その名に宿るは嘘か未来か 作:アトランティスの観測者(自称)
Tips : 装備
ユイロの装備は全て腰回りに集約されている。
右のホルスターにリボルバー、左のホルスターにハンドキャノン。 そして右後ろには、スカートに二本の鎖が繋がれており、その先に仮面が一つずつぶら下がっている。
これらはコートの内側に装備されている。
左後ろに特殊警棒。 これはコートの外側に装備されている。
「戻ったわ」
「あらユイロ、お帰りなさい。 ・・・その生徒は?」
「Memento moriの裏事情に気付いちゃった賢いコ。 口封じのために連れてきたの」
Memento moriに帰還し、デスクでエリドゥでの計画を進めるリオに帰りの挨拶を済ます。
「とりあえず治療を───」
「ユイロ~!」
「うぐっ」
ひとまずスズミの傷を治療してもらおうとしたら、突っ込んできたアリスが勢いよく抱きついてきて発言がキャンセルされる。
「ユイロユイロ、聞いてください! 私アリス、なんと、ついに一人で任務を完遂することができました!!」
「・・・! 本当に!? それは凄いことだわ、お祝いしなくちゃ! アリスも成長したわね~、よしよし」
「えへへ~♪」
スズミをソファに投げ捨・・・少し乱雑な方法で移動させ、アリスの頭を撫でると、満面の笑みで甘えてくる。
かわいい。
「・・・相変わらず、アリスには甘いわね」
「えぇ、自覚はあるわよ。 別にいいじゃない。 ・・・こんなに可愛いんだもの」
やれやれとリオが窘めてくるも、ワタシは素知らぬ顔をしてアリスを愛で続ける。
さて、何故Memento moriにアリスとリオがいるのか、話は数ヶ月前に遡る。
「・・・廃墟に来たはいいけれど、場所がわからんわね」
まずは状況を整理しよう。
道 に 迷 っ た 。
連邦生徒会の警備を黒服の助けを経て潜り抜け、ロボットを軽くスクラップにしながら目的地である工場を探して廃墟を練り歩く。
廃墟は想像していたより広く、このだだっ広い敷地から工場を探すとなると苦労するだろう。
おかしい、俺が知る廃墟だと、モモイがしくじってロボに見つかった時には工場を発見していたのに。
こんなの僕のデータにないぞ!?
「・・・なんて、おふざけは置いておい、て!」
『ガガ・・・』
「───ヘッショ一発、脆いわね」
機械回路が停止する音と共に、一体のロボが地に倒れる。
「アンタも、そうは思わない?」
『ガガ、ガ・・・』
地に転がる鉄屑を見下ろしながら、ノールックで背後に立つオートマタの頭部をリボルバーで撃ち抜く。
「内部の警備は大したことないわね。 数は多いけど、一撃で壊れる脆弱な機械人形じゃワタシは止められないわ。 ・・・そうだ、警備の厳重な方へ向かいましょうか。 きっと、そこに探し人が眠ってるハズだ」
さて、何故俺がアリスを探しているのか。
いや、正確に言うなら、アリス or ケイのどちらかを求めて廃墟をうろついているというべきなのだが。
理由は幾つかある。
一つ、リオとの交渉材料として使える手札になる。
二つ、どちらがワタシの手中に納まっても、ケイが人と触れ合う機会を設けられる。
三つ、名もなき神々の王女の持つチカラは必ずどこかで役に立つ。
四つ、そもそも俺は世界の命運をヒトに委ねるなんて無責任なことをしたくない。 ゆえに、先生がストーリーを紡ぐのをアシストしつつ見届けるだなんてツマラナイことをしたくない。
「ただハッピーエンドを迎えたいだけなら、沢山あるバッドエンドフラグに対処しつつ先生のサポートを影からしてればそれでいい・・・。 けれど、それじゃ確実とは言えないわ」
そういうワケで、先生が来るまで適当に時間を潰してるだなんてのは無意味かつ空虚である。
タイム・イズ・マネー。 普通にブルーアーカイブのストーリーを伴にするだけなら先生が来る前に転生する必要などないのだ。 それより前にキヴォトスにいる、ならば俺が独断で動こうが俺の勝手である。
もっとも、俺の行動が起因で世界が危機に陥ったりしたら、その時はちゃんと後始末するがな。
とはいえ、自分の都合で転生したワケではないのだから、行動の是非を咎められる謂われはないと思うんだ。
