底無き闇に光差せ / ortRoLoDs   作:弐の字

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鈴を鳴らせ

星を鳴らせ

輝く夜空に

願いを託せ

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クリスマスネタでした。

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この話において一行が降り立つのはM78世界(=ウルトラマンF)の地球

::地球防衛隊北海道支部(怪獣災害救助隊)メンバー
・イチミヤ隊長
北海道支部の食堂に妻が居る子持ち
ロッカク隊員の抱える闇を受け止めれる人

・ミエダ副隊長
行動力凄まじい女性
クリスマスを心待ちにしている
三条ひなた(ミエダ ヒナタ)

・ゴジュウギ隊員
警戒心が高い男
意外にも可愛いものや子供が好き
熊のような風貌
五十木煌悠(ゴジュウギ アキチカ)

・ロッカク隊員
狩人の感とか言い出す
ザギに気に入られる
キングクラウンのツノが欲しいと思っている
狼のような顔立ち
鹿角 鋒人(ロッカク サキト)



・食堂のイチミヤさん
イチミヤ隊長の妻で食堂のチーフ
クリスマス時期には特別メニューがある
結婚前の苗字はニノマエ

::イチミヤ カナト::
イチミヤ夫妻の息子。




祝杯はクリスマスケーキで

 

「これは……パターン・ダーク!!」

 

何十年も前に確認された反応が再び観測され、防衛隊北海道支部は慌てふためくこととなった。

 

「こんなの過去の資料でしか見たことない。けれど何故こんな北国に……?」

「ひとまず本隊へ通信を入れる。その後、動きを見つつ闇の巨人へ接触する」

「「了解」」

 

「(タイミングが悪いぞ闇の巨人……。よりによってこの時期この地域に……)」

 

防衛隊北海道支部隊長イチミヤは頭を抱えた。

 

::

 

::

 

ローズは人里離れた雪山へと着陸した。

ザギ達に言われるままにとりあえず隠れようと普段より少し縮んだローズだが、この地での活動にはまだ足りない。

 

「ローズ、擬態だ。そのままではまだ目立つ。人間に擬態するのだ。早く」

「でもザギ様、私まだ人間と会ったことがないです」

「ノ゙ア゙ァァァそうだった!! 俺が先に擬態する、それを真似ろ!」

 

ザギはローズの中から飛び出すと体を人間のものへと変化させた。その姿は石堀光彦そのものである。

 

「だいたいわかりました! こうですか?」

 

ローズはザギの造形を真似て姿を変えようとするが、なにやら人型のモヤがただ揺らめいているだけであった。だってザギの姿はローズにはまるで見えないんだもの、仕方がない。

 

「まっっっったく分かっていないではないか! ええい、俺が整えてやる。来い!!」

 

モヤモヤしているローズに手を突っ込んで干渉すると、ザギはローズを作り替えていく。言動相応の感じを目指した結果、ローズの擬態は小学生くらいの子供の姿となった。

 

「もうちょっと髪整えてあげて!」

「ザギ様、服! 服!!」

 

見兼ねたふたりも人間態─斎田リコ、溝呂木眞也の姿を借りた─で出てくると、ローズに干渉中のザギの腕をそれぞれ掴み、その干渉に自分達の意思も混ぜ込む。ついついナイトレイダーの青い隊服だったザギの服装も指摘し、変えさせた。

 

「ふぅ……」

「だいぶ時間を食ったな。行くぞ。ここはかつてウルトラマンが数多く飛来した地球だ。防衛隊が居るなら感知されていてもおかしくない。見つかる前にここを離れるぞ」

 

ザギは思い出す。この地球は以前来た。そしてあの人間の女に敗れた屈辱の地でもある。だがもうその当時から人間の計る時で何十年も経っている。当時を知るものはほとんど居ないはずだが、この地には侮ってはいけない人間が居るのも確かであった。

 

 

「そういえば名前、聞かれたらなんて答えます?」

星河(ほしかわ)祈織(いのり)!」

 

メフィスト─眞也─からの問に口を開こうとしたしたザギに割り込み、ローズが元気よく答えた。

 

「じゃあザギさんは祈織くんと親子設定で……」

「……は?」

「だってさっきからずっとひっつき虫されてるじゃない。親子じゃないって言う方が危ないわ。誘拐だと思われちゃう」

早々にリコの記憶へと入れ替わったファウストが提案をする。

 

「ザギ様がととさまです!」

「…………。光彦……。星河光彦……」

ローズ─祈織─があまりにもキラキラした目で見詰めてくるため、ザギは口を尖らせボソリと呟いた。

 

〜*〜*〜

 

─まもなく目標地点─

─闇の巨人、目視できず─

─了解。安全を確保の上、周囲の散策を開始せよ─

 

「気付かれているな」

 

耳に手を当て無線を傍受していたザギが呟く。

 

「迎撃しますか」

「だめ。ご飯食べに来ただけなんだから」

「都市部の方向はわかった。移動するぞ。行き違いになるならそれでいい」

 

光彦はそう言うと祈織を小脇に抱えた。

 

「わわっ、ととさま! 私自分で歩けます!」

「こうしたほうが早い。それともあれか? 胸まで雪に埋もりたいか」

「それは……嫌です」

 

不服そうにしながらも祈織は光彦のされるがままになることにした。

 

 

〜*〜*〜

 

 

「おかしい」光彦はある一方向を見詰める。自分達を追いかけてきているであろう防衛隊の反応が、一切遠ざかることなく近付いてきているのだ。しかもとても人の足の速度ではない。

 

「…………あぁ。そうか……」

 

祈織の波動が隠しきれていなかった。そして遠くに聞こえるエンジン音。地の利も向こうが持っている。

 

さて、どうするか。光彦は足を止めた。

 

「ザギ様、私は敵対行動は取りたくありません」

リコ(ファウスト)が意見する。

「お前は随分と甘くなったな。だが…………。そのほうが騒ぎは小さい、か。ただし向こうが敵対を選ぶのならこちらも加減はしない。いいな」

 

─こちら、ゴジュウギ、ロッカク、対象に接触します─

 

ふたつのエンジン音がすぐそこまで聞こえてきていた。

 

〜*〜*〜

 

ガルガルとエンジンを鳴らし、少々大型な二台のスノーバイクが姿を現した。完全防寒装備のため搭乗者の顔は確認できない。

 

片方の人間はバイクを降り、もう片方の人間はバイクの上から光彦達へ向けて光線銃を構えている。

 

「初めまして。地球防衛隊北海道支部所属のロッカクです。本日は何をしに地球へ?」

 

光彦達が人間ではないということを前提とした質問を掛けてきたロッカク隊員を前に、光彦達は念話を始める。

 

「─こいつらにはバレているってことですよね─」

「─カマを掛けるくらいの余裕はあるはずだが、直接聞いてくるとは……。お前達はこれをどう捉える─」

「─下手に嘘をつくよりは正直に言うべきだと思います。まだ完全な敵意は持たれていないはず─」

「─だが言ったところで信用されるか? こいつらからすればどの面下げてって話だろ─」

ザギ達は過去、この地で大暴れしている。その事が彼らのこれからの行動を悩ませることとなった。

 

