兵のウショウヒが苦笑するが俺は平然と頷いた。

 

ベンジャミンに付けられているとはいえ、あくまで監視が主体だ。彼が持つ念能力の根幹を俺が掴んでいることは、先ほどのリハンの能力に言及した時点で理解したのだろう。昨日にふてぶてしい顔つきとは打って変わって、皮肉めいた顔つきをしている。まあ念の為だろうがなんだろうが、出した瞬間にフウゲツが掴めるように言い含めてあるからな。その辺もちゃんと予測しているのだろう。

 

「ねえねえ。私は? 私は特に戦えないんだけど」

 

「カチョウはそこに居るだけで十分だよ。それだけでただの不埒者なら戸惑う。それにフウゲツ王子の聖獣はイニシエーションを共にした者を繋ぐから、仮に聖獣を見れるまで凝をしていたとしても、むしろどっちが本物か戸惑う筈だ。それに怪しいのは第二王子陣営の私設兵が再就職のために鉄砲玉になることだからな。彼女たちの能力は共通で、呪った相手のオーラを相殺して呪い殺すことだから、オーラを融通し合うフウゲツ王子の聖獣ならば無力化できる」

 

 影武者戦術を聖獣が足を引っ張るのだが、マジックワームだけは別だった。

 

俺たち三人を繋ぐように現れる為、聖獣を見抜いて本人を探そうとしても無駄なのだ。原作の中距離移動できる念空間上のワームではない分だけ弱まっている部分もあるが、この点に関しては有用だと言えるだろう。

 

「面白い能力ですね。オーラを融通し合えるならコンボとかいけます?」

 

「どうだろうな? 仲間同士で疑似ジョイントできるレベルに育った念と違って、ゆっくりでしかもずっとだからな。俺はもうフウゲツ王子とカチョウ以外の為に使わないから構わないが、下手にリンクに入ると大変だと思うぞ。何しろまだ解除手段が判ってな……む!? これは……」

 

 クロロが好奇心旺盛な青年という演技で尋ねて来たので答えておいた。

 

これもリハンの能力を無効化すると同時に、クロロが盗んで使う事を制する為だ。もちろんそれでも盗む可能性はあるが、聖獣が魂に結びついている以上は、アレ自体が儀式の遂行者である可能性はある。クロロが盗むならば、それはそれでフウゲツの身代わりになってもらえるかもしれないと思っておこう。もし盗むとしても、最後の最後に出し抜く為だろうしな。だが、突如として鳴動したことが、一同の間に緊張を走らせたのだ。

 

「第九王子の念能力ですかな?」

 

「だろうな。察するに疑似ジョイントを簡便に行い、かつ増幅するモノだろう。能力の強さから察するに、多少共感した程度ではジョイントに加わるのは不可能。信奉者ないし古くからの同士限定、かつ隠す気が全く感じられないから決闘の準備用というところか。あえて言うならば、ハルケンブルグ王子が付け焼刃の念を覚えているところも欠点だな」

 

 リハンが情報収集のために話を振って来るが、これにも答えておいた。

 

先ほどの会話を補強し、俺が想像で適当に話しているのではなく、護衛の為に想定を話しているのだと思わせる。その上でハルケンブルグの事を庇うつもりがないのだと証明してみせたのだ。今の話くらいはベンジャミンとマイト曹長たちも推測しているだろうが、俺が彼らと繋がって居ないと見せるには十分だ。ついでにクロロに面白い情報提供を行うというボーナス契約もやってるので、そちらの為に役立つのも良い。

 

「しかし、いよいよ危険になりましたな。ハルケンブルグ王子の性格的にこちらには来ないでしょう。しかし……」

 

「ああ。先ほどの第二王子私設兵がけしかけられる可能性は高まった」

 

「対策するとして何かありますかな? 警戒しておくべき事などあれば」

 

「オーラの相殺を行っての呪殺では不確実だ。十中八九、死後の念狙いだな」

 

 リハンが話を進めたので、俺は親指で喉を描き切るジェスチャーをした。

 

制約と誓約で自分が死ぬことを前提にすればそれだけで強いのだが、この方法は運が良ければ(対象者にとっては不運だが)死後の念としてずっとかけ続けられることだ。俺が危惧するとしたらこの点だけである。不審人物として接近する事が難しい訳だが、今回はルートが決まっているとはいえ潜むこともまた難しい。基本的には、まず接近できないだろう。だから俺としては、『敵がこちらを上回ってしまう』ことを前提として対処策を用意するだけだ。

 

「フウゲツ王子。重要なのは相手の士気をくじくのではなく、目的意識を誘導する事です」

 

「判っております。その時は彼女らに言葉を手向けましょう」

 

 予定していた言葉を向けると、この日喋って無かったフウゲツが口を開く。

 

