低い声が響く。振り向くと、ゲンスルーと男二人ーーサブとバラだろうーーがいた。
しまった、夢中になって気配を確認していなかった!
「君はチアか……。ゲームクリアは諦めたと聞いたが、まだここにいるのか? 君の戦闘力で、まさか出られないとは言うまい」
雰囲気が違う。ビリビリとした緊張感を肌に感じる。
「修行ですよ。ここは環境がいいので。ゲンスルーさんこそ、お二人はご友人ですか?
「ホォ……こいつらの指定ポケットを確認したな? そうだ、あの仲間じゃない、
ザ、と二人が前に出る。やはり、彼らがーー
「
ゲンスルーがこちらに伸ばしかけた手を止める。
「どこでそれを知った?」
「やだなぁ、知ったも何も、ただの勘ですよ。ここではあなただけが、私の握手を断った。あなたが
「御名答。そうだ、俺たちが
「たち?」
「ああ。横にいるサブとバラ、3人合わせてな」
だからあれほど広範囲、不規則に殺戮を繰り広げられているという訳か。
「俺の能力
二人が私の後ろに回る。私は気付きながら止めはしなかった。絶対絶命ではないからだ。こいつらに取り入れば、ハメ組のカードを総取りする大きなチャンスができる……!
「分かってますよ。キーワードは『
「ハハハ! 話が早いな。そうだ、俺は対象に
これで条件は整った、と……。
上等だ。これぐらい強くなきゃ、仲間にはできない。なんてったって恐らく壁になるのはツェズゲラ組と、あのビスケと言う少女。ツェズゲラは、戦闘能力だけなら恐らく私が上。しかし実戦となると経験の差で私は負けるだろう。
ビスケはあの強さだ、一人で勝てるわけがない。ーー他の組はあまり強くなさそうだしーー強くてもゲームクリアを目指さない奴らならカチ合わないんだから、問題ナシだ。
「私をここで殺せば自分たちの正体を知っている人間を消せる。そう思っているんでしょうけど、無駄ですよ。あなた達に私は倒せない」
「ハッタリだな」
「ええ、ハッタリです。でも“倒せない”のは事実ーー!」
要は死ななければいいのだ。この能力と発動条件が知れ渡れば、ゲンスルーはこの先格段に動きにくくなるだろう。
「現在私のフリーポケットは移動系スペルでいっぱいです。もちろんリーブも。私があなた達3人を倒せないまでも、ただ野垂れ死ぬようなタマじゃないことぐらい分かりますよね?」
「ほう、それで?」
「組みましょう」