機動戦士Gundam GQuuuuuuX 01ガンダム戦記   作:普段は読む人⊂( ・ω・ )⊃

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すっごい今更なのですが、主人公はジークアクスを知りません。


黒と白の乱舞

ガンダムへ向けて01ガンダムを疾走させる。

 

「うぉぉぉぉ!!」

 

そのまま縦上段の振り下ろし……と見せ掛けたフェイントは、ガンダムのビームサーベルに受け止められた。

鍔迫り合いには持ち込まず、頭部バルカンの斉射を警戒しバックステップ。

 

スラスターから火を吹かし、膝をバネに再びガンダムへ向かう。

そして引き絞った拳をガンダムの胸部に向け、放つ。

 

「こいつ…!」

 

放った拳は無手の左手に受け止められ、反撃のビームサーベルが振るわれる。

瞬時にこちらもビームサーベルを割り込ませ、ビームの閃光が2機のガンダムを照らす。

 

……悔しいが、こいつ、強い!

近接格闘では相手が上手、無闇に攻め込むのは得策じゃない。

 

「っ、しまった!バルカンが!?」

 

この01ガンダムには搭載されていないが、2号機であるRX-78-02には頭部バルカンが載せられている。

 

この距離では被弾は免れんか…!

 

衝撃に備え、離脱ルートを頭の中で構築するが、ガンダムにバルカンを放つ様子は見られない。

 

出し惜しみ…?いや、このパイロットがそれをするとは思えない。

相手は紛れもなくエース、判断を誤るとは思えない。

となると……弾切れか!

 

「なら、まだやりようはある!」

 

膠着状態を脱するべく、左足のパワーを一時的に抜き、わざと体勢を崩す。

急速に左側に倒れる機体に、こちらの左手を掴んだガンダムも引っ張られ、堪らずといった様子で手が離される。

 

ガンダムのサーベルが地に突き刺さり、土を高速で熱する光景を目にしながら、スラスターを吹かし空を翔ける。

そのまま上下を反転させ、勢いを付けた一撃を放とうとするも……火傷の痛みが操縦を鈍らせる。

 

「ゔ、チッ!」

 

落下の軌道を逸らし、やむを得ず着地。

 

くそっ、こんな時に…!!

 

痛みを訴える手を殴りつけ、無理矢理黙らせる。

……しかし、こんなことをしたところで所詮は焼け石に水。火傷なら尚更だ。

 

「こんな状態でやつとやり合っても……」

 

再び飛び上がり、スラスター出力を全開に宙を舞う。

 

悔しいが、今の俺では無理らしい。

やつのガンダムとマトモにやり合っても、精々が時間を取られるだけだ。負けはしなくとも、勝てもしないだろう。

ならひとまず今は……

 

「その(ペガサス)、返してもらうぞ!」

 

あれにはガンダムの弾薬や専用武装が搭載されている。もし持ってかれて使われでもしたら最悪だ。

 

なんてしてでも奪還せねば!

だが、かといって……

 

「見逃してはくれないよな!」

 

背後には追い縋るガンダム。

機動性は互角、引き離せない。

 

いいや構うか!むしろ好都合!

 

ポジティブに考えろ。

ガンダムとの戦闘にペガサスを巻き込んでしまえばいいんだ。

エンジンを壊せば航行能力は失われる。流石に動かない艦を持って行きはしないだろう。

 

ここはまだコロニー内。外へ出さなければ、まだチャンスはある…!

 

「っ!」

 

視界の先にマズルフラッシュが迸り、無数の弾丸が01ガンダムに迫る。

咄嗟に回避行動を取るが、避けきれずに被弾してしまった。

 

衝撃にコクピットが揺れる。

 

「チッ、……ザクか!」

 

モニターに映る景色が急速に流れて行く中、垣間見えたのは緑のボディにモノアイの機体。

 

4本の手足全てを地面に付いて、勢いを殺していく。

勢いが弱まってきたところでスラスターを全開にし、地面スレスレを飛びながら再びペガサスへ向かう。

 

「クソッ!」

 

――が、追い付いたガンダムによって阻まれる。

強烈なキックが放たれ、機体が大きく仰け反った。

 

衝撃に喘ぐ中、サブカメラにビームサーベルを振り下ろすガンダムが映り、咄嗟にビームサーベルを握る右腕を掴んだ。

金属が軋む音が響く。

 

この斬撃を受ける訳には行かない。

冷や汗をかいたその時、カタンという音とともに一つの機械が転がり落ちて来た。

 

「っ!これがあれば!」

 

それは、出撃前に託されたテム・レイ大尉謹製のハードメモリ。

まさしく、切り札だった。

 

「この!」

 

足を払って即座に手を離し、スラスターの勢いでその場から逃げ出す。

そして、稼げた僅かな時間の中、コクピット内のソケットにハードメモリを差し込んだ。

 

「頼む…!」

 

もしこの装置が正常に動作しなければ、俺は終わりだ。

だが、それすらも見込んで賭けに挑んだのだ。

 

ガンダムと、その開発者たるテム・レイ大尉ならば――!

 

数時間にも感じられる数秒の後、モニターに映る画面がブレた。

 

「あっ」

 

まさか、賭けに負けたのか?