「・・・さて、多分ここかしら?」
『『『『───!!!!』』』』
「ふふっ、そんなに慌ててどうしたのかしら。 ココに大切なモノでも眠っているの? ───なんてね」
どこか焦ったように襲い来るロボットを容易く制圧し、工場の内部に侵入する。
「さってと、とりあえず工場に入れたけれど・・・」
『接近を確認』
「・・・果たして、
『対象の身元を確認します。 ・・・エラー』
あ、エラー吐いた。 仕方ない、ダメなら諦めて撤退、というのがセオリーだろう。
『対象の身元を確認します。 ・・・エラー』
しかし、せっかく来たのに徒労で終わるというのは癪である。 なので少し粘ってみる。
『対象の身元を確認します。 ・・・Error』
『対象のミ身元をカカカカカ確ニニニ認シシマス。 ・・・Errrrrroorrr』
『タタタ対象ノ身元ヲカクニンカカクニンカクカカクカクニカカカカカカカカ───』
おっと? 少し様子がおかしくなってきた。
『───
「・・・あら、通るのね。 バグって予期せぬ挙動でも起こしたのかしら?」
『下部ノ扉ヲ解放シマス』
「あぁ、そういえばそうだった。 この扉はこの場ではただの見かけ倒しな───」
その言葉を言い切る前に、床が開き下へと落下する。
「あー、下に落ちるわ。 空を飛べたらこんなこともないのだけれどねー。 ほっ、よっ、着地っと♪」
壁を蹴り、下への通路を跳びながら落下し着地。
広々とした空間に目を向ければ、かつて画面越しにスチルで見た光景が広がって───
『ようやく来ましたか、遅いですよ、“先生”』
───AREッ!?
「・・・どうして」
眼前に広がる光景はかつて見たものと同じ。
広々とした空間の真ん中に明かりが射し込んでいる。 そしてその光に照らされるように誂えられた椅子には、少女の姿をした機械人形、AL-1Sが座り眠っている。
そう、光景は同じなのである。 もしこの光景を見ただけだったら、かつて観た景色を生で見れたことに感動を覚えていただろう。
「・・・どうして、アナタがここにいるの? ───
『誰がケイちゃんですか』
目の前には、一台のロボットが鎮座している。 名を“無名の守護者”
名もなき神々の王女たるAL-1Sを守護する役目を背負う機械。
驚くべきことに敵対の意思が全く感じられない。
しかし、これだけなら適当に破壊すればいいだけの話だったのだが、どうも内部から聞いたことのある声が、美しさすら感じられるあのツンデレの声音が聞こえてきた。
その上、俺のことを“先生”と呼んだ。
『・・・そんなに警戒しないでください。 今の私はここでアリs・・・王女の
「・・・一つ確認させて。 アナタは、今のワタシについてどれだけ知っているの?」
『そうですね・・・。 残念ながら、私は今の貴女をあまり知りません。 今の貴女の名が虚月ライであること、夜美月ユイロと名乗っていること。 そして、貴女が私の知る先生であるということだけです』
・・・“私の知る先生”、ねぇ。
「それはつまり、かつてのワタシがこの世界を外から観ていた時の記憶がある・・・・・・いわば“ワタシの生徒”、ということでいいのよね?」
『はい、その認識で合っています。 このような姿でお会いするのは不本意ですが・・・』
改めて目の前に存在する無名の守護者をまじまじと眺めてみる。
球体のボディ、中央に目のようなメインカメラ、そこから下に伸びる触手、原理不明の浮遊・・・。
しかし、存在を主張するヘイローがこの個体は他と異なることを示している。
正直に言うと、元々エネミーであるコイツの見た目は少々気味が悪いと思うものの、中身がケイちゃんだと思えば可愛げも感じれるというもの(なでなで)。
『ちょっ、いきなり撫でないでください!』
「あら、嫌だったかしら?」
『・・・別にイヤとは言ってません』
「・・・ふふっ♪」
あまりにも俺の知るケイちゃんそのもので、思わず笑みが溢れた。
『なに笑ってるんですか?』
「・・・いえ? ケイちゃんは可愛いな~って」
『かっ、可愛い!? この見た目ですよ!?』
「それがどうしたの? アナタはアナタでしょ?」
『・・・!』
俺がそう言うと、無機質なカメラの向こうにいるケイが少し驚いたような反応を見せ、笑ってくれた気がした。
