「ハハハ……アッハハハハ! いいだろう……面白い。ーーできるもんならなァ!」
来ると思った!
前からゲンスルーの手、後ろからサブとバラ。こういう時ロリータって言うのはフリフリしてて便利だ。ひらりとケープを外し、相手の視界を悪くする。
二人の攻撃をかわしてゲンスルーに詰め寄りーーそして手を突き出した。
「ハ……ッ、当たってねえよ!」
「そうかな?」
ゲンスルーの顔が赤く染まる。
「な……、血ッ!?」
入った!
ガクリとゲンスルーは前に倒れる。さて、残るは二人!
「こいつ……自分の血を……!」
「そう、私の話から触れることに気を取られすぎたね……。リーダーはこんなんになっちゃったけど、君たちはどうかな?」
ぐ、と二人は動きを止めた。私から距離を取っているのだ。
ーーそう、最初から戦闘になることは分かりきっていた。だから私は自分のポケットから注射針を取り出し、念で操作し服の中を移動させ、手の甲に刺していた。針の尻側を念で抑えて、血を止めたまま彼らとの話を進める。あとは戦闘に入ったら、念で思いっきり血を噴射するだけ!
私の体液が相手の体内に入れば、能力が発動ーー! 1時間は安泰と言うわけだ。メガネをかけていた分粘膜の露出が少ないから、ゲンスルーの口にちょうど入ってくれて助かった。
「この技はもう使えないね」
「どう、続ける?」
「当たり前だッ……!」
ロン毛の方が蹴りを入れてくる。流石に念でガードしても重い。
「サブ!」
続けて短髪の方が蹴りをーーどうやら皮膚の接触を避けているらしい。しかしそんなものに意味があるかな?
「いたっ、血が出ちゃった」
首に蹴りがかすって血が滲む。これすらも牽制材料だ。
「ガキがッ!」
後ろ手に取ったであろう缶が私目掛けて飛んでくる。
ひゅっと避けると、その脇を縫ってバラが私の奥に抜けた。
「バラ! そのままゲンを連れてけ!」
「分かって……る……!?」
ゲンスルーを引きずって数メートル進んだ先でバラが倒れた。
「な……ッ!?」
「ダメダメ、血がついた針の扱いには気をつけなきゃ……うっかり刺さったら感染症になっちゃうよ」
「お前……操作系か!」
サブの目の前に針をひょいと浮かせて見せる。
「油断したね。最後は君だ」
「は……」
倒れ込むサブを抱えてあげて、第一段階は完了。
「こっちはニセモノ、本物は君の首の後ろ。針は2本あったんだよ」
サブの首筋に刺さった針を抜いてあげる。そのままゲンスルーとバラのところに持って行って、自分のバインダーを開いた。
「お……前……、なにをするつもりだ……?」
「協力の準備。殺さないから安心してよ。……ていうか、殺せないし」
あくまで私ができるのは無力化だけ。殺せないこともないけど、オーラで抵抗されては骨が折れる。
「
到着したのは、私の家の中。リビングには言いつけ通りビクテムがいて、私を見つけて近寄ってくる。
「チア、どうしたんだそいつら」
「ちょっとね。それより、バインダー出して」
あらかじめ彼のバインダーに入れておいた拘束具を出して、ゲンスルー達を拘束する。
「……これが協力の準備か?」
「もちろん。あ、すぐ戻ってくるからちょっとだけ待っててね」
私はビクテムに
「じゃあ、また後で。
「ただいま。あっ、よかった〜、まだいた」
「いたもなにも、お前が拘束してったんだろ。能力までかけられて……そう簡単に外せるか」
悪態を無視しながら床に横たわる3人の拘束を解く。それでもぎこちなくしか動けないみたいだけど。
「じゃあ最初のお願い。バインダー出して、私の名前確認してみて」
「は? んなもんするわけ……」
鎮痛を解いてあげると、3人共ちゃんと起き上がった。
「言ったでしょ? 私と組んで欲しいの。成功報酬はカード枠一枚だけ、金は取らないし、私にはあなた達と同等の戦闘能力があるーーどう、取引としては破格じゃない?」
「……ブック」
そして何より、今生殺与奪の権を握られているのはそっちだ。力尽くで逃げられないなら従うしかない。