「嘘をついたらどうなりますか?」

「祈織ぃぃ!!」

 

念話の内容を聞いていた祈織が口を開いてしまった。祈織の口を塞ごうとするように祈織のほっぺたを指で挟んで潰す光彦にロッカク隊員は思わず吹き出し、ひとしきり笑うと一旦呼吸を落ち着かせた。

 

「嘘をついたら、ねえ……。ただの人間に嘘をつくほど切羽詰まっているようには見えないっすけどねえ……」

 

流し目でも寄越すような様子をみせるロッカク隊員を光彦は睨んでいる。

 

「ごはん!! っ食べに来ました!」

 

手を逃れ再び口を開く祈織を光彦は両手で持ち上げ、目を細めて睨んだ。

 

「祈織ぃ……今この場でお前を雪達磨にしてやっても良いんだぞ……」

 

「素直に言えばいいのに。信じてもらえるかわからないからって言い渋って! ととさまは何かやましいことでもあるんですか!」

「やましいことがあるから言い淀んだ。そうっすよね、暗黒破壊神」

 

祈織と光彦の会話にロッカク隊員が割り込んだ。

 

「……正体まで割れているわけか。そこまで分かっていて何故、敵対を即決しない。俺達とこの星との過去を知らない訳じゃないだろう」

「様子見って隊長から言われてるんで」

「俺達を相手に先手を譲る、と?」

「先手を取ったところで果たして敵うかどうか」

「どうぞ侵略してくださいと言っているようなものだな」

「平和的コミュニケーションと言ってもらいたいっすね」

 

ふたりの言葉の応酬は止まない。そこへ恐る恐るリコが口を挟む。

 

「光彦さん……できるだけ敵対しないって言ったじゃない……」

「……、そうだったな」

ヒートアップしていた光彦は一度深呼吸をする。

 

「人間……。今回我々は貴様ら人間に構うつもりはない。食事をしに来たというのも本当だ。だがこれからどう動くかは貴様らの返答次第だ」

「記録に残っている限り、前回は突然来て暴れてったらしいじゃないっすか。どうして地球の食べ物なんかを?」

「リコは人間として活動していた時の記憶が強い。こいつが、来たいと言い出した」

そう言って光彦はリコを顎で示した。

「ふぅん、わかりました。俺としては、防衛隊(うち)に保護されてもらえると助かるんすけど」 

「おいロッカク、そんな勝手に……」

 

銃を構えた男─ゴジュウギ隊員─が静止をかけた。しかしロッカク隊員は彼を説得するように話を進めていく。

 

「この時期の厄介事は少ないほうがいい。ゴジュウギさんもそう思いません? 目の届くところにいてもらった方が楽でしょ」

「それは……そうだが……」

「銃も下ろしましょ。子供に向けてるのしんどかったっすよね? 射線、誰にも当たってなかったっす」

「はぁ、相変わらずの観察眼だこと」

 

ゴジュウギ隊員はずっと構えていた光線銃をようやく下ろした。

 

「隊長に連絡と……対象保護の提案をする。ロッカク、そいつらの見張りを頼む」

「はいっす」

 

〜*〜*〜

 

「大変な時期に私達が来ちゃったのね。ごめんなさい」連絡を取り始めたゴジュウギ隊員を確認し、リコがロッカク隊員へと謝罪をした。

 

「でも侵略目的じゃあないんすもんね。だったら全然いいんすよ。話して終われるならそれで」

「随分と甘いこって。俺達が実は人類を再び滅ぼそうとしに来た〜とか考えねえのかよ」

「それを見抜けないほど目が悪いつもりはないっす。少なくともあなた達は話の通じる『人』だ」

眞也がちょっかいをかけるが真正面からいなされてしまった。

 

「ロッカク、対象保護の希望が通った。連れ帰れるぞ」

 

いよっしゃ! とロッカク隊員はポーズを決め、嬉しそうに光彦達へ振り返る。

 

「こっちまでヒコーキ飛ばして来れないんで、待機場所までコイツで行きまっす。さあ乗った乗った!」

 

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──地球防衛隊北海道支部 応対室──

 

部屋に大人しく通された光彦達を前に、イチミヤ隊長達は険しい表情だ。

 

「保護の許可はしたが、ううむ……」

「ロッカクが言うのなら信憑性は高いのでしょうけれども。あの闇の巨人が地球にご飯を食べに、ねぇ……。にわかには信じ難い話だわ」

 

イチミヤ隊長もミエダ副隊長も彼らを信じきれていない様子。イチミヤ隊長がロッカク隊員へと問う。

 

「ロッカク、決め手はなんだ」

「ゴジュウギ隊員が彼らに銃を向けたとき、彼は半歩退いて脇に抱えた子供を庇いました」

 

ロッカク隊員の発言に光彦が彼の方を勢いよく見た。俺はそんなことした覚えないぞと顔に書かれているようだ。

 

「……あれ? 無意識でした? それなら尚更っすね」

 

「決して贔屓はしていない。そうだな?」イチミヤ隊長が念を押して確認する。

「勿論っす」

「わかった。だが……」イチミヤ隊長は光彦達の方を向き言葉を繋ぐ。

 

「監視を外すことは出来ない。本部の判断が下るまで外に出ることも許可出来ない。今できる食事というと、うちの食堂のメニューくらいですが。それでもいいですか」

 

イチミヤ隊長に問われ、光彦は今回の言い出しっぺであるリコへと目線を遣う。

「お店を見て回れないのは残念だけれど……。大丈夫よ」

「うちの食堂のご飯は旨いんすよ~! なんてったって隊長の奥さんと皆さんが精一杯作ってくれてますから! ちなみにこの時期はクリスマスメニューがオススメっす」

 

今年も交流会館でのクリスマス会を企画中っすもんね? とロッカク隊員はミエダ副隊長へ話を振る。

「そうよ。例のアレで吹っ飛ぶ可能性もあるけれど……」

「クリスマス! ウルトラマン達がふわふわのマントを着て子供たちの所を訪れるというあのクリスマスですか!!」

クリスマスと聞いた途端に祈織の目が輝いた。

 

「光の国ではそうだろうが、発祥地である地球では違うぞ。子供の元を訪れるのはサンタクロースだ」祈織の何か違うクリスマスの認識を光彦は訂正した。

 

「ウルトラサンタクロース……」

「ミエダ、何をしようと考えたか大体想像できたがやめておけ。世間から見た闇の巨人達には今のところ厄災として記録された負のイメージしかない」

「ブラックサンタも無しだぞロッカク」

 

ミエダ副隊長に続いて開こうとした口をイチミヤ隊長に先回りで釘を刺され、ロッカク隊員はくぅん……としょぼくれた。

 

 

〜*〜*〜

 

 

時間は過ぎ、夕飯時。

まだ応対室から動けない光彦達はミエダ副隊長とゴジュウギ隊員の監視の下、この部屋で食事を取っていた。

イチミヤ隊長は妻子優先と部屋から追い出され、ロッカク隊員はそんなイチミヤ隊長に用事があるらしく、現在ここにはいない。ちなみにイチミヤ息子は両親共にここの隊員・職員のため、防衛隊施設内の託児所に預けられているとのこと。