予めどんな能力かの予想はしておいたし、その対策も伝えておいた。優しいフウゲツだから問題ないと思うが、その時の為に雰囲気造りを脳内イメージでしていたのだと思う。上手く行けば、死後伴侶の力を別の方向に誘導できるだろう。

 

「王子がそのおつもりならば臣としては全力を尽くしましょう。では、諸兄。我が力の一端をご覧ください」

 

「おお! 何も無い場所にこれほどの水が移動して来るとは……」

 

 俺は『錬』を行い、オーラの高まりを見せておいた。

 

その力を解放して水を移動させ、集中力だけで維持して見せる。もちろん自動操作で特定の動きをさせておくことはできるが、ベンジャミンの私設兵には俺が集中している姿を見せ、使用オーラ的にも『他に何もできない』と思わせて置いた方が良い。そして隙を見て、この会議室からあまり離れてない場所に、俺たち三人のみになった時に不意打ちで鍵付きの念空間を作って置いた。

 

(これで一か所目。あくまで予行演習だが、これは十分に保険になる。もう少しオーラが回復したら、同じように隙を見て用意しよう。それで最低限の用事は終わるはずだ。後は、襲撃がどうなるかだな)

 

 流石にヒソカは来ないと思うが、襲撃自体はあるだろう。

 

サポーターとしてカチョウ付きに用意された第二王子私設兵も居る可能性がある。出来る限り近寄る前に排除するつもりだが、無理だった場合に何とかしたいものだ。自分で襲撃を誘導して置いて、それでフウゲツが死んだら冗談にもならないからな。

 

「正面から一人、予定に無い奴が来るよ」

 

「予約者と人数が合わないか……。操られた人間でなければ、十中八九で決まりだな」

 

 俺たち一同はカミーラが飛び出したとされる船縁へ弔問に訪れていた。

 

メディアの前で献花を行い、しかも周囲に漂う水が美しい……そんな光景が続いた時の事だ。この場所は金持ちが乗っている第二層でも、王族のみが乗る第一層側に近いエリアである。その辺の人間が近寄れる場所ではなく、協会の準会員ですら制限される場所なのだ。そんなところでフラフラとやって来れるような人物が一般人であるはずがない。

 

「フウゲツ王子。まずは我らが」

 

「よしなにお願いします」

 

(ここまでは予定通りだな。ウショウヒとリハンが素直に警護をしているのが、こんなに胡散臭く思えるとはな)

 

 ベンジャミンの私設兵たちが警護役を率いて前面に出る。

 

陣営が違う彼らが素直に向かっているのは、フウゲツ暗殺を止める為ではない。特に確認したわけではないが、『本命の暗殺者に花道を用意する為』だろう。警護役が近くに居たら出て来れないだろうから、ワザと囮に対して出動しているのだと思われる。

 

「カチョウ。ちゃんと凝で確認したか?」

 

「バッチリ! 虫どころかカメラも無いよ!」

 

「ユキ兄さま。こちらも万全の態勢です。何時でも行けます」

 

 二人の言葉を皮切りに、俺は錬で大量のオーラを捻りだした。

 

ただし捜査している水はオートで動かしている。障壁を作る様に展開させているが、視点を上へとズラさせる為でしかなかった。足元には念空間設置用のトランプを設置し、集中力はそちらに割いているという訳だ。別に此処で二つ目の念空間を設置する必要は無いが、本命の暗殺者を警戒しているというフリをする意味でも今やって置く意味はある。

 

「視界フィルター発動!」

 

「へえ……器用なもんだ」

 

 俺は周囲を漂う水の結界の色彩を変えつつ、足元のトランプを動かした。

 

オートで操ってる水の技名を喋る必要などなく、ただの演技でしかない。重要なのは今シーズンの最初に一緒に結界を作ったカチョウとフウゲツが共に居る事。そしてその時に行った手順通りに、配布されるカードを配置していくことである。その様子を特等席で眺めているマチの言葉はまさしく他人事のようだ。

 

「うーん。魅力的な能力ですけど、何も持ったらいけないってのがツライですね」

 

「最初の発想次第だからな。ただし、愛用の銃やナイフを所持する前提よりはやり易いし、縛りとしてはキツイから効率が良いんだ」

 

 付け加えるならば、念を奪う奴がいた時に、二の足を踏む条件でもある。

 

その事を察しているクロロは苦笑しながら能力を観察している。それでも能力を奪う条件である『能力を見る』『能力について質問をする』を行っているのは、何処かでパクノダに記憶を読ませて、能力の詳細を確認するつもりかもしれない。それこそボノレノフの力でパクノダの姿をマチに化け……と考えたが、良く考えたらボノレノフは俺自身で殺していた。

 

