通されたのはだだっ広い体育館。そこにも何人もの人間がおりーー1人、一際目立っている男がいた。
「誰だ? そいつら」
「客だ。俺達を追い出したいそうだぜ」
この人がボス、レイザーか。
「ホウ。じゃあ早速本題に入るが、勝負しよう。互いに15人ずつ代表を出して戦う。1人1勝。先に8勝した方の勝ちだ。勝負のやり方は俺達が決める……それでお前達が勝てばこの島を出ていこう。どうだ?」
「質問がある」
「どうぞ」
えっと、この人はゴレイヌ……だっけ。この中で唯一のソロプレイヤーであり、私達と同時期に入った人物……! それで50種以上集めてるんだから相当な実力者だろう。
「もしも俺達が負けたらどうなる?」
「特に何も。ここからお帰りいただくだけだ」
全員を代表してカヅスールが言う。
「よし! やろう」
「よかろう。
殺し合いや格闘ではなくスポーツってとこがゲームの面白さだな。これなら実力が下でも、ルールの隙を突いて勝つことができる……!
「よし! 俺と
「まだ嫌ですよ、疲れちゃったので休ませてください」
「抜かしやがって……!」
ボポボが拳を握りしめる。落ち着けって、と仲間の1人が彼の肩に手を置いた。
「俺が一番手だ。俺の
男はグローブをつけてリングに上がる。
「わかってると思うが
ボスが言う。
「……1つ確認しておくが、念は使ってもいいんだろうな」
「もちろんさ。俺達はバリバリ使うぜ」
そうこなくっちゃ。でもここの人達じゃクリアは難しいだろうし……あんまり力をひけらかすわけにもいかないから、きっと今本気は出せないけれど。
「これで8勝……俺達の勝ちだな。出直して来な。まだしばらく俺達はこの街で好きにさせてもらうぜ」
「くそっ汚ねェぞてめェら! ワザと負けやがってこの腰抜け共が」
まーまー、とボポボが仲間に押さえつけられている。そう、私達は4人で相談して、ひとまずどんな種目があるのかだけを確認したのだった。
「ボポボさん……でしたっけ? また来ますよ、その時はよろしくお願いしますね」
ギャーギャーうるさいけど気にしない。だってもう帰るんだから。
「一度バトルに負けてしまったパーティーでは二度と挑戦できない……か」
「そのくらいのリスクは当然だろうな。ま、15人のうち1人でもメンバーが変わればいいんだから、それほどムチャなリスクじゃないな」
帰りの道を歩きながら、カヅスール達が言う。
「あ、でもアタシ達はもう抜けるから」
「えっ」
抜けると宣言したのはアスタ組。どうせ抜けようが抜けまいが、クリアは無理だろうから警戒は必要ないかな。
「アイツらがどうしてあんなに大人数で組んでるか知ってる? 弱いからよ。クリアできてない現状を見ても、アイツらにこのイベントのクリアは不可能……! むしろあんた達もしばらくこのイベント放っといたら? 最近プレイヤー狩りがまた頻発してるでしょ、下手にレアカードを手に入れたら狙われるわよ」
プレイヤー狩り……サブとバラだ。噂がいい方に動いてくれている。
「たしかに……そうだな……」
他の人らも納得した様子だった。そうして皆それぞれ、
「あんたはどうすんの?」
「お前らと同じさ、もっと強い仲間を探す。続ける気だろ? このイベント。でなきゃあの作戦変更は意味ないからな」
私達は彼の言葉に頷く。どうやら彼は
「あの連中は、ニッケスチームにはクリアが無理と言っていたが……実際あの中に内通者がいたんだ。他のチームにも内通者がいて、知らない間にカードを入手されて独占ーーなんてこともあり得る。何せカード化限度枚数が3枚だからな」
「あと10人組のパーティーがいたら、仲間割れせずに分けられるんだけどなー」
彼らの話を聞いていると、ゴレイヌから私に話が振られる。
「お前も俺らと同時期に入ったプレイヤーだろ? ニッケスに勧誘されて入ったんじゃなかったのか」
「あー……そうです。入ったけど抜けました」
「そうか……あの中で
「1人だけ。ジスパーって人です。まあでも、あのチームに協力はムリかなーと……」
「コイツ、クリアの邪魔しないって約束しちまったんだってさ。だからバレるとヤバいってわけ」
えへへ、と笑う。ひとまず場所を変えて話すかってことで、私達は近場で食事をすることにした。