 

時間も時間なので、もちろん隊員達も同じ部屋で食事をしている。監視とは言ったものの、ミエダ副隊長とリコが女子トークを始めたため、懇談会のような雰囲気になっていた。

 

ヒカリへの報告用に食事の写真を律儀に撮っていた眞也に興味を持ったのか、ゴジュウギ隊員が恐る恐る話しかけていた。結局祈織を交えて、記録端末片手にこちらは思い出話が始まった。

 

光彦はというと、食事を断り、部屋奥のソファで黙って寛いでいた。

 

「みっつひっこさ~〜ん、ちょ〜っと外で俺とおはなししませんか〜」ドアをそっと開け、そろりそろりと光彦に忍び寄ったロッカク隊員が小声で呼び掛ける。

 

光彦は面倒臭そうに目を細めて睨み返した。しかし視界に入ったロッカク隊員の目が、聞き分けないモードのローズと同じような輝き方をしていたために、光彦は彼をあしらうのを早々に諦めた。

 

「ロッカク隊員〜?」

「わーー、大丈夫っすよ! 隊長に許可は得てます」

ミエダ副隊長に見付かり、ロッカク隊員は慌てて状況を説明する。

 

「許可取りが出来てるなら構わないわ」

「行くっすよ光彦さん。とっておきの話の肴もありますよ〜」

ロッカク隊員に手を引かれ、光彦は応対室の外へ連れ出された。

 

〜*〜*〜

 

──地球防衛隊北海道支部 展望台──

 

光彦を窓の側へと案内し、ロッカク隊員は彼を振り返る。

 

「隊長に言って今晩は人払いをしてもらいました。監視カメラも止めてあります」

「ほう、そんな場所でこの俺とふたりか」

 

光彦がロッカク隊員の首へとおもむろに手を伸ばした。

「ここで俺が貴様に何をしようと、奴等には一切情報が渡らないわけだ」

「そんなことする必要、あなたにあります?」

「少なくとも、退屈しのぎにはなるだろうな」

「………………、口だけの冗談は面白くないっすよ」

「その減らず口よりかはマシだろう」

 

光彦の手が遂にロッカク隊員の首を捉う。

「貴様の命は文字通り俺の手の中だ」

「やるならどうぞ、ひと思いに」

 

少し暗い夜の展望台に月明かりが差し込み、獣のような鋭さを宿したロッカク隊員の瞳が浮かび上がった。

 

ロッカク隊員の姿に、過去のローズの姿が重なる。

「………………、その目をやめろ。不愉快だ」

 

奴の時は、俺は奴を殺せないという決まりきった事象の上でのあの様子だった。しかしこいつの場合は……?

何故だ。何故、死を恐れない。いや、恐れていないのではない。こちらにその気が無いことを見透かしているのか、それとも人間の命の軽さを悟っているのか。

 

パッと見とは違い、お気楽な人間ではないらしい。気味が悪い。

 

「貴様もつまらん奴だ」

光彦はロッカク隊員の首からその手を退いた。

 

「やらないんすね」

「本気だとすら思っていなかったくせに」

「あれ、バレました?」

「興が冷めた」

 

「じゃあちょっとお話、しましょうか。ジャーキー食べます? 俺が捕って俺が作ったお手製鹿肉ジャーキーっすよ」

「……俺が断っても食わせる気満々だろう」

光彦はその口元にジャーキーを押し付けられていた。仕方なしに光彦はそれを受け取った。

 

〜*〜*〜

 

「暗黒破壊神、俺は、もし話せるならばあなたと話してみたかったんす」手すりに身を寄せたロッカク隊員が静かに語り始めた。

 

「ずっと昔、ガキの頃に過去の映像であなたを知りました」

「恐ろしく思うと共に、俺はこうも感じたんです。『かっこいい』って。そこから俺はあなたの足跡を探し続け、防衛隊に入るまでになった。勿論この理由は秘密っすよ。隊長達くらいにしか言ってません」

 

「あなたが言葉を持つ者だと知った時は驚きと嬉しさで舞い上がりました。もしかしたら、あなたと話せるかもしれないって」

「俺の目で見て、俺の口で対話して、自分で判断したかったんす」

 

 

「あなたは人か、それとも獣か」

 

 

「現在に残された資料だけ見ればあなたは厄災でしかなかった」

「何一つ取っ掛りの無い、杭のひとつも打ち込めない、特殊金属のまっ更で硬い壁」

 

「けれど今日、あなたと初めて会って、話して、感じました」

 

 

「人のようだ、と」

 

 

「黙って聞いていれば! このザギが貴様ら人間共と同じだと! 貴様はそう言うのか!!」ロッカク隊員の言葉に激昂したザギが彼の襟首を締め上げる。

「人間などという矮小な存在と! このザギとが同じだと!!」

 

「人間とは言ってないっす。飽くまでも、『人』。それ以外の表現方法を俺は持ち得ません」

ロッカク隊員は冷静に話を続ける。

「人間と同じ鳴き声をしているだけの『獣』か、それとも他者と心をも通わせ得る『人』か。それだけっす。俺の感覚でしかないっすけど」

 

「あなたは『人になりかけの獣』。まだ人ではない。あと少し、きっと何かがあなたの中に足りていない」

 

「俺はあなたを知りたいんです」

 

「獣を通り越して厄災であったあなたを、何がここまで人にさせたのか」

「人に近付くことができたあなたが、過去、なぜ厄災となっていたのか」

 

ロッカク隊員に静かに熱く語られ、光彦は彼を放して考え込む。しかしその答えは出てきそうになかった。

 

「そんなもの……、俺だって……」

 

光彦が何かを言いかけたところで緊急警報が鳴った。

「来たかベベルガ!!」ロッカク隊員が素早く反応し、光彦の手を掴むとエレベーターへと走った。

「待て人間ッ! 何が来たと言うのだ!」

「ベベルガっす。詳しい話は作戦室で!!」

 

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──地球防衛隊北海道支部 作戦室──

 

ロッカク隊員と光彦が部屋へと入ると、苦悩の表情をしたイチミヤ隊長に出迎えられることとなった。

 

「ロッカク……お前もか……。いや、お前ならやりそうだと思ったよ……」

 

部屋の奥を見ると他の隊員達に加えて、眞也、リコ、祈織が居た。ここに光彦も加わり闇の巨人勢揃いである。監視のふたりに連れてこられたか、わがままを言って着いてきたか、それは光彦の知ったことではないが。

 

「隊長、今回のベベルガ対応作戦には彼らの手を借りるべきだと俺は思います」

もしかしたら討伐が叶うかもしれない、とロッカク隊員は興奮気味である。

 

「彼らを作戦室に連れてきたことと、実際に協力を仰ぐかどうかはまた別の問題だ」

 

「だが来てしまったからには話すか……」イチミヤ隊長は大きなため息をつき、スクリーンにベベルガの資料を表示させた。

 

