「お兄さん、ちょっといいですか?」
「え? あ、ああ、はい」
カードショップから出てきた男の肩に手を乗せる。そのまま近くの林まで連れて行ってーー思いっきり殴った。
「カード出してよ」
倒れ込んだ男が這いずりながらなんとか逃げようとする。逃げられるわけがないのに、鈍臭い奴だ。せめてスペルカードで逃げればいいものを……。
「ちょっと!」
腹を蹴り上げると、ゴロンと表にひっくり返った。
「ひいっ!」
「バインダーは?」
「う"ぐ、ブ、ブック……」
「よしよし、ありがとう! 君名前は?」
「モ、モタリケ、です……」
「モタリケ君、バインダー見せてね」
能力発動の為にぎゅっと抱きしめる。肉体と精神の鎮痛、両方をオン。これなら絶対に逃げる心配はない。
そのまま彼のバインダーを漁ると、ランクは低いがいくつかの指定ポケットカードとーー
「あれ……モタリケ君ってここに住んでるの?」
「は、ハイ……! 妻がいて……優しくて可愛いんですよ」
「へ〜! いいね、結婚してるんだ」
私はコッソリポケットから携帯を取り出した。
「ねえ」
「……?」
ちゅ。
それと同時にパシャリと写真を撮る。口を離して、精神の鎮痛だけ解いてやった。
「あ……ぁ、ああ……!」
「バッチリちゅ〜してるの写っちゃってるね! 結婚してる男の人が他の女とキスだなんて……いいのかな? これ、奥さんが見ちゃったら……どう思うだろうね」
モタリケ君がわなわなと震える。
「こればら撒かれたくなかったら……さ、協力してよ」
しばらくプレイヤー狩りを続けて、並行して奴隷集めをしていた時。
「ゲンスルーだ。あいつらの爆弾が作動したよ。あと1時間前後で交渉だから、お前もシソの木前に来ておけ。それと……そっちはどうだ?」
「うん、私がここでプレイヤー狩りしてるって情報が流れて、カードショップには誰も寄り付かないよ。奴隷も5人ゲット! カード自体は大した収穫が得られなかったけど……あ、
「そうか。そいつらはどうやって保管してる?」
「1人は写真使って脅してる。でも全員マサドラ付近で『プレイヤー狩りがいる』って伝える役割をしてもらってるよ。……もし私が
「ハハ……抜かりないな。じゃ、そろそろ切るぞ」
「うん。頑張ってね!」
ちなみに、私がプレイヤー狩りをしているのには理由がある。
ゲンスルー達がハメ組を一斉爆破させれば、彼らが集めていたスペルカードは全て消滅ーーつまりカード化限度枚数に空きが出る。
そこを突いてカードショップでカードを購入すれば、普段よりレアカードが入手しやすいという算段だ。それも、
狙いは
指輪での取引は現実世界で行われるから、フリーポケットに入れる
ゲンスルーは初期メンバーだから既に指定ポケットカードを9枚持ってて、
シャッフルガード法をするには私達は全員持っているカードが貴重すぎる。フルポケットガード法をするには、フリーポケットがスペルカードでいっぱいだし……。とにかく、彼らには頑張ってもらおう。
「さて……私も行くかな」
バインダーを開く。
「