「じゃあお金は本当に明日でいいんだね?」
「うん。俺は勉強になったからいらないぐらいだけど……」
「なーに言ってんのよもらえるだけもらうわよ! じゃあチア、明日の4時頃にマサドラで集合ね」
「はーい」
手を振って帰ろうとした時、キルアに呼び止められた。
「なあ、お前どこに帰んの?」
どこって、と聞き返す。
「家というか、拠点というか、なんかあるのか?」
「家があるよ」
「ハァ!? アンタあたしらと同時期に入ったわよね? どーしてそんな金持ってんのよ!」
興奮するビスケをまあまあ、とゴンが宥める。家主を殺して奪ったからとは言えるまい。
「あそこのチーム……キルア曰く『ハメ組』だっけ? にいる時にさ、このゲームにはクリアを投げて生活している人間がいるって聞いたの。それをコツコツ当たって、
「へー、そういうこともできるんだ。チアはそこで暮らしてるの?」
「そうだよ。だからわざわざ宿を取らなくてもお風呂に入れるし、ふかふかのベッドで寝れるし、外敵に襲われる心配もナシ! 今度泊まりに来てもいいよ」
「どの辺に住んでるのよ?」
「アイアイ」
「アイアイっつったら……まだ行ったことないな」
あそこは恋愛都市だから、必然的にキャラクターと結婚して家を構えるプレイヤーが多くなる。街を歩くだけでイケメンに絡まれたり美少女にぶつかるイベントが発生するのだけ面倒だけど。
「ま、今度気が向いたら来てよ。じゃあまた明日!」
「またね!」
3人に軽く手を振る。ブックと唱えてバインダーを出した。
「
またかしましい街に戻ってきた。ふうっと一息吐いてからバインダーをしまう。
さて、家に帰るか。
強制的に発生する恋愛イベントを無視して帰路につく。カップルだらけの甘い空気にうんざりしながらとぼとぼ歩いていると、見覚えのある顔を見つけた。
ゲンスルー……!
ハメ組(って今後呼ぶことにしよう)の初期メンバーで、すらっとした長身にメガネが特徴的な男だ。見れば、見覚えのない男二人と会話している。
ゲンスルーと彼ら二人の関係は分からないが、ルックスと態度からしてその二人の方は密接な関係のようだ。ハメ組にはいなかった連中……。もしかして、本当の仲間?
オーラを消すのもわざとらしいから、こっそり人に紛れてすれ違う。どうやら気付いていないようだ。私はすれ違うとそそくさと路地裏に隠れ、横目に彼らを観察しながら
ふむ……サブとバラか。
誰なのか、どんな目的なのかも分からないがーー私の勘が今動けと言っているのだ。まずはサブの指定ポケットを見させてもらうとしよう。
ボタンを押して「サブ」という名前で決定する。指定ポケットガードは……ない。ゼロ。
次はバラだ。こちらも指定ポケットのカードはゼロ……! 奴ら、新規で加入したハメ組ではない……。別の目的で来ている……?
「そこで何をしている?」