●
「……」
「……」
最後の一撃には言葉もない。既にそんな物は必要なかった。
クロロは軽くステップを掛けてこちらを揺さぶった後、流れるようにナイフを振るう。揺さぶったのは『俺は武器を使わない』というのがフェイクで、何処かに武器を隠していないかを確かめたに過ぎまい。だがそこからが意外だった。伸びるように繰り出される刃は独自の技では無く、シッカリとした技である。
(我流でもナイフコンバットでもない! 小太刀か何かの白兵戦術!)
クロロは念を使う事を前提に、我流で独自の技を使うのだと思ってた。
何処かの道場に入る事はできるが、それで動きを固定することを避けて、念の行使に特化した動きをするものだと思っていたのだ。だが現実的には静かに流れるような斬撃を放って来たのだ!
「おおお!!」
「お前の負けだ。素手では勝てん」
手首と肘を起点に相手の動きを察し、ぎりぎりでブロックを行う。
手を払い受け流しに成功したものの、ベンズナイフによる斬撃が俺の体を掠めた。この期に及んでクロロはあくまでナイフに仕込んだ薬物での攻撃を優先させた。あれだけ見事だったの斬撃は全て囮、俺の動きを固定してナイフの刃先を浴びせることに特化していたのだ。オーラは全て攻防力に振り分けられており、発を使う必要もないとばかりに刃が掠めていく。それは容易くこちらの防御力を突破して、その後は頭が真っ白になるほどの猛威を薬物が発揮し始めるのだ。
(いか、ん。クロロ、は、薬……を。眠って、は……)
「無駄だ。傷をひっかいた程度では起きている事は出来ん。……死ね」
ヒソカに付けられた傷に指を突っ込み、激痛による覚醒を試みた。
既に頭がボーっとしているらしく、クロロの言葉が右から左に通り過ぎていく。奴はこちらが本当に動けないのを確認するためか、警戒のために数秒待ってからトドメを刺そうとしているのが見えた。
(代謝コントロール……間に合わん。シルバめ、こんなのを喰らってよく無事で……いられ、た……な)
カキンの軍隊で覚えさせたれた薬物耐性程度では強力な薬物には耐えられない。
自傷をキーとする行動で登録した自動操作が、少しずつ薬物を体の外に出そうとはしている。転がっている間に僅かながら自動操作が機能し、朦朧とする意識が僅かに回復したが……それだけだ。むしろ自意識が残っているだけ残酷な運命が待っているだろう。目的を果たさずに此処で死ぬか、双子が割って入ろうとして先に死ぬかの未来である。ただし……。
「っ!?」
「……♠」
「どういうつもりだヒソカ?」
「そいつが死ぬなら条件も終了でしょ? ボクと戦おうよクロロ❤」
ただし、それはヒソカという狂人が割って入らなけれの話である。
奴が投げた数枚のカードは俺を巻き込む形でクロロへ放たれていた。もしクロロが自分に当たるカードをナイフで切り落とさなければ、俺は巻き込まれて死んだだろう。数枚投げていたので体の何処かが切られて血飛沫が上がっているが、薬がまだ効いているので何処に命中したのか感覚はない。間違いなくヒソカは俺を助けるのではなく、『クロロの到着地点』として狙ったのだ。もし俺が生き残れば『助けてやった』と言えなくもない動きで、実に無駄がなかった。まあ、ヒソカのことなので効率的に動いたというよりは、『これで生き残ったら面白いでしょ❤』と言うだけのことだろう。
「継承戦に協力すれば本来より短いスパンで解除する。確かにそういう契約だったな……だがまだ続いているぞ?」
「ん~ん♪ 実は終わってるんだな、コレが。ボクとイルミでちょっとね」
(どういうことだ? まだ数名の王子が……強制的に二線者に?)
