「さて。俺達もついさっき協力することにしたばかりだが……君達はどう考える?」
ツェズゲラが一番に口を開いた。それにまず、ゴンとキルアが答える。
「俺は賛成だよ。さっきも言ったけど、いくらスポーツとはいえ念での戦闘なんだから、何があるか分からない。やりたい人だけでやろうよ!」
「ン、まあ俺も賛成かな。あいつらが言ってた『今敵対するメリットがない』ってのは本当のことだろうし」
それに他の者も頷く。あんまり私がしゃしゃり出て向こうとの関与を疑われてもまずいから、ここは控えめにいこう。
「あの人達の前では言えませんけど……一番強いジスパーさんですら、私達より弱いです。ーーこれは絶対言わないでくださいね。とにかくスペルカードでの攻撃さえ警戒しておけば、デメリットはないかと思いますよ」
ゲンスルーは強いけど……ね。
「そうだな。奴らが言っていた、カードゲット後に仲間が来て奪われるという可能性は否定しきれないが……それは対策を立てればいい話だ。種目を追加で知れるのはかなり大きい」
「ああーーところで、このメンバーで勝機はありそうなのか?」
ツェズゲラの言葉にゴレイヌが頷く。
「100%じゃないが、見た限りではボス以外の力量は俺達より下だ。それに俺達で10人……! 2敗はしても大丈夫な計算だな。それに8勝ができなくても、メンバーを1人変えて再挑戦すればいい」
「つまりダメだったらあっちのメンバーを1人変えて再チャレンジ、ってことだよね」
「そういうことだ」
ゲンスルーが抜けさせられたら困るから、ここはなるべく一発でクリアといきたい。というか、私達ほどの実力でクリアが無理ならかなりの無理ゲーだ。
「……それでは、あいつらと組むということで全員異論はないな?」
ツェズゲラの言葉に、私達全員が頷いた。
私達は5人待っているニッケス達の元へと戻る。ツェズゲラが前に出て結論を伝えた。
「結論が出た。組もう」
「本当か……! ありがとう、じゃあさっそく作戦会議をしよう」
これにて、ようやく私達は無事
全員で座り込み……彼らが確認したスポーツを聞く。
「まず相撲、アーチェリー、テニス。ーー仕掛けては来なかったが弓も確認できたから、弓道をやる奴もいるのかもしれない。それから卓球、レスリング、腕相撲、ビリヤード、フェンシング。二度目に行った時は、縄跳びと綱引きもあったな」
す、すごい量。周りからも声が上がる。
「君達が行った時は何をやった?」
「えーっと……ボクシング、ビーチバレー、レスリング、フリースロー、ボウリング、リフティング、卓球……あ、あと相撲だ!」
ゴンが私達を代表して答えてくれた。私は最後、ボポボに相撲で挑まれて速攻負けたんだっけ。キルアが、
「ダブりは相撲、卓球、レスリングかー。この辺は確率高いよな。でもあのボポボってやつチアのこと目の敵にしてるから、相撲は確実だと思っていいぜ」
「そーだね。私としては腕相撲がいいけど……」
だって腕相撲は確定で「握手」するわけだし。どんなに向こうが力自慢でも念で負けてても、これならあっちが操作系でもない限り必ず倒せる。
「俺達が確認した念での攻撃も共有しておこう。何があるか分からないからーー各自1種目と言わず、複数考えておいてくれ」
ゲンスルーがそう言った。サブとバラと私といるときとは、全然違う態度だ。向こうも猫被ってる私を内心笑ってることだろう……。
「万が一相手が手強そうだったら、俺達の誰かが出て負けておけばいいさ。なんせ勝ち抜きはできないからな」
そう言うプーハットにハメ組のメンツが頷く。あんたはなんで初期メンに混じって着いてきてるんだと聞きたいけど今はそんな状況じゃないな。
ーーそうして私達は、各自担当するスポーツを決めたのだった。
「しかし……チア。まさか君がここにいるとはな」
「えへへ……修行で知り合いまして。まあ私はクリア報酬には関わらないのでご安心ください」
話がひと段落ついて、自然とそれぞれのチームで集まっていた時ーーなぜか私はハメ組のところにいた。
ニッケスの言葉にわざとらしく笑ってみせる。きっと、偽名まで使って何を言っているのやらと思っていることだろう。すると、さっきまで大人しく黙っていたジスパーが嬉しそうに口を開いた。
「でもチアがあんなに強かったなんて知らなかったぜ! あれはチアの能力か?」
「あれ?」
「あ〜……実は俺達な、うちのチームの能力者の手を借りて、あの酒場を監視してたんだよ。いつ客が来ても分かるようにな。そしたら予期せずチアの
プーハットが苦笑する。……どーしよ、あんないかにも性格悪そーな戦い方見られちゃった。
「でも強かったのは事実だろ? 君のことは前から強いとは思っていたが……あの男を一瞬でとはな」
「ああ……俺達はあの酒場で1人倒すだけで精一杯だったよ」
ゲンスルーがわざとらしくそう言ってーーその裏で私に携帯を手渡した。私はそれをバレないように念で操作し……こっそりと、パニエに仕込んだポケットにしまう。
ナイスだ。これで私達は隠密に会話をすることができるーー!
「あんまり強かったら可愛くないじゃないですか。だから隠してたんですけど……褒めてもらえるなら嬉しいです♡」
ところで……と私はプーハットの方を向く。
「プーハットさんはなぜこのメンバーに?」
「そりゃ決まってるだろ。生で見るためさ」
この人はハメ組の中でも結構強かな方だ。きっと、私達全員の名前をバインダーに記録しておこうぐらいは思っていたのだろう。
「古参メンバーが誰1人いないとなるとまとまらないからな。全員で来るわけにはいかなかったんだ。危険が伴う分立候補者はいないと思っていたが、彼が立候補してくれた」
アッサムが答える。へえ……確かに、ニッケスがいない今チームをまとめる初期メンが必要か。
「じゃあこれからまた、よろしくお願いしますね!」