TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話 作:XX(旧山川海のすけ)
翼だと……?
コイツひょっとして……
「……調子に乗るのではないですよ。くだらぬ
固まっている俺の目の前で
ゆらり、と身を起こし
そして羽ばたき、浮かび上がり
そこで、ヘットはその正体を現した。
白いパンツスーツの女の姿から
白い法衣を身に纏い、顔面を護るような武骨な青白い仮面を被った天使の姿に。
俺が天使だと判断したのは、その頭の上に眩い光の輪があったから。
「……お前、人間じゃなかったのか」
動揺が抑えられない。
そんな俺の様子に幾分かその怒りが収まったのか
「……我が名は大天使マスティマ。温情で手を抜いてあげていたのに、思い上がるのは良くありませんね」
落ち着き払った声だった。
その肩に負わせた傷も、すっかり癒えているようだった。
俺は
「メシア教には天使が味方しているのか!? 何が天使だ! 神の
衝動のままにそう叫ぶが
マスティマは
「口を慎みなさい堕落した者よ」
静かに、有無を言わさぬ声音で被せて来た。
そしてこう続ける。
「……確かに現在のメシア教の在り方は良くはありませんね。ですが……」
ここまで完成された組織を、方向性が少し誤っているからと打ち壊すのは愚策なんですよ。
同じ規模の組織を作るのにどれだけかかると思っているのですか?
いや、もう出来ないかもしれない。
……ならば
改革しか無いのですよ。
分かりましたか? くだらぬ土塊。
……それが大天使マスティマの言い分。
今のメシア教の在り方は間違っているが、それは方向性の違いである。
方向性が間違っているのであれば修正すれば良い。
なので壊されるわけにはいかない。
……そう言いたいわけか。
ファクトリーで要らない人間をスレイブに改造し。
ヴァルハラエリアを消滅させ。
そして今、ホーリータウンに毒ガスを流そうとし。
さらにはライドウの人生をトロフィー扱いにし、思う通りでは無いからという理由で亡き者にしようとしている。
それが「方向性の違い」だと?
……ふざけるな!
「分かってたまるか! このエセ天使がぁ!」
俺は風神剣を構えてマスティマに突っ込み
唐竹、切り上げ、袈裟斬り……
縦横無尽の斬撃を繰り出すが
マスティマは羽ばたき、宙を舞い
「口を慎めと言ったはずですよ!」
躱しざまに腕を振り、衝撃魔法を繰り出した。
襲ってくるその衝撃波を
『サダハル!』
風神剣に宿ったアマノザコが幾分か軽減してくれたが。
吹き飛ばされ、俺はコンクリートの壁に叩きつけられた。
「グアッ!」
俺の声にマスティマは嗤う。
そして
「残りの罪は地獄で償うのですね」
とどめとばかりに両手を向け
魔法を……
そのときだ。
マスティマが視線を俺から外した。
向いているのは、地下世界直通エレベーター。
それが……
動き出したんだ。
超高速でエレベーターの籠が地下世界に下り。
続いてそのまま上がって来る。
……誰かが地下世界から上がって来る……
誰だ……?
地下世界から誰が来るのか……?
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