顔の角度も動かないので状況が良く分からない。
どうやらヒロカとクロロが一触即発で退治しているようだが、そもそも薬のせいで頭が回らないのもある。殆ど彼らの言葉を繰り返すように考えるのみだ。イルミは暗殺していたのだろうし、ヒソカは情報を渡したりしていたのだろう。ヒソカが王子を殺す姿は思いつかないが、イルミに伝えていれば、奴ならば平然と皆殺しに……そうなると誰が王に成るのだろう? そう思ったが、その先に中々辿り着けない。残りの候補の中で、誰が生き残っているのかまるで頭が回らないのだ。
「それと他の団員たちなら来ないよ。脱出の準備に大忙しだし、『彼ら』が邪魔してくれる手はずになっているからね」
「正確にはあんた達の一騎打ちを演出する手伝いをする。だな」
「……貴様。シュウ=ウ一家の……」
新しい介入者によって戦いは再度中断させられた。
そいつによって俺の体が持ち上げられるが、視線は床に向いたままなので良く分からない。声の位置からして背が高い人物であり、何度も聞いた人物の声なのは確かだ。少なくともこの場にいることはないはずだが、よく見知った人物である。
「オレたちをまとめて殺さないのか? チャンスだろう」
「悪いな。オレは箱推しなんだ。邪魔する気はない……ただ、その報酬はこっちで勝手に受け取るという条件だから好きにさせてもらうぞ」
クロロの言葉に対してその人物は何もしなかったように見える。
だがそれは本当に何もしてないことにはならない。既に別の場所で能力を起動しており、ヒソカと自身の姿で陽動を行った時点で条件は整っているのだろう。後は拮抗状態と見せかけて、その時を待っているだけだと思われた。それゆえにクロロはヒソカを第一に警戒しながらも、奪われてはならない物の幾つかに警戒しているのだろう。
(!?)
「アハッ❤ 実に面白い能力だ」
「動物になった機械だと!? だがそれよりも部屋が大きく傾いて……」
「これでオレの要件は終りだ。忠告するがお客人たち、そろそろこのエリアも滑り落ちるぞ。決着をつけるならば第二層に移ることをお勧めするがね」
そこから先は四人がそれぞれに動き出す。
俺を大蛇のような何かが締め付けて力強く引きずり始めた。ヒソカは横目で俺たちを見ながらクロロと退治し、全てを見ることが出来るクロロだけが状況を把握している。だが第三の介入者であり、ヒソカの協力者の男は部屋が傾くのに合わせて俺をグルグル巻きにしたままその場所から退避していく。
「遠くで見物しているから、ただの壁だとでも思ってくれ。もう一人のお客人の要望でね、この決闘に手を出したら殺すとも明言されてるから何もする気はない」
「イルミか。余計なことを。だが……」
「同感だけど、このままだとヤバイね」
転がり落ちる俺は大蛇に巻かれて居なければ何処までも落ちそうだった。
船が傾いて見えるのは気のせいじゃないらしい。クロロもヒソカもこのまま戦い続けるのはマズイと判断したようだ。第二層までの移動を見据えて睨み合いの続行中と思われる。介入者と俺が少しずつ遠ざかるのに合わせて、二人は睨み合いながら何処に移動するかを見計らっているかのようだ。
「最後に一つ確認するが、そいつをどうする気だ?」
「どうやら新しき我が国は、未曽有の財政難のようでね。こいつが用意している財産を有り金残らず回収させてもらう。断ったら指先から寸刻みだな」
話を聞く限り介入者は必ずしも味方ではないようだ。
カキンの中にある財産だけではなく、外に作った財産も狙っているらしい。最初からの計画であったのか、それとも計画を変更してそうする必要が出たのかは分からない。この後で面会する新王陛下が教えてくれるかどうかだろう。
「世話を掛けるなヒンリギ」
「いやいや。迷惑を掛けられたからな、お礼参りはここからさ。我らがチョウライ陛下はご立腹でね。最初からここまで危険物だと分かっていたのなら、どうして教えなかったのかとお冠だよ」
意識がハッキリしてくるのと激痛に苛まれるのは殆ど同時だった。
俺を運んでいるのはヒンリギ・ビガンダフノ、言わずと知れたシュウ=ウ一家の若頭である。その主はどうやら生きていたらしいチョウライ王子であるようだ。
●
「生きておいでだったのですね。ご健勝で幸いです」
「嫌味かね? 見ての通り立派に死んでおったよ。計画的にだがな」
最終的に勝利者となったのはチョウライ王子だった。
