子連れの獣に 聞く耳無し
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ザギの元へタルタロスが押しかけてきた話。
深い海の星へと向かう途中の出来事です。
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ザギの並行同位体のくだりは完全に捏造です。過去のショーで居たりしたのかな。
目的の星へと向かうさなか、別の静かな星へと降り立ちザギ達は休息を取っていた。ニアにエネルギーを分け与えたために消耗していた上、ここまで飛び続けだったローズはファウストに体を預け、眠りについている。こうなるとローズネビュラに頼っている知覚の全てを閉ざしてしまうため、自然に起きるのを待つしかない。
見張りをするように立つザギとメフィスト。するとザギが何者かの気配を察知し、そちらへ光弾を放つ。
「随分な歓迎だな、暗黒破壊神ダークザギ」
その光弾を弾き、襲撃者が姿を現した。
「このザギの傍に無許可で寄ったのだ。これくらいされて当然と思え」
「いやはや、この傍若無人ぶり。あのノアが手に余らせるのにも頷けるな」
「なぜ貴様からノアの名が出る」
襲撃者がノアの名を出したためにザギは敵意を強める。
「私はお前を探しに来たのだ。ノアを倒しうる可能性を持つ者であるお前を」
襲撃者はザギへと手を差し向ける。
「欲しくはないか。ノアを超える力を」
「何?」
「ノアは我々の道の妨げとなる。それを打ち砕く存在を我々は欲しているのだ。ノアを倒したいのは貴様も同じだろう、手を組まないか」
「…………」ザギは黙り、相手を見定める。
「貴様はノアを追い続け、力を取り戻してはノアに挑み、そしてその度に敗れている。過去には人間に敗れたこともあるそうだな。同じことを繰り返すだけでは駄目だと思わないか」
「我々と手を組もうダークザギ。そうすればお前はさらに強力な力を得ることが出来る。そしてノアを倒し、お前は紛い物から本物へと…………ガッ!?」
紛い物という言葉に反応したのか、ザギが襲撃者の腹部に重い蹴りを入れた。その瞬間に放った怒気を一度飲み込むと、ザギは静かに口を開く。
「そうか貴様が、光の奴らが言っていたアブソリューティアンか……」
並行同位体を手駒に、光の戦士達と敵対する戦士─アブソリュートタルタロス─。光の国に滞在していた時期にウルトラマン達から話は聞いていたのだ。
「他所へ行け。貴様に関わるつもりは無い」
考えたくは無いが、別の自分に誘いかけても結果は同じだろうがな。とザギは軽くあしらう。
「見つからなかったのだ」
「何?」
「お前の並行同位体は見つけられなかった。恐らくはノアの影響だろう。時空を超え存在するノア……。その存在が根底にある貴様の並行同位体が見つからないのにも納得がいく」
そもそもお前自体、あまりにも見つからないせいでその存在の有無すらも疑っていたがな。とタルタロスは付け加えた。
「並行同位体が存在しない……?」
では奴はいったい何だったのか。ザギは先日出会った【彼】のことを思い出す。【彼】はタルタロスの手により発生した並行同位体なのだろうかと、加えて【彼】の言っていた【闇】は自分に相当する存在のはずだと考えていたのだが……。
「ノア……もしくはネクサスには会ったのか?」
「遭遇はしたが惑星バベルでの一度きりだ」
「ほう、奴は出たのか。貴様の前に」
タルタロスの口ぶりに、【彼】とは関わりがないのだろうと判断し、ザギはタルタロスへの対応を変える。
「で、どうした。俺にしたようにノアを勧誘でもしたのか? いいや、始めから目的は奴の排除だったはず。それに失敗したからこそ、このザギの力を頼ってきたか」
嘲笑を浮かべ、ザギはタルタロスを見下す。
「目の付け所は正解だ」
「では我々と共に来……「だが、去ね」……何!?」
「二度は言わん。俺はもう貴様に興味は無い。早急に俺達の前から姿を消せ」
「力は要らぬと、そう言うのかダークザギ!」
「去ねと言ったはずだ!!」
怒号と共に発動されるザギ・ギャラクシー。無数の隕石群がタルタロスを襲った。さすがのタルタロスもこれには撤退する他なかった。
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休息の邪魔者が去り、辺りは再び静かなった。
「ザギ様……奴の誘いを断ってしまってよろしかったのですか……? ザギ様が更に力を得ればノアを……」
「そんなもので簡単にノアを超えられるのなら、とっくに俺は奴を倒しているはずだ。それに今は……」
残念そうに言うメフィストを窘めると、ザギは向こうでまだ眠りの中のローズを見遣った。
「………………、いや。なんでもない」
─Result─
実績『俺はこの俺一人だけ』を解除した。
実績『今はこいつを』を解除した。
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二話とも短いため今週は二話更新です。