TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第102話 戻って来た救世主

「ええい、誰ですか……? 地下からここにやって来るなんて」

 

 マスティマはエレベーターの突然の起動に動揺し固まったが

 

 すぐに気を取り直し。

 羽ばたき、舞い上がり

 

 高い位置からエレベーターの扉を見つめる。

 

 開いた瞬間、攻撃を掛けるつもりなのか両手を向けながら。

 

 そして

 

 エレベーターの扉上のランプが、点灯して籠がここまで上昇したことを知らせる。

 

 チーン、という音がして

 

 その扉が開く……寸前だった。

 

 突如、扉の前に魔法陣が2つ出現する。

 召喚の魔法陣……!

 

 中の人物がやったのか……?

 

 その魔法陣から呼び出されるもの。

 それは……

 

 真っ青な体色の、巨大な蠅。

 複眼の色は真紅で、頭部には虎の皮のような模様がある。

 背中には4枚の羽根。

 羽根には髑髏の模様が。

 

 そして後ろ足2本で直立し、前四本を腕として使い。

 その手の1つに、髑髏の装飾が吐いた杖を握っている。

 

 髑髏の首飾りを首に掛け、そいつは言う

 

「……ほほう。召喚主の危惧が的中するとはな。面白いでは無いか……」

 

 威厳のある声でそう呟く巨大蠅。

 コイツは……きっと魔王だ。

 

 そのクラスの大悪魔……!

 

 そしてもう1つの魔法陣からは

 

 漆黒の竜が出現した。

 巨大な蝙蝠の翼を持ち、ワニに似た顔をしていた。

 

 だが目が真っ白で。

 感情というものが感じ取れない。

 

 異質で、理解不能の危険な竜……

 

 その2体の悪魔を目にして、マスティマは叫んだ。

 

「魔王ベルゼブブに邪神セトだと……!? 何故お前たちがここに!?」

 

 その叫びと同時だった。

 

 エレベーターの扉が開き、中から男女が飛び出して来る。

 

 それは……

 

 金髪の派手目の女と、黒髪長髪の鷹のように凛々しい男……

 

 ヒロコと……アレフだ!

 

 

 

「ヒロコ! アレフ!」

 

 俺の声に2人は反応した。

 ここに上がって来ていきなり俺と遭遇したことに、2人は明らかに驚いていた。

 

「サダハル! いきなり君に出会うなんて俺は運がいい!」

 

「話はあとだ! 今、そこの天使が俺たちの邪魔をしている! 一緒に倒そう!」

 

 俺の顔を見て喜びの表情を浮かべる2人に、俺はそう言い放ち。

 すぐに理解してくれた2人が行動を開始する。

 

 アレフは日本刀に似た剣を抜き放ち

 

 ヒロコは

 

「喰らいなさいッ!」

 

 その手から、光の球を撃ち出した。

 マスティマは羽ばたいてその直撃を避けようとするが

 

 外れたと思った瞬間

 

 光の球は爆ぜ、マスティマを飲み込んだ。

 

「グアーッ!」

 

 マスティマの悲鳴が響き渡る。

 そして魔王ベルゼブブが

 

「さあ、死ぬがいい」

 

 その杖から、夥しい数の蠅の群れを呼び出して

 

 マスティマに嗾けた。

 マスティマの表情に、明らかに焦りが浮かんだ。

 

「お、おのれっ!」

 

 悔しさを滲ませてそう叫び

 

「20代目! 退きますよッ! 分かってますね!?」

 

 なりふり構わず飛び出して、このエレベータールームから逃亡する。

 俺は阻止しようとしたが、間に合わなかった。

 

 20代目がそれを援護したからだ。

 スピリット剣でマスティマの逃亡のために壁に穴をあけたんだよ。

 

 そしてその前に立ち塞がる。

 マスティマはそこから飛び出して行った。

 

 ……マスティマは「自分だけが」退くつもりなのか。

 クソ野郎が……!

 

 俺は風神剣を握り直した。




マシン・クグツライドウだけが残される……

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