彼には無数の針が突き立てられており、少しずつ念を抜きながら治療をしているようだ。要するにイルミを雇って暗殺という安直な手に得るのではなく、『山場になったら仮死状態にして、リタイヤしたフリをさせてくれ』と依頼していたのだろう。イルミの裏にチョウライ王子がいて、ヒソカはイルミ経由で俺からの情報も得つつ第二王妃ほか様々な王族の元で目的もなく回遊していたのかもしれない。言われてみれば亡きナスビー陛下も無害と思わせて生き残ったようなので、同じような路線で計画していた可能性は十分にあり得た。
「君の推薦通りに旧王朝の全ては放棄するとしよう。私も子孫に禍根を残したくはないからな。そこで二つの質問をさせてくれないかね。君が持つ海外資産を全て譲ってくれるな?」
「誓って陛下の望み通りに。グリードアイランドもお譲りしましょう」
「蠱毒が掛かってないなら喜んで献上を受けよう」
現在、俺は縛り付けられヒンリギたちが傍にいる状態だ。
俺がカキン国外に持つ移民その他の利権全てを手放し、貯金その他もろもろも渡すことで生存を許してくれるという話だった。『カチョウとフウゲツは王籍を離れたとはいえ妹なので殺しはしない』などと言っているが、要するに人質に取られているから念能力で殺害も出来ない(錬を行った段階でヒンリギたちが俺を殺すだろうし)。
「二つ目の質問だが、旧王朝の全てを捨てたとして世界は問題無いかね?」
「蠱毒が存在した時と比較して世の中は変わりました。グループや株式会社の解散などにより『マイナスになってすべて失われた』時点で、金や資産に憑いているシステムは失われるでしょう。これから内乱を始める諸部族を説得し、土地に再入植しないならば問題無いかと思います」
これからの問題として、『
V6は旧カキン王朝を協約違反でその立場から追うだろう。他国にある資産も犯罪その他の理由で没収され、鉱山や石油などの資源も奪われるに違いない。それを守る筈の王家が壊滅し、生き残ったチョウライ王が『王家の資産を全て民に返す』と権力を放棄することで、誰も守らなくなるのだ。代わりに台頭した各部族は王選という枠組みから外れていがみ合い、殺し合って泥沼の紛争になると思われる。V5が介入して代理戦を始め、世界経済は一気に冷え込むだろう。カキンの財産を奪った事で、嫁金蚕が活動して世界から資金と資産が一気に失われてしまうのだ。ただ現在の世界では、破産その他の手段で受け継いだ会社を処分することで免れることが出来るとも言える。
「そうか。惜しいとは思うし一族には離れるように伝えるが信じてもらえなければ仕方あるまい。ところで新しい友人として尋ねるのだが、新興国である我が国が栄える方法はあるかね?」
「聖獣の代わりはヒンリギたちが指導すれば可能でしょう。新大陸の過酷ながら豊かな土地があれば立ちゆきます。世界経済がどうにかなった後で、旧王朝で『棄民』と呼ばれた移民たちも協力してくれるかもしれませんね」
予定にない第三の質問ではなく、『新しい友人への質問』が飛んで来た。
格言で『綸言汗のごとし』と言って王の言葉は取り消せないというが、それを誤魔化す為ではなく、ここからは意味が切り替わるという事だろう。ヒンリギたちは俺の傍を離れて、ある程度は信用しているというスタンスを取り直している。つまりは『王の友人であり、国家顧問である間は生かしてやろう』という立場に格上げされた可能性が高い。元から友好勢力ではあったので、明確な格差を付けることが必要だったというところか。
「次に聞きたいのだが、本当の新大陸とその成果物に関してはどう扱うべきかな?」
「V5の予想としては『壊滅するが一部が成果物を持ち帰って来る。災禍が存在してもこの大陸で収まる』と予想している筈です。だから適当なところで介入して成果を取り上げるつもりでしょう。ゆえに成果そのものには固執するべきでは無く、陛下はハンターたちとの橋渡しに徹し、彼らの生存に協力すべきです。そうすればV5の予想よりも多い果実が我が国で根付く可能性はあります。ただし塩梅としては協力であって尽力ではない程度が、双方のためかと」
質問は今後の予想についての話になった。
俺の予想としてはグダグダになるし、持ち帰った成果に関してもバイオなハザードも真っ青な流れになると想像していた。そして僅かな成果物ですら、V5の手の者が回収していくし、新国家が抑えても経済封鎖などで取り上げるつもりだろう。だからハンター協会に協力して生き残りが増えるようにしつつ、災禍は早い段階で食い止めて、生き残りのハンター達に寄り添う姿を見せるべきだと忠告した。全力で支援しないのは単純に、彼らも俺たちをV5同様に信用しないからだ。適当な距離を取って『相手の要望の範囲で』協力する程度が望ましいと思えた。