そんな、そんな筈は……

血の気が引いていくのを実感していると、ブレたモニターがすぐさま元の状態に戻り、正常に稼働し始める。

 

「ハッ!」

 

理解が追いつかず呆然と見つめていたが、迫る大地に対応を余儀なくされる。

 

「なっ!?」

 

変化は歴然だった。

着地しようとした瞬間、01ガンダムはこれまでにないレスポンスを返し、動いた。

 

「けど、ちょっと敏感だな!」

 

ポケ戦に登場したアレックスはこれの比じゃないんだろうが……。想像もしたくない。

 

だが、こいつは幸いにもなんとか御しきれる範囲にいる。

癖さえ分かれば、なんとかなるだろう。

 

「とにかく、だ!」

 

メインカメラを着地後の隙を突きに来たのであろうガンダムに向け、ランドセルから再度抜刀した、2本目のビームサーベルを突き付ける。

 

……2本目。そう、2本目だ。

1本目はさっき取り落としてしまった。故に使えない。

回収できれば話は別だが……そんな隙を与えてくれるとは思えないな。

 

青の筈のツインアイを赤く輝かせるガンダム。

アニメに登場した姿とは異なる――恐らくは現実準拠なのだろう――フェイスも相まって、まるで悪魔のようにも見えた。

 

「連邦の白い悪魔ならぬ、ジオンの白い悪魔ってか」

 

だとすれば凄い皮肉だな。

 

目線を動かし、立ち塞がるガンダムの向こうに浮かぶペガサスを視界に収める。

 

「ガンダムを避けて先にザクをやるか?」

 

ペガサスの直掩の如く、護衛に着いているザク。

あれを倒さない限りはペガサスには近付けない。

 

こちらの武装は今装備しているビームサーベルが1本。

それ以外は軒並みあの(ペガサス)中だ。

……せめてガンダムハンマーがあれば。

 

思考を回していた俺だったが、飛び上がったガンダムの動きに迎撃を余儀なくされる。

跳躍の勢いがついている以上、あの斬撃を受け止めるのも簡単では無い。

 

横に転がりその場を脱し、即座に立ち上がる。

 

「くっ」

 

直後、衝撃が大地を遅い、土煙が舞う。

周囲が覆い尽くされ、一時的に視界を失った。

 

……、っ!

 

煙の奥で光を放つそれ(・・)が見えた途端、俺はビームサーベルを機体胸部前に移動させ、身構えた。

 

「こンの!」

 

そして予想通りに振るわれたビームサーベルが、01ガンダムの握るビームサーベルによって受け止められ、閃光が迸り激しい火花を散らす。

 

「ォオ!」

 

機体全体の重みを乗せ、押し返す。

踏みとどまれず僅かに吹っ飛んだガンダム。

その頭部を切り落とさんと、首部を狙いビームサーベルを横に薙ぐ。

 

「ぐぉっ!?」

 

……しかし相手の優勢は崩せない。

急速に機体を屈め、強烈なタックルを繰り出すガンダムに、今度は逆に01ガンダムが吹き飛ばされる。

 

勢いよく転がる機体を、ビームサーベルを地面に突き立てることで止め、すぐさま体勢を整えた。

メインカメラを動かし、ガンダムを探す。

 

……いない?いや違う、上か!

 

「うぐ!?」

 

振るわれる斬撃を上半身を逸らすことで回避。

そのままガンダムの背後を取り、手首を回しスナップを効かせたビームサーベルの一突きでコクピットを狙う。

 

「そう上手くは行かな――はっ?」

 

だが、まるで予測済とでも言うかのように回避され、ビームサーベルが空を切った。……切ったのはいいのだが、その動きが異常だった。

 

なにせ……

 

ガンダムで前転!?MSで体操なんてすんなよ!

……分かっちゃいたが、もう機体をモノしてるのか!

 

「なにぃ!?」

 

それもただ避けるだけでなく、前転の勢いで踏みしめた大地から勢いよく飛び上がり、バク宙からの追撃を行ってきたのだ。

 

「クァッ!」

 

凄まじい勢いの足蹴りを胸部に受け、コクピットが揺れる。

背中から倒れ込みそうになるのをスラスターの噴射で堪え、なんとか踏み留まる。

 

「ヌッ!?」

 

しかし、相手からすればこの上ない隙だったのだろう。

気付けば、接近するビームサーベルがモニターに大写しになっており、死がすぐ側まで近付いていた。

 

「――」

 

が、ここで考えるよりも早くに繰り出したヤクザキックが炸裂し、一時的にだが、ガンダムを後退させることに成功した。

 

……右肩の装甲が少し溶けたか。だが稼働には問題無さそうだな。

 

「はぁっはっはっはぁ…!」

 

荒い呼吸の中、徐々に出口へと近付きつつあるペガサスに焦りが募る。

今からエンジンにビームサーベルを突き立てれば止められるだろうが、それを許してくれるガンダムではないだろう。

 

……なにせ、相手は一度後退しただけ。

体勢を整えればすぐにでも向かってくるだろう。

 

「ええい!ザクだけなら簡単だったと言うのに!」

 

思わず口から悪態が漏れる。

でも許して欲しい。こんなクソみたいな状況なんだ、愚痴の一つや二つ出てしまう。

 

Fワードまで口にしかけたが……視界の端、煙に紛れユラァ…と立ち上がる影に唾を飲み込む。

 

……やはり、戻ってきたか。ガンダム。

 

分かってはいたが嘆きたくなってしまう。

 

既に当初の目的であった奪還は不可能と断じ、ならばと破壊を試みるもそれもまた難しい。

それに加えて、母艦であるペガサスまでもが奪われようとしているのだ。

 

……嗚呼、ダメだ。せっかくアドレナリンの過剰分泌で痛みを無視してたってのに、現実を直視なんてしたら……

 

「ッア"!っぱこうなるよなぁ」

 

これを地獄と言わずしてなんと言えばいいのか……多分今の俺は死んだ魚の目をしていると思う。




容量が増えたことで、情報の伝達がより円滑になり、それがレスポンスの向上に繋がったという設定です。
マグネットコーティング等には及びませんが、集中が切れてきても真っ二つにされないくらいには性能が上がります。

※三毛猫様誤字報告ありがとうございますm(*_ _)m
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