機動戦士Gundam GQuuuuuuX 01ガンダム戦記 作:普段は読む人⊂( ・ω・ )⊃
咄嗟に受身を取り、頭を手で保護する。
テム・レイ大尉も同様に受身を取っていたが、俺は咄嗟の判断で大尉を机の下へ放り込み、扉へと走った。
ノブに手を掛け、力を込めて開け放つ。
幸運にも歪んではいなかったようで、無事に脱出路を確保できた。
「一体、なにが」
「分かりません。ですが」
地震でもないというのに、こんなに揺れるなんて普通はありえない。考えられるのは……恐らくは敵襲。
オマケにこの時期にこの場所だ。十中八九赤い彗星が関わっていると見ていいだろう。
「クッ!」
「少尉、どこへ行くんだ!?」
「格納庫です!大尉は安全なところへ!」
クソっ!油断してた!
己の間抜けさに苛立ちを募らせながら、足を踏み出そうとした。その時だった。
「待て!」
テム・レイ大尉に呼び止められ、何事かと振り向く。
すると、こちらを見ていた大尉からなにかが投げ渡された。
これは……
「持って行け、役に立つ筈だ!」
それは、先程テム・レイ大尉から託された増設ハードメモリだった。
「っ!感謝します!」
ハードメモリを胸に抱き、格納庫への道を急ぐ。
道中、様々な場所で崩落が発生していたり、火災が生じており、中々前には進めむことができなかった。
それに加えて、なんらかの破壊活動まで行われているのか、何度か繰り返し大きな揺れも感じられ、それが余計に焦りを募らせた。
早く、早くしなければ…!
原作において、プロトタイプガンダムは出撃すらできずに破壊され、スーパーナパームによって焼却処分されるという憂き目に合っている。
……つまるところ、今こうして時間を取られている間にも、その時が刻一刻と近付いているかもしれないのだ。
「こんなことをしてる場合じゃないのに…!グッ」
噴き出した火の手に再び行く手を阻まれ、思わず唇を噛む。
どうする?ここを通らなければ、かなりの迂回を強いられる。
だが、この火の手の中を進むのは……
轟々と燃え盛る炎は狭い廊下を埋めつくしており、人が通れそうな隙間などは到底見受けられない。
けれど、ここを通らず迂回するという選択肢はもう取れない。
そんな時間を取れる余裕はもう存在しない。
……やるしかないか。
着ていたジャケットを脱いで頭から被り、前を閉める。
そして左手で口元を覆った。
「フッ、フッ、フッ、フッ、フッ!」
体を上下させながら荒い呼吸を繰り返し、炎を見据える。
見極めろ。タイミングだ、タイミングを見極めるんだ。
呼吸の中で炎を睨め付け、その時を待つ。
そして、揺らめいた炎に僅かな隙間ができたその時、
「男は度胸!」
俺は体制を低くし、炎へと突っ込んだ。
「――っ、ぁぁぁ…!」
炎を潜り抜け、床へと倒れ込む。
その時間はたった一瞬だった。されど、その一瞬は俺の体力を大きく削った。
全身を貫く熱さに顔が歪んだ。
瞬間的に止められた息が苦しさを呼んだ。
……だが、俺は生きている。
そうだ、俺は生きてるんだ。なら、まだッ!
手を付いて立ち上がり、再び駆け出す。
火傷をおった身体に鞭を打ち、格納庫への道を走破。
襲撃で故障してしまったのか、開きっぱなしの隔壁を通り抜け格納庫へと入り込む。
「よかった…無事だったか」
ハンガーに固定されたままの愛機の姿に、安堵の息を吐く。
……っと、急がなきゃな。
動かないエレベーターを無視して階段を駆け上がり、キャットウォークを伝ってコクピットへと潜り込む。
若干慌てつつも、あくまでも冷静にジェネレーターを始動させ、各種システムをオンラインに切り替えて行く。
そして、テム・レイ大尉から渡されたハードメモリを取り付けようと手を伸ばした――ついその時、司令部からの通信が繋がる。
『聞こえるか!?少尉!』
「准将!いったいなにが!?」
モニターに映ったのは准将だった。
常の冷静沈着が嘘かのように、焦りの感情を発露させる姿に、嫌な予感がどんどんと膨れ上がって行く。
『非常事態だ!よく聞け、少尉――』
非常事態。やはり赤い彗星率いる部隊の強襲か!