「豪雪怪獣ベベルガ。この時期の風物詩なんだ。一応……」

「本来は高原部や森林部に生息する小型怪獣なんすけど、近年、都市部にも進出するようになったんすよ。で、その原因と思われるのがこの個体、通称キングクラウン。デカいっしょ? 角も立派! 是非ともウチに飾りたい!!」

資料をスライドさせて先程のベベルガよりも遥かに大きい個体の画像を出し、ロッカク隊員は興奮気味に話す。

「ロッカク隊員」まずは落ち着いて話をさせろ、とイチミヤ隊長がたしなめる。

「わぁぁ、すいません。狩猟本能がつい……」

「毎年毎年そうなんだから……」

「焦がれもしますよ〜。毎回見てるだけで何も出来ないんすから……」

 

「お前達はこれに対してなにもしていないのか? 怪獣の一匹や二匹、倒せる技術が無いわけではなかろうに」

光彦は記憶の中の防衛隊のことを思い出し訊ねた。

「本部の装備なら可能だと、想定されていたんだがな……。奴の起こす吹雪が酷すぎて戦闘機もまともに近寄れなかった。出現場所が都市部なのもあって、戦車を出すのも危険が多い」

 

「それとはまた別に、元々が観光資源でもある怪獣だからなのか、討伐作戦を行おうとすると世間からのクレームが凄いんだ。毎年被害が出ているのにも関わらず」

「どうせそのクレームの大半は都会の奴らっすよ。知りもないくせに一端に文句は言える。だから人間は嫌いなんだ」

「イチミヤ隊長〜またロッカク隊員の人間嫌いが発症してますー」

「ロッカク、身内内ならいいが他所で出すなよ」

「わかってます。すいません」

 

 

「前触れこそあるものの、奴は突然現れる。瞬間移動でもしてきたかのようにパッとだ」

「本来ベベルガにこの能力は無い。これについて、強過ぎる力を得た事が原因説と、そもそも別怪獣説が出ている」

「生き物らしからぬ能力っすよね」

 

「奴は自身の周囲に猛吹雪を発生させる性質があり、その状態で数日〜数週間、出現地域に留まる。そのため出現地域は陸の孤島となるわけだ」

「前述の通り、奴の出現には前触れがある。そのため、出現予測地域には避難命令が既に出ている」

「今回我々はバリア発生装置を用いて奴の吹雪を押さえ込み耐え凌ぐ……予定だった」

イチミヤ隊長がロッカク隊員へと視線を向ける。

 

「過去に闇の巨人が使用した特殊空間。そこにベベルガを放り込めれば、地域への被害を抑えつつ、更には討伐もできるのではというのが俺の考えっす」

「御協力、願えますか」

イチミヤ隊長が光彦達へ真剣な眼差しを向ける。

 

「俺達を外に出せないと言ったのはお前達だったと記憶しているが?」

「人命の関わる事象であれば、現場の判断を優先させることができる」

「我々はお前達人間に構うつもりなどないと言っただろう。断……「クリスマスケーキ」」

「「え?」」

 

光彦の言葉を遮った低い声に、隊員たちのみならず光彦と眞也も驚きの表情でそちらを見る。

「キングクラウンの討伐だ。クリスマスケーキで手を打つ。闇の巨人が勝手にやったとでも言えば同族からの非難も少なくなるのではないか」

 

リコが声と口調を変え、ファウストとして防衛隊へ進言したのだ。

 

「するんでしょ? クリスマス会! 住民の皆さんを励ますためでもあるって言ってたじゃない」

「それに、クリスマスと聞いて祈織も楽しみにしていたのだ。悲しませたくはない」

 

ファウストとリコの記憶とが交互に現れ話を進めていく。

 

「ただの人間の記憶のくせにまたも俺に楯突くか」

光彦に威圧をされてもリコは退かない。

「あの怪獣のせいでたくさんの人に被害が出ているんでしょ。私達は戦えるんだから、助けなきゃ。なあ溝呂木!」

「お、俺ぇ!?」

「行くぞ。光彦さんは祈織くんのこと守ってて!」

 

リコが眞也をむんずと掴み外へ連れ出そうとするが、それはイチクラ隊長に止められた。

「行くのはいいが、作戦会議をだな……」

「作戦会議は大切だぞーリコ」

「…………わかった」掴まれたままの眞也にもダメ出しをされ、リコは渋々元の位置へと戻った。

 

〜*〜*〜

 

「ではあらためて。御協力、感謝する」

「恐らくおふたりがそれぞれ『赤き死の巨人』『黒の悪魔』なんすよね? 赤がリコさん、黒が眞也さんっすか?」

 

リコと眞也のふたりは顔を見合わせると擬態を解き、人間大で本来の姿を現した。

 

「よくわかったな。その通りだ」

「私がファウスト。そっちがメフィストだ」

「特殊空間を作り出したのはメフィストのほう……か。それをベベルガに対して行えるか?」イチミヤ隊長が問う。

「特殊空間……、ダークフィールドを展開するにはメフィストクローが必要だ。いや、無くてもできはするんだが……。これは現在壊された上によく分からん物質に取り憑かれている。まともに使えんだろう」

「いいえメフィスト、大丈夫ですよ。これはメフィストの味方です。悪いようにはならないはずです」

祈織がアームドメフィストにふれ、メフィストへ進言した。メフィストは祈織を見詰め、ついついその頭に触れようとした手を引っ込めると、先程の発言を訂正する。

「こいつが言うなら……使えるのかもしれない……。だが、コントロールには時間がかかるだろう」

「ではまずそれを使えると仮定して話を進める」

 

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──防衛隊 基地の外──

 

本来のサイズに戻って待機していたメフィストは自身のアームドメフィストを見詰める。

「使えそうか?」メフィストの様子を気にしたファウストが話し掛ける。

「こいつが勝手に喋りださないかぎりはなんとも」

「喋るのか、これ」

 

そう言ってファウストは自身の左手首を見る。そこには黒地に星の輝きが散らばったブレスレットがつけられていた。作戦室から出る際に祈織から『御守り』だと言われつけられたのだ。

 

「ローズサイン。あれと同じ感じで頭の中に直接言葉が入ってくる」

「前回はどうやってそれと話したのだ?」

「知らん。こいつが勝手に喋りだした」

「ねえ、私もあなたと話してみたいな」

ファウストが両手でメフィストの右腕を持ち上げた。すると、

 

─  ─

 

─  ─

 

アームドメフィストとファウストのブレスレットが共鳴するように鳴った。そしてアームドメフィストを覆っていたネビュラムが変形し始める。本来クローが格納されていた箇所を綺麗に埋める形に納まると、ふたりの頭に言葉が届き始めた。

 

─ ⠅⠁⠇(なあに) ─

 

「うわこいつきっちり納まってカッコつけやがった。物質のくせに」

「そんな事言わないの。……お前に意志があるかどうか私にはわからないが、可能であれば我等に協力してもらいたい」

 

─ ⠿⠢⠧⠹⠞⠇⠊⠏⠐⠡⠃⠱⠛⠕⠑⠐⠟⠣⠙⠜(メフィストにお願いされたらできるよ) ─

 

「……だそうだが」ファウストがメフィストへと視線を移す。メフィストは深いため息をついた。

「俺はダークフィールドを作り出す必要がある。だがそれをするためのクローが壊れている。お前がそれの代わりになれ」

 