『・・・コホン、先生、話を戻しましょう。 さっきも言った通り、私はここのシステムの管理者を担っています。 貴女の目的はおそらくアリスの確保でしょう? その理由はおそらくリオとの交渉・・・ですね』
「それだけじゃないわ、アリスを回収すればアナタは外に出ようとゲーム開発部と接触するでしょう?」
『・・・なるほど、私がモモイ達と交流し絆されておけば扱いやすくなる、と』
そう言いながらケイはまるで不本意だとでも言いたげな視線を向けてくる(と思われる)。
「ま、アナタに記憶があるならその必要もないけれどね。 とりあえずG.Bibleを隔離してどこかわかりやすい場所に保管しましょっか。 ワタシもその時は手を貸すつもりだから最悪なくてもどうにかするけど、あるに越したことはないでしょう?」
『そうですね。 なにかデータの転送先として使えるものはありますか?』
「・・・、・・・・・・。 ・ ・ ・ 、 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
『先生?』
ちょっと待ってくれ、今必死に使えそうな持ち物がないか思い出してるから。
『もしかして、何もないとか言いませんよね?』
「・・・ちょっと待ってちょうだい、今必死に使えそうな持ち物がないか思い出してるから」
『先生???』
「う、だって仕方ないじゃない! G.Bibleをわかりやすく転送できるような都合のいいアイテムなんて持って・・・ん?」
待てよ? べつにG.Bibleを転送する必要はなくないか?
いっそG.Bibleはこのまま無名の守護者に残しておいて、ケイを転送してしまえばいい。
この見た目ならイヤでも目立つしわかりやすいだろう。
「ねぇケイ、アナタ自身を転送するのはどう? G.Bibleに使えるようなデータ保存端末はないけど、人格情報を書き込めるアイテムならちょうど手元にあるわ」
そう言いながら、腰にぶら下がる鎖に手を伸ばし仮面を一つ取るとケイに差し出す。
『この機械仕掛けの仮面が、ですか?』
「えぇ。 まだ試作段階だから成功するかは少し賭けになるけれど、データを書き込めることはワタシが実証済みよ」
『私としては確実な方法をお願いしたいのですが・・・。 仕方ありませんね、乗ってあげます』
差し出した仮面に一本の触手が触れ、データの移行が始まる。
幾ばくかの時が過ぎ、それは問題なく完了された。
《なるほど、これは・・・》
「居心地はどうかしら?」
《悪くありませんね。 ・・・先生、
「ソレには触らないでね、ワタシの
《・・・わかりました》
「抜け殻になった無名の守護者君に“G.Bible”って書いて・・・っと、これでヨシ。 それじゃ、そろそろアリスを起こしましょうか」
一歩、前へ踏み出し。
二歩、歩みを進め。
三歩、目の前の少女が目を覚ました。
こうして、無事にアリスを連れ帰った俺はアリスに向こうで言うドラ○エやファイ○ルファンタジーに該当するこの世界の有名RPGを与えたり、Memento moriのメンバーでTRPG(広義)をやったりしながらほどほどに甘やかしつつ接していった。
《いや、めちゃくちゃゲロ甘でしたよね?》
(うるさいわよケイちゃん、ワタシがほどほどって言ったらほどほどなの)
あと、本当に不本意ながら“テイルズ・サガ・クロニクル”も最後まで遊んでもらった。
あの時のアリスのこちらを見る表情は本当に本当に心が痛んだが、これも(多分)必要なことだから仕方ない。
《・・・アリスの反応を愉しんでいたように見えたのは私の気のせいですかね》
(・・・・・・)
《ユイロ???》
何はともあれ、こうしてアリスとケイを回収した俺は“名もなき神々の王女”というカードを用いてリオの所に殴り込み、経過観察という名目でMemento moriでの活動の認可を得てミレニアムに拠点を構えたというワケ。
もちろん、リオはいざとなればアリスを殺めることを躊躇わないと宣言しているし、俺もその時はあらゆる手を尽くして止めると誓約書まで書いた。
尤も、ケイちゃんがここにいる以上アリスが世界を滅ぼすことはないが。
(ね、ケイちゃん?)