「そうだな。もし進化条件を能力に組み込んでいるなら、制約と誓約を『一つだけ無視できる』か、『予め何倍か実行することで代用できる』というのを付け加えるのも面白いんじゃないか? まあ、俺の場合は『所持する全ての念に対する共通条件』だから、お前さんに譲るとしても使えるようになるのか分からんが」

 

「え~。それは調整が少し面倒だなあ。まあ国宝の次があるなら考えますよ」

 

「そうか。その時はクラピカの奪還を頼む。死地に送り込んだのは俺だからな」

 

「……善処します」

 

 やろうと思えば能力を奪えるクロロ。

 

からかう様な彼の笑みに対して俺は平然と『どうぞ』と切り返した。実際の話、フウゲツをカキンのシガラミから救えるなら念能力なんぞ不要であろう。それこそ基礎能力で何とかすることも出来るし、カチョウとフウゲツに関する進展を進化条件として用意している以上は、奪われた後で新しい能力を得ることも出来るかもしれんからな。その意味で、クラピカを『世界で唯一、生きている緋の目』としてツェリードニヒのところから救い出すことを、クロロのための進化条件として用意しても良いだろう。

 

 

「……フウゲツ王子……」

 

「そんな所で待って居たのですね。熱くありませんでしたか?」

 

 やがて、一拍置いて近くにあった小舟の蓋が開いた。

 

豪華客船のみならず、大型船には付き物の救命ボートである。タイタニック号は存在せずとも、似たような例はこれまでにもあったのだろう。『彼女』が隠れていたのは、そんな中でも天井を用意して中に隠れて置けるタイプの舟であった。

 

「いいえ。それにしてもお優しい。私のお慕いする……」

 

「カミーラ姉上への忠義、殉死する心意気。見事です」

 

「っ!? いいえいいえ! 私がお慕いするのは……」

 

「そんなに慕ってくれるのであれば存じているでしょう? 私の伴侶はただ一人だけ。幼い頃から死後の伴侶として定められているのは一人だけなのです」

 

 フウゲツの言葉を否定して、愛の言葉を放とうとする呪殺兵。

 

後は言葉を投げて自刃するだけ。そんな状態でフウゲツは笑って受け流して見せた。自分への愛があるのかはおいて置いて、その呪殺兵が最も敬愛するのはカミーラであること。そのついでに自分に敬意を抱くことがあっても、その矛先には予約席があると明確に告げたのである。

 

「ですが、カミーラ姉上の元に行くために、私を連れて行きたいというならば、その思いを受け止めましょう。存分に参りなさい、その心を受け止めて姉上の元へ(おく)りましょう。私はそう……貴女たちを(おく)る為にここにやって来たのですから」

 

「フウゲツ王子!? 私は! 私は、貴女をお慕いしております! っ!」

 

「人はいずれ涅槃へと旅立つ存在。一足早く姉上の元へ逝きなさい」

 

 喉に刃を突き立てて自殺する呪殺兵に対し、フウゲツは最後まで微笑んだ。

 

呪いの矛先から逃げるわけではなく、受け止めてその思いを発散させる。呪殺兵の言葉もまた否定するのではなく受け流す。今死ぬのではなく、いずれ死ぬ。共に死ぬのではなく『彼女』が先に逝くのだ。それも真に敬愛したカミーラの為に。

 

「闇に囚われし、心弱き人々よ。汝らの心に安らぎと平安を与えよう。この聖なる光を受けて、海原に還るが良い。解呪(ディスペル)

 

「ああ、ああ!? 光が!? 光が見え……」

 

 そこから先は完全に演出である。もちろんディスペルマジックなど使えない。

 

俺は良く聞こえるようにトーンを上げ、周辺に展開した水の色彩を変えただけだ。透明な色に、ただし輝くように。時に強く、時に優しく。本名かどうかはともかく、名前だけは知っている呪殺兵の冥福を祈りながら、本日の務めを終えたのである。

 

「確認だけしますけど今の演出は必要だったんですか?」

 

「霊を力尽くで解体することを除霊。説得して留まらなくすることを浄霊という。まあ呪殺に対するカウンターの一環だな。万が一にも死後に強まる念にしない為の方便さ」

 

 そして最後にクロロと興味本位の馬鹿話をして、『俺たちの側』は満足できる一日を終えた。




 と言う訳でベンジャミン暴走前の最後の仕込み。

念空間を用意しつつ、逃げ込む場所の設置です。
ついでにツベッパを煽って行くスタイル。「自分ならば!」と思いつけるだけの知性を持ち、その割に恵まれていない環境。そんな状態で駒を用意できる状況にあったら、実際に直前の事件の犯人でなくともし掛けたくなりますよね。

●クロロ
 色々ありますが、主人公の念が奪えたり、私設兵の能力を見るために参加。本命はヒソカが来るかどうかの確認ですね。後は物語的に、一度くらいは出逢わないと不自然だからですね。まあ裏で工作してたと思ってください。
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