─ ⠄⠡⠂⠕(わかった) ─

 

ネビュラムが形を変え、何かを作り出すが……、

「これは槍……」

「見るからに槍だな」

以前メフィストを地面に磔にしたときの槍と殆ど同じ、バイデントをベースに、ヴァジュラのようなツメが四つ付いた六又槍。メフィストご所望のものではないが、武器にはなった。

 

「代わりになれと言ったのは鉤爪であって槍ではない」

 

─ ⠪⠛⠐⠡⠃⠃(これがいい) ─

 

「違う。鉤爪だ」

 

─ ⠪⠛⠐⠡⠃⠃⠎(これがいいの) ─

 

『えー、あー、順調か?』ファウストに対しイチミヤ隊長からの通信が入る。作戦遂行のため回線を解放しているのだ。

「絶賛喧嘩中だな」

『それはその、ネビュラムという物質と、か。人格を持つ物質。不思議なものもあるもんだな』

「我等からしても未知の物質だ。詳しく知っている者が居るとしたらローズだろうが、なにせあの子は言葉が曖昧だからな……」

『あと数分後にベベルガ出現の見込みだ。作戦地点へ向かってくれ』

「わかった」

 

「メフィスト、いけそうか……?」

イチミヤ隊長との通信を終え、ファウストはメフィストへ声をかける。

「この形でもダークフィールドのようなものは出せる、、らしいから。あぁ、問題はないはずだ」

「ふっ、そいつを説得はできなかったか」

「うるせぇ」

 

::::

 

::::

 

──都市部──

 

「酷い吹雪だ。戦闘機が飛べなくなるのも頷ける」

 

ふたりでさえも煽られて飛べなくなる程の吹雪に止むを得ず着陸し、低い姿勢で周囲を探った。

 

「この地の人類はこれを……毎年……? やはり倒そう、メフィスト」

「せめて方向さえ分かれば」

メフィストは手に持った槍を見詰める。

 

こいつはネビュラム、ローズの体を構成する物質と同じものでできている。過去にローズが見せた、時間距離無視で相手にネビュラウイングの拳を叩き付けるあの技。ここまでの道中でこいつに確認したところ、同様のことがこいつでもできるらしい。俺を地面に磔にしたときも、ローズは同じことをした。ローズはノールックで俺に当てていたが、俺の場合は流石に方向を確定させることを推奨された。

「気配がブレすぎて正確な位置がわからん!」

 

── Ho-ho-ho!!

 

「っ!!」

突然辺りに響き渡った鳴き声と共に、ふたりを突風が襲う。ふたりはそれを耐え凌いだ。

「相手には我等の位置が分かっているという認識で良いのだろうか」

「そうだろうな。テリトリーを持つタイプの生物は侵入者に敏感だ」

『……ふた……も…………だ…じょう…………』

作戦室からの通信も遮断されかかっている。人間の技術で無理ならば……。ファウストはあの端末を思い出す。通話機能こそ無いものの、受信に関しては性能ピカイチのあの端末を。ファウストは御守りと言われたブレスレットを握り、祈るように念じながらテレパシーを送った。

「ぐっ……。届け……、我等はここに居る……。届け……届け……届け……! 気付いてくれ!! 奴の居場所はそちらからわかるか!!」

『二時の方向! エネルギー上昇確認! 至急対応を!!』

繋がった! 対応が早い。ザギ様が手を出したのだろうか。ファウストはメフィストへと叫ぶ。

「メフィスト! こっちだ!!」

ファウストはメフィストを守るように前へ立ちバリアを張る。間髪入れずにそこを凍てつく光線が襲った。

「私が惹ききつける、早くそれを!!」

 

 

「当たれぇぇぇぇ!!!!」

 

 

光線の出処を向き、メフィストが槍を天へと投擲する。メフィストの手を離れた瞬間に槍は消失した。

「当たっててくれ…………、っ!?」

 

するとファウストを襲っていた光線がハタリと止む。ふたりの足元に軌跡を残しながら黒いエネルギーが一直線に走った。

 

メフィストはエネルギーの向かう先を目で追う。その先に、黒い光柱が立ち上る。

 

「なんだ……あれは」

「メフィスト!!」

ファウストがメフィストを抱え込むようにしゃがませた。刹那、メフィストは水中に溺れるような感覚を味わった。だが実際に水に呑まれた訳ではない。

「あれは受けても大丈夫……なのか」

メフィストをしゃがませたファウスト自身も戸惑った様子を見せている。

「ファウスト、なんの真似だ」

「黒いエネルギーの壁だ。お前が槍を撃ち込んだ方向からそれが向かってきた。これはそれの通り抜けた跡……」

ファウストに言われてメフィストは辺りを見渡す。周囲の建造物が真っ黒な闇に塗りつぶされている。いや、ただの闇ではない。ローズの翼と同じ、星雲の輝きを持つ闇だった。

ファウストの言う『黒いエネルギーの壁』に押しやられでもしたのか、いつの間にか吹雪も弱まっていた。視界がクリアになる。

「ダークフィールドみたいなものってこういうことかよ」

 

─ 大星雲(ネビュラリウム) ─

 

メフィストが自身の後方に見た黒い光柱。それと同じものが六角形を描くように他に五本立っており、その内側だけが綺麗に黒に塗り潰されていた。まるでこの範囲内だけがなにか別のものにおきかわったような。

 

── Hoooooooo!!!

 

ベベルガの咆哮が響き渡る。

 

〜*〜*〜

 

「反応が違う……、ダークフィールドじゃないわ……」

「映像! 早く! 周辺の無人機を……」

「隊長! 謎の電波を複数受信しています。発信源は……ベベルガ出現地域一帯……。映像受信機、ジャックされます!!」

ゴジュウギ隊員がそう言うと、作戦室のモニターは複数の画面を映し出した。一様に冬空と黒い地面を映している。

「どこから見た映像だ? まさかあの結界の中……いったい誰が……」

 

「あれ、メフィストさんとファウストさんじゃないっすかね」

モニターに映し出された画面のうち数個に、ふたりの体の赤い色がチラついていた。

 

「そしてあれがキングクラウン……か」

 

六本の柱の中央に討伐対象、黄金のツノを携えたベベルガが居た。メフィストの投擲した槍はまるで脳天から降ってきたかのようにベベルガの左の肩口に上から突き刺さっていたが、急所を外し、致命傷にはなっていない様子だ。

 

「作戦通り、まずはツノを打ち落とすことを優先してくれ!」

『『了解ッ』』

 

「ベベルガのエネルギー上昇! 破壊光線、来ます!」

 

〜*〜*〜

 

「またか!」メフィストとファウストの間を狙うようにベベルガの光線が放たれる。メフィストとファウストはそれぞれ反対方向に跳んで避けた。

光線はファウストを追う。ファウストはそれを、ビルだったものを盾にして躱し続ける。

 

「倒壊しない……?」

 

ネビュラムに覆われたことで強度が上がったのだろうか、ビルはベベルガの光線をモロにくらっても貫通すらせず、平気な顔でそこに立っていた。

痺れを切らしたベベルガがツノにエネルギーを溜め、そのツノの枝先から氷柱を飛ばしてきた。ファウストはダーククラスターで対抗する。

 

先程の作戦会議で話された、ベベルガのツノは力の源という話は本当らしい。やはりアレを破壊しなければ。

 

── HoAaaaaaaa!?