《・・・白々しいですね、私にアリスを乗っ取ることをお願いしておきながら》
(必要なことだもの。 晴れてばかりじゃ花も大地も干上がっちゃうわ。 雨が降り、それを乗り越え糧とするから強くなれるの)
ケイは仮面に入った日から変わらず、今も仮面の中に住んでいる。
こうして声を発することなく会話できてることからもわかる通り、ちょっとした相談事に乗ってもらったりとか、話し相手になってくれている。
一応、依代となる肉体や専用の仮面も作ってはいるが、実用化にはまだ時間がかかりそうだ。
エリドゥの完成までには間に合わせたい。
そうしなければ、アリスを乗っ取りエリドゥをハッキングした後、アリスの中から戻ってこれなくなる可能性があるから。
ストーリーに則ればこれからアビドスへ行くことになるのだし、夜の間にラボへ戻れば進捗も良くなるだろうか。
「そうだリオ、例の件についてなのだけど・・・」
「・・・アリスをミレニアムに編入させたいという話ね」
「えぇ、進展はあったかしら?」
「特段問題はないわ、あとはアリスがどうしたいか次第よ」
「・・・へぇ───」
少し意外だな。 リオのことだから名もなき神々の王女をミレニアムに入れるなんてリスクの大きいこと、許可しないと思っていたが・・・。
《確かに妙ですね・・・。 未来なら兎も角、私たちの知る
(ケイもそう思う? ・・・困ったことに、もしリオがミレニアム内でアリスになにかしようと計画しているのなら、それを知る術はワタシ達にはないのよねー・・・)
そもそも、俺はリオがこちらを完全に信用しているとは考えてない。 だからこそ、合理主義者であるリオに有用性を示すためMemento moriの活動はミレニアムに限ってマジメにやってきたワケだし。
経過観察という名目はこちらとしては建前で、リオにアリスと直接触れあわせることとパイプを繋いでおくことが目的なのだが、恐らく打算ありきなのは向こうも同様だろう。
俺たちは一定の立場と、“セミナー”との繋がりを。
リオは自身の計画を進めるための隠れ蓑としてここを利用しつつ、名もなき神々の王女の監視と彼女を従える謎の生徒が何者かを探っている・・・といったところか。
とはいえ、それは互いに暗黙の了解だ。 口に出すことはこの関係に終止符を打つことを意味し、均衡が崩れれば双方が痛手を負う。
俺たちは拠点を失い、向こうは正体不明の存在が暴れる可能性というリスクを負う。
ま、俺にそんなことをする気はまだないんだが・・・、抑止力としてはよく機能してるだろう。
利害の一致とはいえ、協力関係にあるのは事実だ。
となれば、あまり疑っても仕方ないな。 送り出すと決めたのなら、あとは信じるしかない。
彼女個人の意思とは別で、“セミナー”としてアリスをしっかりと保護しなければならない理由は一応ちゃんとあるしナ。
「───それはよかった。 手続きは任せるわね♪ アリス~!」
俺とリオが真面目な話をし始めてから、少し離れた所でゲームに興じていたアリスを呼ぶと、一度ポーズにしてこちらにとてとてと駆け寄ってくる。
かわいいね。
「ユイロ、新しい仕事ですか?」
「えぇ、今回は長期的な救援任務よ。 ミレニアムサイエンススクールに入って、そこの“ゲーム開発部”の一員になって欲しいの」
それが今回の件の本題。 なんと、本来の世界ではシャーレに届くはずだったモモミド達からの救援要請がこちらに来たのである。
だが、リオはあくまで“セミナー”が本職。 俺もあちこちを飛び回っててここ以外に留まる場所を作る余裕はない。