「なるほど。確かにそうなるだろうな。では利益を多くして、禍を少しでも減らすとしよう。退室して構わんぞ。妹たちも待っているだろうからな」
「陛下の恩情に感謝いたします」
チョウライ王は双子を特に人質にはしていないようだ。
ナスビー陛下と比べて甘いと言えるし、新大陸での困窮した生活を考えれば妥当と言えなくもない。俺の命を助けるための取引をしているかもしれないし、俺を繋ぐ鎖は幾らでも用意できるのだから。
「世話になったな。命の借りは何処かで返す」
「そうしてくれ。うちの組織も大変なんだ。ただ詳しい話をしてくれれば……と思う反面、聞かなくて良かったと思わなくもないな」
付き添いというか監視のヒンリギと話しながら退出。
偶然の流れとはいえ、助けてもらった事には変わりがないので命を懸けて借りを返すと伝えておいた。シュウ=ウ一家とシャ=ア一家の生き残りの間でも抗争が始まるだろうし、戦力や頭脳が必要になることはあるだろう。俺たちはひとまず共闘体制を再構築することになったわけだ。
「あれから旅団とヒソカはどうなったんだ?」
「そうだな。『史上最悪の犯罪組織である幻影旅団は、カキンから何もかも奪って逃走。そこで仲間割れを起こして無敵のまま伝説になった』。……公式的にはそうなってる」
ヒンリギの話では全て旅団に押し付けることになったそうだ。
半分くらいは冤罪だと思うが、旅団としても悪い話ではないので否定はしないことになっているとのこと。おそらくはフェイタンやフィンクスたちが本流の生き残り組を自称して伝説を引き継ぎ、マチやパクノダたちは引退するのだろう。ただし、予定としては……の話だ。
「ということは暗黒大陸に行ったのか?」
「全員じゃないだろうがな。最後の決闘は決着がつかなかったので仕切り直し。その後に暗黒大陸に渡ったのか、それとも流星街に戻ったのかは知らん。反乱分子の首謀者扱いがヒソカというのは変わらんようだが」
どうやらヒソカも取引をして決闘を継続したようだ。
おそらく『幻影旅団が無敵のまま分裂した』という世評のために、都合が良い話を引き受けた代わりに『決闘の邪魔をしない』ということになったのだと思われる。クロロの方も強奪用に調整している可能性もあったし、戦闘向きの能力を揃え直すまで待つという契約も入っているのかもしれない。ヒソカはそれを信じる必要はないが、消耗したまま戦っても面白くないだろうしな。
(スキルハンターから能力が失われるような、あるいは過去に使った能力を使わないような節があった。クロロは今ごろシステムの名残を削って、新しく能力を再調整しているところだろうな。暗黒大陸に行く理由はないが、ヒソカの趣味を逆用して奴から逃れるためと再修行のために暗黒大陸に渡っている可能性はあるか。まあ旅団に関してはもう構わんだろう……俺と決着を付けたいとかいう酔狂な奴がいたら戦うだけだな)
王位継承戦が終わり、それを利用した幻影旅団は終活に入った。
悪名を最大限に拡大した後で自ら組織を割り、仮に蠱毒のシステムが影響を与えても問題無いようにしたのだろう。その上で復讐を終えて戦う気が無い物は解散して野に潜り、ヒリ付いた戦いの人生を望む者が残党を名乗って勢力を拡大し続けるのだろう。やがて滅びるその時まで……。そこにクロロが関わるのか、それとも能力や記憶ごと引き継いで引退するのかは分からない。俺たちの人生に関わらないならば気にすることもないだろう(フェイタン辺りが挑んできそうな気もするが)。
●
「ユキ兄ぃ!」
「ユキ兄さま。目を覚まされたのですね!」
「ああ。二人とも無事でよかった」
やがて双子と合流して第二の人生を始めることになる。
名残惜しいがユキと名乗るのもおそらく最後だろう。精々ハンター仲間と出逢う時にそう呼ばれるだけに違いない。
「
「
「これからはずっと一緒ですよ
俺たちは以前にグリードアイランドで使った偽名を使うことにした。
もしかしたらこの名前も捨てるかもしれないが、ひとまず便宜的な名前は必要だろう。
「雪。これからどうする?」
「念使いなら稼ぐ方法はたくさんあるさ。ハンター協会が今後も残るなら、二人をシングルに育てるのも面白いとは思うがな」
カチョウ改め