 

ベベルガが悲痛の鳴き声を上げた。肩に突き刺さっていた槍をメフィストに乱暴に抜かれ、根元から左腕を切り落とされたのだ。

 

「ファウストにばっか構ってんなよ!!」

 

ファウストに放り投げられたあとメフィストは即座に潜伏し、ベベルガの意識から外れていた。そしてベベルガの見せた隙を逃さずに仕留めに来た。

しかしこの一撃でベベルガの標的が自分へと移行しまったことを察知。槍を大きく二度振りベベルガに距離を取らせると、その槍を再び天へ向かって投擲した。

 

「余所見なんてしてらんねえぞ!」

 

槍に気を取られ上を向いたベベルガの首めがけてメフィストはラリアットをくらわせる。

 

── Ho-ho!!

 

倒れ込んだ低い姿勢のままベベルガはメフィストへ突進を仕掛ける。メフィストはそれを正面から受け止め、ベベルガを押さえ込んだ。メフィストは上空へと叫ぶ。

 

「今だファウストォオ!!」

 

 

「打ち砕け!!!」

 

──ガキィンッ

── HoAaaaaaaaa!!!

 

ベベルガの背中、ツノの付け根にファウストの握る槍が振り降ろされた。片方のツノが根元からボキリと折れる。

 

「もう一本!!」

 

残りの一本へ向け、ファウストは槍をフルスイング。そちらのツノも見事に砕き折った。

 

── Hooo……

 

両方のツノを折られ、ベベルガは地面に突っ伏した。メフィストはベベルガから離れ、ファウストの隣に立つ。

 

「これはお前のだ。返そう」

「おう。……よく受け取れたな、これ」

ファウストから返された槍を見、メフィストは言う。

「突然頭上から降ってきて驚きはしたがな。私が受け取れるように投げたのだろう?」

「まあ、そうだな」

 

〜*〜*〜

 

「ベベルガ……、無力化に成功……!」ゴジュウギ隊員が感嘆の声で報告する。

「ここまで激しく戦ったのに結界の外に被害が出ていないだなんて……」

「光弾や光線が結界の外に出る瞬間に、結界にエネルギーがほとんど吸収されていた。そのせいだろう」光彦が分析した。

 

「あとは仕留めるだけだ」

「可哀想な気もするけれど、仕方ないのよね」

「そうっすよ副隊長。あれは人間と共存できない」

「わかってる。わかってるわ、大丈夫……」

気が重い様子のミエダ副隊長をロッカク隊員が押し切った。

 

「……おかしい」計測器を見続けていたゴジュウギ隊員が呟く。

「どうした、ゴジュウギ」

「まだ……ベベルガにエネルギー反応が残ってます。しかも段々増幅してる……」

 

「メフィスト! ファウスト! さっさとそいつの息の根を止めろ!! 今すぐにだ!!」

 

〜*〜*〜

 

「わっ!?」

通信とテレパシー、両方で同時に飛んできた光彦の怒号にふたりは跳ね上がって構え直した。

「ちょっと光彦さん! いきなり怒鳴るとメフィストが怯え……」

 

──キョオオオオォン!!

 

ファウストの言葉を遮るようにベベルガが、今まで発していたものとは別の鳴き声を上げた。何かがおかしい。ふたりは改めて気を引き締めた。

 

『いいから殺れ!!』

「「はっ!」」

 

──キョン、キョアァァァ!!

 

上空に暗い色の雲が発生する。ベベルガが能力を使ったようだった。

その雲から弾雨の如く氷塊がふたりめがけて降り注ぐ。ふたりはそれぞれダーククラスター、ダークレイクラスターで迎え撃つ。

 

「ツノを折ったのに! 攻撃の威力が落ちてない!」

「逆に怒って攻撃が増し……ファウスト!! っぐ、」

闇弾を放ち続けていたふたりの胴にベベルガの光線が直撃する。ファウストは倒れ込み、メフィストも片膝を着かされた。

 

「そうだよな……向こうは手が空いてんだ。これくらい……やってくるか……」

メフィストは槍を見る。

「こんだけハッキリ見えてんだ。急所をはずす

理由が無ぇ。そうだろ」

そしてそれをサイドスローで投擲した。

 

──キョ………………

 

飛んでくる槍が見えたのかベベルガは手を伸ばしたが、それを弾くことは出来ずに頭を貫通された。

 

しかし、

「なぜ倒れない……?」

頭を槍が貫通したままのベベルガがメフィストへと掴みかかった。

 

──キョ……キョキキキキッ…………

 

「くそっ、、この死に損ないが!!」メフィストは逃れようと藻掻く。相手は腕一本だというのに何故か振り払えない。

そのままベベルガは体内にエネルギーを溜めていく。そして

 

──キキキキキキキキッ、、ギャ!!

 

爆発。

 

〜*〜*〜

 

「ベベルガ、自爆しました!!」

「ベベルガにそんな能力は無いっす!!」

「彼らの生体反応と周辺一帯への被害は!」

「生体反応……かろうじてふたりとも確認できます! 周辺被害は……ありません、結界すげえ……」

「ベベルガはどうなったの」

「ベベルガとおぼしき生体反応確認。しかし……」

モニター映像の中の煙が晴れていく。現れたのは先程までの、どことなくサンタクロースを思わせるカラーリングの怪獣ではなかった。四つ目に、ツノを持ち、どろどろとした怨念のような怪獣だった。

「ベベルガじゃない!!」

「別の怪獣……だと」

 

光彦がガタりと立ち上がる。と同時に、それを引き止めるように祈織が光彦の手を掴んだ。

「─放せ、ローズ─」

「ダメです」

「放せと言っている!!」

「ととさまは行っちゃダメです!!」

「このっ…………!」

祈織を力づくで取り払うために振り上げたもう片方の手は、振り下ろされることなく止められた。

 

「何のつもりだ、人間……」

「それは流石に見過ごせねえ。子供に向けていいもんじゃねえぞ」

人間態のザギと比べてもだいぶガタイのいい、ゴジュウギ隊員にその手が止められていたのだ。彼の目元を覆い隠す前髪の隙間から、怒りを浮かべた目がザギを見下ろす。

 

「何が子供だ。見せ掛けだけだ。こいつは貴様ら人間よりずっと永く、千……、下手をすれば億の時を存在した個体だ」

「だがそれでも、わざわざ子供の姿なんだ。少しの間接しただけでも分かる。こいつは紛れもない子供だ」

「俺がこの姿にした。こいつの意思など関係無い」

「それならばお前から見てもこいつはまだ子供だと言うことだろ。尚更見過ごせねえ」

「ぎぃ………………、もういい、放せ」

「…………」

「放せと言っている」光彦はゴジュウギ隊員に冷たく言い放ち、サイコキネシスで無理矢理手を開かせた。掴まれていた箇所が若干痣っぽくなっているのを見、舌打ちをする。

下ろされた拳は怒りに震えるように強く握り込まれていた。

 

