美しくあるために   作:ゲボ

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「ハメ組」の5人

「とにかく条件はクリア報酬500億の10%、50億! それがのめなきゃ『一坪の海岸線』の情報は教えられない」

「……法外だな」

 ツェズゲラ達の元に飛んだ私達。そこでゴレイヌが全員を代表して、今ツェズゲラと交渉してくれている。計算とかお金の価値とか分からない私からすると、500億も50億も何が何だか……。

「状況が状況だからな。それにこのカード、おそらくあんた達が自力で発見するのは絶対に困難だぜ。内容を聞けば納得してもらえるはずだ」

 ……ハメ組の連中を脅して聞けば、別だろうけどね。

「カードを入手してないと言うのは本当だろうな?」

「ああ。現状の俺達では入手不可能だ。それが出来ていればこんな金額はふっかけないさ」

 ツェズゲラはもう一人の仲間と顔を見合わせて、頷いた。

「……よし! 条件は呑む。話を聞こう」

 

 

「くっくっく、なるほど。だから直接会って話がしたいと言ったわけか……。俺達と組んでカードの入手を目指そうというわけだな」

「さすが察しが早いな。悪い話じゃないと思うがね」

「そっちは全部で5人か?」

「ああ、見ての通りだ」

 ツェズゲラがパチンと指を鳴らすと同時に、木の影から2人男が出てきた。……なるほど、用心深い。これだけ離れていれば、万が一攻撃スペルを受けても残り2人は被害に遭わないだろう。

「こっちはあと2人仲間がいる。それでも10人にしかならないが、残りはどうする気だ?」

「残り5人はーー」

 ゴレイヌが言いかけたその時。

『他プレイヤーがあなたに対して交信(コンタクト)を使いました』

 ゴンのバインダーだ! 全員がゴンの方を振り向く。

「ニッケスだ。君達を最初にチームに誘った者……と言えば分かるかな? どうやら一坪の海岸線攻略のメンバーを集めたみたいだな」

 仕掛けてきた……! これはおそらくゲンスルーが動いてくれたのだろう。頬が緩みそうになるのを抑えて緊張した面持ちを作る。

「なんで分かるの?」

 ゴンはあくまでも毅然とした態度で答えた。

「君達が()()()()()でソウフラビに飛んできた所から見ていたんだ。そこで提案がある。俺達もそこに入れてくれないか?」

 ゴンが私達の方を伺う。ゴレイヌが、

「それは無理なお願いだなーーと言いたい所だが、わざわざそんな提案をしてくるってことは、何かあるんだろう?」

「もちろんさ。一坪の海岸線をゲットできても、俺達は分け前を貰わないと約束しよう……! それから色々話したいところだが……長々と話している時間はないな。これから数人でそちらに飛ぶから、話をしよう。攻撃系のスペルは全て置いていくから安心してくれ」

 ニッケスがそう言い残して、交信(コンタクト)は切れた。

「ふむ……ニッケス組、か。現在の指定ポケットカード数は、おそらく俺達のチームに次ぐ。しかし戦闘力に欠けるあいつらでは、このイベントは攻略不可能というわけか」

「そういうことだろうな。俺達がカードを集めてから奪うつもりかもしれない」

「でもさ、あの人達は数合わせで入れる人達と違って、自分でやりたいって言ってるんだよ? やっぱり何があるか分からないし、チームに入れるのはやりたい人だけでいいと思うんだ」

 ゴンの言葉にキルアとビスケが軽く頷く。道徳的な考えで言えば、これが一番真っ当な意見だろう。どうするか考えている間もなくーー同行(アカンパニー)でニッケス達が飛んできた。そこにいたのは……ニッケス、アッサム、ジスパー、プーハット(なぜ?)、そしてゲンスルー……!

 これでちょうど15人!

「久しぶりだな。さっそくだが、話を聞いてほしい」

「ああ。しかし話はこのまま聞かせてもらおう」

 ニッケスの言葉にツェズゲラが答える。つまり()()()()ってことだ。

「……どうだ?」

 ツェズゲラが仲間のバインダーを覗く。スペルは大丈夫なようだ。

「確認は済んだか? ……それでは聞いてもらおうか。まず、前提として『一坪の海岸線』イベントの発生条件を最初に見つけたのは俺達だ。君達が今知っている情報は、俺達のチームから流れたもの……! もちろん情報料はもらわないさ。しかし、代わりと言ってはなんだが……俺達5人を混ぜてほしい」

 ニッケスが言い切った。そーっとゲンスルーの方を見るけど、こちらも私と同じく猫被りモードで笑っちゃう。次いでゲンスルーが、

「テーマがスポーツなのは知っているよな? 俺達は二度ほど挑んだから、君達よりかは種目を知っているはずだ。何を挑まれるか分からない以上、それだけでも対策が立てやすいだろう。もちろんさっき交信(コンタクト)で話した通り分け前はもらわない。あくまでもイベントをクリアするための協力をしたいのさ」

 上手い……! スポーツの種目を多く知っていればいるほど、対策は立てやすい。これはゴン組(こっち)にとってもありがたい申し出のはずだ。

「君達が危惧しているのは、一坪の海岸線を入手してから仲間が飛んできて、スペルでカードを強奪される可能性があるからーーだろう? 安心してくれ、それはしないと約束しよう。今の俺達にとって君達と敵対するのは好ましくない。まだスペルカードをコンプリートできていない現状と、戦闘能力が劣っているという点を考えれば理解できるはずだ」

「一坪の海岸線は自分らでは入手不可能……ってこと?」

 キルアの言葉にニッケスが頷く。

「ああ、そうだ。君達でクリアできなければ、おそらく今の他プレイヤーにクリアは不可能だろう。情報も回っていない上に大人数の協力が不可欠だからな。とにかく、ゲームをクリアするためには『一坪の海岸線』を一度誰かが入手する必要がある……! その為に、クリアの確率を上げる手伝いを俺達にさせてくれ」

「つまり。『一坪の海岸線』を入手してから別れるまでは協力関係でーー別れた後は敵対関係に戻る。そう解釈していいんだな?」

 ツェズゲラが冷静に言う。ニッケスが言いたいのはそういうことなんだろう。

「そうだ。完全戦力外のプレイヤーを引き入れるよりかは、君達にとってもいい話だと思う」

「……相談する時間をくれ」

「構わない。ゆっくり決めてくれ」

 私達は今さっき協力関係になった10人で、ニッケスらに声が聞こえないあたりまで離れ、向かい合った。

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