TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第10話 アリババ

「でやあああっ!」

 

 俺はヴァーチャル・トレーナーレベル7の標的の、グリーンドラゴンを相手に良い勝負を繰り広げていた。

 

 やっぱ地道な努力は大事だな。

 言われた通りコツコツやっていたら、10段階の難易度のうち、レベル7にまで到達したんだ。

 

 ゴオオオオオ!!

 

 吠える茶色の角を生やした緑色のオオトカゲ……グリーンドラゴン。

 

 このグリーンドラゴンは、何か特定の悪魔のシミュレーションじゃ無い。

 ただの標的として設定されたプログラムだ。

 

 ……多分、レベル6以降に設定できる現実的に脅威な悪魔が居なかったせいなのかね?

 なんだかんだ言って、TOKYOミレニアムは平和だもんな。

 

 グリーンドラゴンは口から火炎を吐きだす。

 最初はこれも対処できずに丸焼きにされてたけど、今ではだいぶ戦い慣れて回避は可能。

 

 グリーンドラゴンが火炎を吐きだしたら、少し動きが鈍くなる。

 そこが狙い目。

 

 一気に間合いを詰めて、首の付け根……

 弱点として設定されてる鱗の生え方が歪になってる部分に剣を突き立てた。

 

 グアーッ!

 

 グリーンドラゴンの悲鳴。

 同時にデータの破片になって消えてしまう。

 

 ……よし。

 勝てた。

 

 俺、着実に力をつけてきている。

 

 ……そろそろ8レベルに挑戦してみるか。

 10レベルが楽勝になったら、次は何をするのかな?

 

 そんなことを考える。

 ヴァーチャル・トレーナーが終了されて、現実に戻る瞬間を待ちながら。

 

 だけどそこに

 

「オマエ、私を探していたんだって?」

 

 ……いきなりだ。

 

 この、個人の修行空間であるヴァーチャル・トレーナーの電脳空間に、侵入者があったんだ。

 

 ギョッとした。

 

 弾かれたようにそちらを見ると

 

 ……女子が居たんだ。

 

 オレンジ色のロングヘアの、小柄な眼鏡の少女が。

 服装は全身をピッチリ覆うような黒いラバースーツ。

 

 ……誰だよコイツ?

 

 格好は女だけど、ホントに女かどうか分からない。

 ここ、電脳空間だからアバターだしな。

 

 だから俺は

 

「お前誰?」

 

 特に気を遣わずに訊ねる。

 大体、これって違法じゃね?

 

 通信関係の法律は良く知らないけどさ。

 所謂ハッキングってやつじゃないのかな?

 

 そしたらさ

 

「私はアリババだ」

 

 えっ?

 

 さすがに驚く。

 

「……ホントに?」

 

 ライドウに会うまで、探し求めていた相手だし。

 すると自称アリババは頷いて

 

「ちょっと面白半分でエインフェリアーズのコンピューターをハックしたら、私のことを探していた少年をガイア教徒の生贄に差し出したって記録を見つけてしまってさぁ」

 

 何だか楽しそうに語ったんだ。

 

 偶然、自分を探し求めていた俺の存在を知って。

 遊びで現在の俺がどうなってるのか特定しようとしたんだとか。

 

 ……ヒマか?

 

 すごいと思うと同時に。

 俺は少し呆れた。

 

 ……だけど

 

「ああ、外の世界に関しては気にしなくていいぞ。認識の速度を上げてるから、向こうはこっちのやりとりを観測できん」

 

 俺が周囲を見回し、何かを気にしているふうだからか

 

 アリババがそんなことを言ってくる。

 どういうことなのかよく分からんけど……

 

 つまり……ようはライドウに聞こえないってことなんだな?

 

「で……」

 

 そう、色々出された情報を整理している俺に。

 アリババは言った。

 

「何で私を探してたんだ?」




今頃だけど、アリババに接触できた主人公。

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