「ととさまは行かないでください」祈織は何度も懇願する。

「何故とめる」

「まだふたりは負けてないからです」

「あそこからどうアレに勝つ? あいつらはもう限界だ」

「それは……」

 

〜*〜*〜

 

爆発を至近距離でくらい瀕死のメフィスト、かろうじて再び立ち上がったファウストは、ベベルガだった怪獣へと立ち向かっていた。

 

「くそ、なんでこう毎度毎度爆発沙汰なんだ」

「悪かったな。私達の我儘に付き合わせて」

「全くだ」

 

先程までのベベルガの氷結攻撃とはうってかわり、パイロキネシス……爆発といった真反対の攻撃をふたりは受けている。それは時期も相まって……、

「リア充爆発しろってか?」

「はぁ!? なぜ私とおま…………、私と、私を殺したこの人が!? 私が好きなのは孤門くん! この人じゃないわ!!」

「文句なら後でいくらでも聞いてやる。戦闘中くらいファウストに集中させてやってくれ」

「わかったわ。…………で、どうする。お互い限界だろう」

「どうもこうも、やるしかねえだろ!」

メフィストはネビュラムに呼びかけ、クローを展開する。今度は上手くいったようだ。

 

ふたりとも体力は限界だ。下手に光線技は使えない。やむを得ず肉弾戦へと持ち込む。

だが、ふれれば爆発、離れても粘液を燃やされて爆発と、その様は一方的であった。

 

〜*〜*〜

 

「パパ!」

突然作戦室の扉が開いたかと思うと、イチミヤ隊長の息子がここに入ってきてしまった。

 

「カナト! どうしてここに!? いや、どうやってここまで……。あそこで待ってなさいって言っただろう」

託児所から見て作戦室は子供が一人で来れる場所かというと、そうではないはずなのだ。誰か協力者が居たのか、そんなはずは……。

 

「居るんでしょ! ウルトラマン!! 聞こえたんだ、みんなの力を貸して、って!」

 

カナトの言葉に隊員達は顔を見合わせる。彼らはウルトラマンでなく闇の巨人である。なにより、なぜ……なぜこの子が彼らの存在を、彼らが今戦っていることを知っている? ゴジュウギ隊員が先陣を切って質問をする。

 

「カナトくん、お兄さんに教えてくれないかな。なんでウルトラマンが居るってわかったんだい?」

「だってみんな今テレビとかスマホとかで観てるもん」

「……! ちょっと見せてくれるかな」

「ほら」

カナトが手にしたスマホをゴジュウギ隊員に手渡す。ほか三人もそれを覗き込んだ。

「これは……」

「モニターのと同じっすね」

冬空に黒い地面。それはモニターに映された、撮影者不明の映像と全く同じ風景であった。

「この電波ジャックはうちだけじゃないってことなの?」

「どうやらそうらしい。まさか全国に……?」

 

「みんな知ってるもん! ウルトラマンはぼくたちのために戦ってくれてるんでしょ!」

「だったら応援しなきゃ。応援はね、ウルトラマンの力になるんだよ! みんなもきっと応援してるけど、もっともっと応援するんだ!」

 

〜*〜*〜

 

ふたりは怪獣を前にコアが点滅するほどに追い詰められていた。

「くそ……ッ。どうやって倒せってんだ」

「やはり撃つか……?」

「これ以上戦闘を続けられない。やむを得ない……か……」

メフィストが最後の判断をしかけたところ……

 

 

─ がんばれ ─

 

 

声が聞こえた。

気のせいではない? ふたりは顔を見合わせる。

 

 

─ がんばれ ウルトラマン ─

 

 

子供の声だ。

どんどん増えていく。

 

 

─ がんばれ ─

─ がんばって ─

─ ウルトラマン ─

 

 

「ウルトラマン、か……」

「はは、むず痒いな……」

自分たちはウルトラマンではなくウルティノイド。そして光ではなく闇である。それがまさか、応援を、されることになるとは。

 

『メフィスト! ファウスト! がんばってください! ほら、ととさまもふたりを応援してください! 頑張れ、って!』

 

通信に祈織の声が乗る。なにやら光彦のことも巻き込むつもりらしい。

 

『がん……ばれ……?』

『そうです! がんばれ、です!! もっともっと、気持ちを込めて!!』

 

祈織にめちゃくちゃにされている光彦を想像し、ファウストは笑った。

 

『─……がんばれ……─』

「「!!」」

通信ではなく、テレパシーで小さく届いた光彦の言葉にふたりは驚いた。そしてそんなふたりを闇の波動が包み込む。

「これは……」「ザギ様……!」

ザギ・ウェーブ。光彦が遠隔で使った回復光線によりふたりのエネルギーは回復された。

 

『……このザギの闇を分け生み出したお前たちの力……こんなものではないと示してみせろ!!』

 

光彦─ザギ─の激励にふたりは立ち上がる。

「メフィスト、まだやれるな?」

「ふっ、勿論…………、ファウスト、その腕輪どうしたんだ」

ファウストのブレスレットが光り輝いている。

ふたりが闇であるために上手く受け取れなかった光を、ブレスレットが代わりに受け取っていたのだ。

 

─ ⠕⠊⠳⠕⠃⠐⠟⠹⠡(倒したいですか) ─

 

「……たおし……たい……。私達は……あの怪獣をたおしたい!!」

 

─ ⠄⠡⠓⠵⠳⠕(わかりました) ─

 

ブレスレットが一段と輝く。すると、それに共鳴するように、結界を構成するネビュラムの星光が強まってきた。

 

「メフィスト、少し時間を稼げないか。どうやら溜めが必要らしい」

「いけるんだな」

「ああ、恐らく」

「撃つ時に合図出せよ。巻き添えで死ぬのは御免だ」

メフィストはそう伝えると、怪獣の前へと飛び出した。

 

「ゴジュウギ隊員、このフィールド内は今どうなっている」ファウストが通信へ乗せ問い掛ける。

『どう、というと?』

「蓄積エネルギーだ。動きは見えるか」

『確認します。……これは……、ファウストさんに向かって集約されています。こんなにエネルギーが溜まっていたのか……』

「やはりか。我等の攻撃も、怪獣の攻撃も、このフィールドに吸収されているような気がしていたのだ。これを全て、アレに向けて放つ……!」

 

ファウストは左の拳を前に突き出し、右手は胸と水平にして左腕に添え、腰を低く構える。光輝くブレスレットが、ファウストの左腕を基とした砲身へと形を変えていく。さらに、フィールドそのものであるネビュラムが管となりそれに接続されていく。エネルギーは充分。後は、狙って、狙って……。

 

「メフィスト!!」

「応ッ」

 

怪獣を足止めしていたメフィストはテレポートでファウストの後方へ離脱する。その直後、

 

 

─ 大星雲の願い星(カノン・オブ・ネビュラリウム) ─

 

 

とてつもない質量の光線が怪獣へ向かって放たれる。放つこと自体はできた、だがあまりの威力にファウストの射線はブレにブレている。

何をすべきかメフィストは即座に察した。

 