もしここで『お前は用済みだ。もう話しかけないでくれ』と言われたら立ち直れない所だった。そんな冗談はともかく、人生設計に関して一から出直すのも良いだろう。海外資産は問題ないと思うが、それはそれで柵があるからな。関連ある連中が文句を付けてきたら『全部奪われたからもう知らん。と言いたいが、何らかの補填はする』とでも言えばいいだろう(カキン者はたくさん死んだので気にしない気もするが)。
「いいですね。だけど実はしたいことがあるんですよ」
「あ、あれだよね! 音楽で色々やったり、花とか育てたり!」
「二人がしたいことをやっていこう。俺の方はその後で見つける……ああ、そうだ。『したい事』というより『したくない事』はあるかな。もう数年は子供は作らないようにしよう。二人を子供に取られたくないからな」
嫁さんを苦労させたくないので、何かで稼ぐことにしよう。
だがその前に二人がやりたい事をベースに考えるのもよいだろう。音楽だったらこちらの植物や鉱石で楽器を作るとか、こちらの風物詩を元に歌を作ったりするのもよいだろう。この世界ではネット社会が動き出したばかりなので、●チューバーみたいなことをやるのも面白いかもしれない。
「もーやだー! エッチー!」
「うふふ。でもそういうのもいいですね。暫くは三人で水入らず!」
(何とか誤魔化せたか。蠱毒の影響はないと思うが、王子たちが転生してそれに利用されても困るからな。……異世界転生した俺が言う事じゃないかもしれんが、二人には心労を掛けたくはない)
こうして俺たちは三人だけで出直しをする事にした。
もちろん厄介ごとを持ち込む連中は居るだろうし、旧カキン王朝のあれこれは付いて回るだろう。だが因習に囚われたカキンでの生活に比べたら、この新大陸での日々は愉しむべきワンダーワールドであろう。
●
2001年12月。BW号は当初より遅れて新大陸に到着したと発表。
ナスビー王ほか王族の大半が死亡し、随行していた要人たちの多くもそれに巻き込まれて死亡したとのことである。
原因は王位継承を巡る争いに、幻影旅団が介入して第一層と第二層の一部が崩壊したこととされる。奇跡的に財界の富豪たちは第三層以下に避難しており救助あれたとされるが、財宝の一部が幻影旅団によって強奪。これを取り返すためというより、報復のために幻影旅団へ多額の賞金が掛けられることになった。
開けて2002年1月。幻影旅団は内紛によって分裂し、殺し合ったと報告される。生き残った一部が暗黒大陸へと逃走したとされるが、暗黒大利に渡った事と、生き残っても少数であることから『何故か』懸賞金が解除されることになった。これには懸賞金をかけていた富豪たちの一部が、BW号事件の心労で倒れた為であるとされる。
生き残ったチョウライ王子は即位して、これらの責任問題解決手段として、旧王朝の全てを国家へと返還。国元に残っていた資産全てと権力を返上し、新大陸大統領として旧カキンの全てと袂を分かつことになった。V5の国々は一度この声明を認めて権力基盤を切り離したうえで、旧カキンへの介入を開始。勃発する民族紛争を利用して代理戦争にしかねない様相を見せ始めたという。
というわけで最後の最後まで右往左往しながら何度も書き換えてました。
●敗北に近いビターな決着
クロロに勝てないけど、目的だけなら何とかなるレベル。
そのレベルにしたツケですね。ただしっくり来なかったので、主人公はやられてヒソカと介入者が持って言った感じです。(ヒソカを隠し札にしたのは主人公なので、完全に無関係でもないのですが)
時間ギリギリまで粘ってクロロが納得するよりも、隙を伺っていたはずのヒソカが居るという整合性の問題もありました。最初から主人公が一騎打ちに橋渡しすれば良かった気がしますが、それだと継承戦を何とかできないというジレンマ。
●勝利者はチョウライ王子
最初に考えたのは「イルミを雇用してるのは誰?」ということです。
サレサレ王子とかその辺だと無理ですよね。三大マフィアも自力で何とかするプライドあるだろうし、上位の王子か王妃の誰か。そう考えたら資金的にもチョウライ王子だったのですが、「死んだふり」を演出する方がらしいかなと思った感じです。混乱の中で死んだことにして、最後に生き残った連中をイルミとヒソカに依頼してケリをつける感じで。
なお、今回は蠱毒に似たシステムで大変なので、全部捨ててカキンを再編する大変な役回りになります。「できるからまあいいか」というタイプなので壮大な人生ゲームで遊びそうな雰囲気があります。
最後の最後で結末に悩んで整合性重視でグダグダしましたが、ともあれこれで完結です。長々とした物語にお付き合いください、ありがとうございました。