ハードメモリを握る手に力が入ったその時、思いがけない言葉が耳に飛び込んできた。
『――2号機が、ガンダムが奪取されたっ!』
「な、なんですって!?」
えええええええええええええ!?!?!?!?
『少尉!可及的速やかに出撃するんだ!目的はガンダムの奪還、或いは破壊だ!絶対にジオンの手には渡すな!』
「わ、分かりました…!」
う、ウソだろ!?ガンダムパクられたとかマジかよ!?
ど、どうなってるんだ……?てかアムロは何してるんだオイ!お前の機体だろ!
空いた口が塞がらないとはまさにこの事。
予想の斜め上を行く現実の厳しさにショック死しそうだった。
「と、とにかく、やるしかない…!」
震える手を意志の力で押さえ付け、操縦桿を握り締める。
衝撃の事実にテム・レイ大尉謹製のハードメモリがどこかへ行ってしまったが……今はそんなことよりガンダムだ。急がなくては!
「01ガンダム、行きます!」
side:C
連邦の新型――ガンダムを奪取し、迎撃に出たのであろう砲撃タイプの撃破にも成功した。
これがこのMSの力か。
どうやら今日の私は、ついているようだな。
だが、情報が正しければ、
『連邦のやつら、なんてMSを作ったんだ……』
「デニム」
『はっ、なんでございましょうか。少佐』
「用ができた。付き合ってくれ」
『は?』
「我々が掴んだV作戦の情報が正しければ、例の母艦もここにある筈だ。それを頂くぞ」
『なっ、しょ、少佐!?本気でございますか!?』
驚愕で声が裏返りそうになっている部下に向けて、不敵に頷く。
あぁ、そうさ。本気だとも。
「では行くぞ。援護してくれ」
『はぁ…了解』
――そして、我々は見事に新造戦艦の鹵獲に成功した。
部下達の手によって、少しずつコロニーの出口へと進路を取る純白の戦艦。
なんでもメインブリッジを破壊してしまったことで、操舵系に一部ロックがかかったらしく、サブブリッジに入った部下に小言を言われた。
小言に対し、コロニーから出れさえすれば、後はファルメルに牽引させればいいだろうと返せば、大変微妙な表情をされたものだ。
まぁ君達の気持ちも分かるがね。……だが、必要なものでね。私には。
復讐への道筋を組み立て、思考の海に身を沈めていた最中。
私の勘が、なにかを告げた。
「来るか」
すかさずガンダムのメインカメラを向け、ビームサーベルの柄に手を掛ける。
『少佐?』
デニムに声を掛けようとした瞬間、倒壊していた建物が砕け飛び、土煙の中から1機のMSが姿を現す。
このガンダムと同様の細くスリムなボディに、先程倒した砲撃タイプと似たセンサーマスクに覆われた頭部。
機体各部は黒く塗装されており、白ベースのこの機体とはどこか対象的な印象を抱かせる。
「あれは、……む」
システムが瞬時に対面する機体を照合し、一致したデータをモニターに表示した。
そこに書かれていたのは……
「RX-78-01。01ガンダムか」
このガンダムの兄弟機にして、1号機を示す01のナンバリングがされた機体。
「ふむ。少々物足りないと思っていたところだ。お相手願おうかな?01ガンダム」
私の声は聞こえていないだろうが、相手もなにかを感じたのか、背部ランドセルのビームサーベルへと手を伸ばした。
私のガンダムも同様に手を掛けていたビームサーベルを抜刀し、その切っ先を01ガンダムに向ける。
『しょ、少佐…こいつは!?』
「手を出すなよ。お前達は艦を守れ」
『わ、わかりました』
横目に下がって行くザクを確認し、再び視線を01ガンダムに向ける。
……動きは無い。どうやら私を警戒しているらしい。
「本当にそれでいいのかね?」
このまま手をこまねいて居れば、君の敗北は決定するぞ?
……。まだ、動きは無い。
思ったよりも冷静な相手のようだ。
このまま膠着状態が維持されるかと思った、まさにその時、
「来るか…!」
瞬間的に抜刀したビームサーベルを手に、コロニーの大地を蹴る01ガンダム。
こちらもどの角度から振るわれても対応できるように、ビームサーベルの角度を変える。
これがフリなどとは端から考えていない。
君の目的は
「始めようか、01ガンダム!」
Q:これで勝つる!とガッツポーズしていた所に、ガンダム強奪の報を受けた主人公の心境
A:オレノシルモノガタリハボドボドダッ!