ローズにしたときと同じく。メフィストはファウストの背に左手を、左手首に右手を添えて支える。徒に放たれるだけであったエネルギーの形を整え、威力と正確性を高める……。

 

怪獣は始めこそ自らの熱光線で耐えていたものの、メフィストか加わったことによりあっという間に押し切られ、被撃、爆散した。

 

::::

 

::::

 

──数日後──

 

豪雪怪獣ベベルガ改め、爆撃怨霊ドンドロが倒されたことにより北海道支部主催のクリスマス会は無事開催中である。

 

オールナイト系イベントであるため、夜でも人の声は止まずにいた。体力の際限なくはしゃぎ回る祈織を眞也とゴジュウギ隊員に押し付け、光彦はロッカク隊員を捜す。

他三人と話し、今晩中にこの星を発つと決めたのだ。彼と話せるのはこれが最後であった。

 

ロッカクという男は捜そうとすると案外見付からないものであった。光彦は人の気のないほうへと誘い出されていく。

そこの角に彼が居そうな気がする。光彦がそこへと近付くと、その角からにょきっとビーフジャーキーが生えて出た。

 

「貴様に話がある。貴様にだけだ。他の人間は呼ぶな。記録もするな」

「そんな気がしたからここまで連れてきたんすよ。俺、誘導上手いでしょ?」

 

〜*〜*〜

 

周囲から死角になる位置に光彦は立つと話し始める。

「貴様は……、俺を知りたい、と言ったな。俺の全てを見る覚悟はあるか」

「見せてくれるんすね」

「覚悟はあるかと聞いている」

「勿論です」

 

ロッカクの応えを聞くと光彦は擬態を解き、人間大で本来の姿を見せてやった。

「かっこいいっす。やっぱり」

「ふん、所詮はノアの形写しにすぎん」

「これから貴様とこのザギの精神を融合させる。貴様は何を見、何を思ったか、恐れずに答えろ。いいな」

黙って頷いたロッカクの頭をザギは掴んだ。

精神の融合。完全に融合しきるつもりは無いため、数分程度で解除してやる。その数分間の間、ザギからも少しだけロッカクという男を覗いた。

 

ザギの手から解放されたロッカクは、暫く放心したのちに口を開く。

 

「紛れもない(クズ)っすね!!」

「ア゙ッ゙!?」あまりにもキッパリ言われたものだから流石のザギも少し驚いたようだ。

 

「って……、思ったんすけどね。なんだか少し安心しました。思ってたより人間臭くて」

人間と言われ、ザギの纏う空気がピリついたのをロッカクは感じていた。

「ええ、言いましたよ。『人間臭い』って。人間みたいに、考えて、悩んで、苦しんで、間違えて。それでもここまで生きてきた」

 

「惜しむらくはあなたに……「山おじのような存在が無かったこと、だろう」あれ? なんで知ってんすか。あ〜、これお互い見えちゃうんだ、へぇ」

精神融合の副作用? を体験したロッカクは面白そうな顔をする。

 

「山おじは、兄貴と比べられまくって荒れてた頃の俺を救ってくれた恩人っすから。あの人と一緒に狩りをするために狩猟免許だって取ったんすからね!」

 

まあ、先にぶっ壊れて獣になったのは兄貴のほうでしたけど。と、ロッカクは目を沈めた。

 

「けれど今のあなたにとっては、あの子が……きっとそうっすね」

「あなたと一緒に居た祈織という子供……。俺はあの子は苦手っす。なんだか、神様の作った機械のようで。言葉も心も通じてるはずなのに、なにかがある。本人も知らないのか、忘れているのか、それとも隠しているのか」

「それでも、あなたにはあの子が必要だ。あなたをあなたとして大切にしてくれる人を、これからも大切にするといいと思います。あなたは気付いてる。だからあと少しっす」

 

 

「あと俺ね、人間が嫌いなんすよ。だのに、俺の体は、目の前の人を護ろうと、助けようと動いてしまう」

「気がついたら動いてるもんなんすよ、体ってのは。人ならばね。ウルトラマンだってもしかしたら……。や、ただの想像っすよ」

 

一通り話したいことは話しきったようで、ロッカクは伸びをした。

「いや〜、お陰で長年の夢が叶ったっす! ありがとうございました」

今ここで死んでも成仏できそう、とロッカクは満足気な顔で言う。

そんなロッカクにザギはあるひとつの提案を持ちかける。

 

 

鹿角(ロッカク)鋒人(サキト)、貴様は……力が欲しいか」

 

 

ザギの問いに、鹿角は困ったように笑う。

「ウルトラマンのような力を、というのなら、俺は要らないっす」

「なぜ?」

「その力は俺には重すぎる。力を得てしまえば俺はきっと人ではいられなくなる。俺には光線銃とライフルで十分過ぎるんすよ。けど……」

 

「俺の体が必要になったら使っていいっすからね。ザギ、あなたであれば大歓迎です」

鹿角はザギに握手を求めるように手を差し出す。

「ハッ、ただの人間が言ってくれるわ」

ザギはその手を乱暴ながらにも掴む。

「貴様が死ぬ時には教えろ。貴様を喰らってこのザギの一部にしてやる」

「もし出来たらそうさせてもらうっすよ」

 

ザギはほんの少しだけ嬉しそうな様子を見せると、ロッカク隊員に背を向け飛び立った。

 

::::

 

::::

 

──宇宙空間──

 

ザギはメフィスト、ファウスト、ローズの三人を待っていた。

 

「遅いぞ」

「申し訳ありません。人間の子供たちに捕まってしまって……」

「結局、姿を見せたのか」

ファウストは苦笑い、メフィストはばつが悪そうにしてそれに返答した。

 

「ふん、まあ良い」

 

「ファウスト、満足したか?」

「充分に。優遇していただき、ありがとうございました」

「構うな。俺も、面白いものが見れたからな」

どうやら今回の言い出しっぺであるファウストだけでなく、ザギも楽しめたらしい。

「ザギ様いつもよりご機嫌ですね! 私も嬉しいです」

そんなザギを見てローズはもちろんニコニコである。

 

「そろそろまたノアに勝負を仕掛ける。光の国へ戻るぞ」

「はい!」「「はっ!」」

ローズの中に三人は納まり、旅を再開した。





─Result─
【祝杯はホールのケーキで】
たいせつなもの『星空のブレスレット』を手に入れた。
ローズがファウストへ渡したネビュラム結晶の腕輪。子供たちの声援を受け取り、とても強い光の力を持つようになった。
実績『人か獣か』を解除した。
実績『放て! 願いの流星!』を解除した。
実績『死ぬ時は言え』を解除した。

//////////

一日中出かけてたので更新遅れました。
あと一話で闇宙飛行編が終わります。この後にキャラクターデータ更新、質問コーナーを挟み次の編へと移ります。が、ここで暫しお休みをもらいます。
またpixivでの更新には追いついていませんが、向こうの分も暫し休憩(書き溜め)が入る予定なのです。
夏コミ原稿もありますので、応援をよろしくお願いします! 質問とコメント待ってます。
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