他にもMemento moriの所属者はいるものの、彼女らもいつここを離れることになるか不透明な上、まともな教育を受けれてないから除外。
そして何より、今挙げたメンバーは全員がゲームに関しては遊びこそすれ完全なシロウトであるということ。 そこで、明確な学園の所属が現状なく(現在は仮としてMemento moriで登録中)、かつ学習能力が高くてゲームへの好奇心が旺盛なアリスに白羽の矢が立ったのである。
「“ゲーム開発部”?」
「えぇ、“テイルズ・サガ・クロニクル”を作った───」
「ユイロ、私はその人達を許しません。 あんなゲームと呼ぶことすら烏滸がましいガラクタを作るような方々の一員になるなど、いくらユイロの頼みでも嫌です」
・・・怖っわ。
《ユイロ! アリスに何を教えたらこうなるんですか!》
(知らないわよ! ・・・ワタシの口調が移ったとかじゃないかしら?)
そんな内心は表に出さないようにし、つとめて冷静にアリスと向き合う。
「ふふっ、アリスも言うようになったわね。 けれどね、アリス? これはアナタにしか頼めない仕事なの。 今、ゲーム開発部は部員数が足りてなくて廃部の危機に立たされているわ」
「・・・」
「リオはミレニアムの“セミナー”だし、ワタシはこれからシャーレへ行かなきゃいけない。 あの子達はいつ向こうに呼び出されるか分からない、この任務をこなせるのはアリスしかいないの」
「・・・・・・それでも嫌です」
「・・・なら、こう考えてみて? あんなクソゲーを作るようなゲーム開発部をアナタが改革するの。 アナタの手で彼女らの作品に革命を起こし、皆が称賛するような素晴らしいゲームを創る・・・。 それって、とってもワクワクすることじゃない?」
しかし、それでもまだ納得できないのか表情が芳しくない。
「ね、アリス。 アナタが憧れた勇者は、助けを求める人を見て見ぬふりするような、そんな存在だったかしら? お願い、アリス。 ワタシを、Memento moriを助けると思って、ね?」
「・・・ユイロはズルいです。 そう言われたら、私たちは断れません。 ・・・ミレニアムに行っても、ユイロとは会えますか?」
・・・あぁ、なるほど。 アリスが憂いているのはそれか。
一応、こんなのでも俺はアリスからすれば唯一の親だからな。 そして、Memento moriはアリスにとってたった一つの帰るべき家だ。
ミレニアムに入れと言われれば、親元を離れることになると思うのも無理はないだろう。
「えぇ、当然よ。 どこへ行っても、アナタの帰る場所はここだもの。 いつでも帰ってきなさい」
「・・・わかりました。 ・・・その、帰ってこれなかった日はいつもみたいに電話して大丈夫ですか・・・?」
「もちろんよ。 ワタシが最も優先するのは、アナタ達Memento moriの生徒だもの」
「・・・ありがとうございます! ユイロ!」
そう言うと、アリスは安心したようにまばゆい笑顔を浮かべて抱きついてきた。
そんなアリスを優しく受け止めると、軽く抱きしめながら頭を撫でる。
(・・・よしよし、なんとか言いくるめられたわね)
《ユイロ・・・》
なんだかケイちゃんが呆れたような声を出しているが気にしないし聞こえない。 物事が進んだのだからそれでいいのだ。
《まぁ、ユイロの発言に一切の偽りがないことは
(・・・えっ?)
あ、そういえばスズミを
《ユイロ・・・・・・》
やめてケイちゃん、そんな目で俺を見ないで。
トヨタがWEC勝ったので連日投稿。