美しくあるために   作:ゲボ

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爆弾魔

 低い声が響く。振り向くと、ゲンスルーと男二人ーーサブとバラだろうーーがいた。

 しまった、夢中になって気配を確認していなかった!

「君はチアか……。ゲームクリアは諦めたと聞いたが、まだここにいるのか? 君の戦闘力で、まさか出られないとは言うまい」

 雰囲気が違う。ビリビリとした緊張感を肌に感じる。

「修行ですよ。ここは環境がいいので。ゲンスルーさんこそ、お二人はご友人ですか? ()()()ではないようですけど」

「ホォ……こいつらの指定ポケットを確認したな? そうだ、あの仲間じゃない、()()()()()だよ」

 ザ、と二人が前に出る。やはり、彼らがーー

爆弾魔(ボマー)なんでしょう?」

 ゲンスルーがこちらに伸ばしかけた手を止める。

「どこでそれを知った?」

「やだなぁ、知ったも何も、ただの勘ですよ。ここではあなただけが、私の握手を断った。あなたが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だからこそ、同じタイプを警戒した……」

「御名答。そうだ、俺たちが爆弾魔(ボマー)だ」

「たち?」

「ああ。横にいるサブとバラ、3人合わせてな」

 だからあれほど広範囲、不規則に殺戮を繰り広げられているという訳か。

「俺の能力命の音(カウントダウン)は、対象に触れてあるキーワードを言うことで爆弾を仕掛けることができる。爆弾はタイマー式で時間がくれば爆発する。これを解除する為には、俺に触れて『爆弾魔(ボマー)捕まえた』と言わなければならない……!」

 二人が私の後ろに回る。私は気付きながら止めはしなかった。絶対絶命ではないからだ。こいつらに取り入れば、ハメ組のカードを総取りする大きなチャンスができる……!

「分かってますよ。キーワードは『爆弾魔(ボマー)』、でしょう? おかしいんですよ、そんなに神経質そうなのにボディタッチが多くてーー警戒心を薄くさせて爆弾を設置しやすくさせる作戦ですね。5年もかけたらそりゃあ仲間だと思うでしょう」

「ハハハ! 話が早いな。そうだ、俺は対象に爆弾魔(ボマー)と言いながら触れることで爆弾を設置できる……。ちなみに対象の前で能力を説明するのも発動条件だ」

 これで条件は整った、と……。

 上等だ。これぐらい強くなきゃ、仲間にはできない。なんてったって恐らく壁になるのはツェズゲラ組と、あのビスケと言う少女。ツェズゲラは、戦闘能力だけなら恐らく私が上。しかし実戦となると経験の差で私は負けるだろう。

 ビスケはあの強さだ、一人で勝てるわけがない。ーー他の組はあまり強くなさそうだしーー強くてもゲームクリアを目指さない奴らならカチ合わないんだから、問題ナシだ。

「私をここで殺せば自分たちの正体を知っている人間を消せる。そう思っているんでしょうけど、無駄ですよ。あなた達に私は倒せない」

「ハッタリだな」

「ええ、ハッタリです。でも“倒せない”のは事実ーー!」

 要は死ななければいいのだ。この能力と発動条件が知れ渡れば、ゲンスルーはこの先格段に動きにくくなるだろう。

「現在私のフリーポケットは移動系スペルでいっぱいです。もちろんリーブも。私があなた達3人を倒せないまでも、ただ野垂れ死ぬようなタマじゃないことぐらい分かりますよね?」

「ほう、それで?」

「組みましょう」

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