美しくあるために   作:ゲボ

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共同戦線

 3人は山賊達に話をつけに行った。私はというと、3人が最初に色々渡した時に立ち会ってなかったから、万が一それでイベントが失敗したら困るからーーという理由で1人で待っている。

「ねえバラ、ゲンスルーの様子どう? こっちはもう指定ポケット50種集まって、今奇運アレキサンドライト取りに行ってる」

「は、マジ? やっぱ警戒しといて正解だなソイツら……。ゲンの方は変わらずだとよ。皆お前の言う『ハメ組』を警戒してるから、中々カードも増えず、かと言って減りもせず……ゲン相当鬱憤溜まってるぜ。そろそろ爆破したいとこだよ」

「分かってるって。万が一クリアされても困るしね……。今後もなんかあったら連絡するよ……あ、もう時間だ。じゃあゲンスルーとサブによろしくね」

「おう。チアも頑張れよ」

 交信(コンタクト)が切れる。久々に声を聞いて、ちょっとホッとした私がいた。ゴン達といるのも結構楽しいし悪くないけど、ちょっぴり息が詰まる。

 しばらくしてにこやかに彼らがやって来るーーどうやら成功したみたいだ。

「チアー! 獲れたよ! 奇運アレキサンドライト!」

「おめでと! 凄いね、そんな周りくどいイベントあるなんて」

「ああ……ぶっちゃけ最初に出会わなかったら詰んでたよな。というかこのカード、独占できないかな? 一応俺も身ぐるみ剥がされたワケだし」

「あたしはアンタらに拒否されてなんにもあげられなかったから無理よ。行くならキルアが行きなさい」

「そーだな。じゃゴン、ちょっと貸してくれ」

 そうしてキルアが聖騎士の首飾りをかけて、もう一度向かって行った。……しかしすぐに戻って来る。

「ダメだ、このカード1チームにつき1枚までっぽい」

「そんなルールあるのね。ゲーム側も独占対策は打ってるってワケ」

 ……良かった。私のゲットは1チームにカウントされなかったみたい。ここでバレてたらおしまいだもん。

「よし! これで55枚になったぞ!」

「ランクAとBばっかだけどな」

道標(ガイドポスト)解析(アナリシス)もうないんじゃないの?」

「くそー神眼(ゴッドアイ)が欲しいな」

 その時。ゴンのバインダーから「交信(コンタクト)」の知らせが鳴った。

 このスペルカードをかけられたら自動的にバインダーが出て来る仕様を上手く使えないのかなー、なんて、ぼんやり考える。

「誰だ?」

「よォ、こちらはカヅスールだ」

 カヅスール、あの時のトレードの人だ。

「トレードだったらこっちは23『アドリブブック』と52『真珠蝗』があるよ」

「ありがたい話だがそれは後回しだ。一度会わないか? 相談があるんだ」

「なんの?」

「もうすぐクリアしそうな奴等がいる」

 ……おそらくそれは、ハメ組かツェズゲラ組。

「初心者を勧誘している大勢のチームを知ってるか?」

「うん、俺達も誘われた」

「他に何組か声をかけていて、マサドラの北東2㎞の岩場で集まる。情報を交換するだけでも価値はあると思うぜ」

 ……行こう、私たちは目配せした。

 

 

「よく集まってくれた。礼を言う」

 カヅスールの紹介曰く、集まったのはヤビビ組、ゴレイヌ、アスタ組、ハンゼ組、そして私達ゴン組とカヅスール組。結構なメンバーだ。

交信(コンタクト)で話した通り、あいつらがあと少しでコンプリートしそうなんだ。さっきランキングで確認したらーーメンバーが多いから正確な枚数は不明だがーー90種以上集めていることは確実! 君達にはその対策の為に集まってもらった」

「ちょっといい?」

 キルアがカヅスールに話しかける。

「なんだ?」

「ランキングってどうやって調べんの?」

「それは……」

 カヅスールの声を他の女が遮る。この人は確かアスタ組の……アスタ、だっけ?

「こんな人達に付き合ってたら夜が明けちゃうわよ! いいからさっさと本題に入ってよ」

「まあまあそう言うなよ。情報交換も目的の1つではあるんだから」

「もしかしたらアスタの知らない情報を彼らが持ってるかもしれないんだぜ」

 他の男が彼女に言う。

「はは! あるわけないじゃないのそんなこと。トレードショップさえ活用し切れてない素人よ? そのコ達」

 キルアが明らかにムッとしているのが分かる。うーん……流石にこれは、仕方ないかな。そっと手を上げると、全員の視線が私に集まった。

「ごめんなさいっ! 私が黙ってただけで、ランキングの確認の仕方も、所有番号の確認の仕方も知ってました」

「えっチアそうなの!?」

「ご、ごめんゴン、ちょっとその話は後で……。それで、ゲームの情報をまだ知らないだけで素人と決めつけるのは早計かと思いますよ。何せ、人によって目的も進め方も違うんですから……。確かに()()()ゲーム情報において素人かもしれませんが……同チームの私が知っているなら問題ありませんよね。なので、ほんとにっ、この件において悪いのは全て私ですのでぇ〜……責めるなら私を! どうぞお話を進めてください」

「フン……別に知ってんならいーわよ。ったく、無駄な時間使っちゃったわ」

 キルアが小声で「なんだアイツ」と一言。

「ああ……。君達には、この為に集まってもらったと言っても過言ではない。No.2『一坪の海岸線』の入手方法が分かったーー!」

 ……! 情報がもう出回ったか……。これはツェズゲラ組に知られる前に対策立てないとだ。

「その()()()()()()()()()()()()()()に内通者がいてな。そこでイベントの発生条件が判明した。条件は、15人以上で同行(アカンパニー)を使用してソウフラビへ飛ぶこと!」

 内通者、か……。情報が回ったのが、見たところあんまり強くないこの人達だったのがまだ幸いだった。でもこれでゴン達も条件を知ったということ……! つまり私達が仲間を探してゲンスルーらを自然に引き入れることができる!

「内容は『レイザーと14人の悪魔』! まずは奴らのいる酒場に通されて、そこにいる1人を倒せばボスのいる場所へ連れて行かれる。そこでやっと本戦というわけだ。内容はスポーツらしいが……種目までは情報が回ってこなくてな。とにかく、君達に協力してほしい」

 もちろん全チーム「OK」。そうして私達は、全員でソウフラビへ向かうこととなった。

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