TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第107話 メギド・アーク

「メギド・アークって何だ?」

 

 俺の言葉に。

 目加田氏は目を伏せた。

 

 数瞬そのまま沈黙し。

 

 意を決したように口を開く。

 

 彼が言ったことは――

 

「センターが(きた)るべき日に、地上の命を一掃するために開発を決意した殺戮兵器だ」

 

 センターは選ばれたセンター市民を箱舟に乗せ、宇宙に移動し。

 そこから地球……つまり地上世界を全て焼き払うつもりで。

 

 その目的を果たすために開発を決めたという。

 

 科学と魔術を融合させた光学兵器らしく。

 地球に照射すれば、地球の生命は全て死を迎え、土に還るそうだ。

 

 回避不能。

 ちなみに魔術的な側面もある兵器なので。

 

 照射された光を浴びなければ何も問題ないとか、そんな逃げ道は皆無。

 対象として浴びせられた、ということが重要で。

 地球に照射されたらそこで終わり。

 

 ……この行為を、センターの奴らは「浄化(イレース)」と呼ぶらしい。

 

 そこまで聞いて

 俺は

 

 ……なんてものを作るんだ、あいつら……!

 

 震えた。

 

 俺は自分の血の気が引いていくのを自分で感じながら

 

「じゃあ、この瞬間にもセンターの奴らが地球外に脱出準備をしているかもしれないって、そういうことかよ……!」

 

 俺の言葉に目加田は頷く。

 とても苦しそうな顔で

 

「……正直に言おう。私も開発に関わった。だから知っているんだ」

 

 申し訳ない。

 こんな言葉で償える問題では無いが……

 

 謝罪する目加田の顔は苦渋に満ちていた。

 

「……それはもういい。それよりもグズグズしている時間が全く無いことだけは分かった」

 

 ライドウは目加田氏にそう言って

 続けて

 

「大至急、強襲を掛けよう。そのためには陽動部隊を編成しないと駄目だ。……さっき目加田さんが言ったとおりに」

 

 目加田氏の提案を引き継ぐ形で

 話を進めた。

 

 

 

 そして

 次の日。

 

 上野の初代ゴトウ像の前の広場で。

 

「陽動の方は任せてくれ」

 

 戦闘服と般若の面を身に着けたトキが俺たちにそう言ってくる。

 

 俺たちは、あの会議のもう次の日にはセンターに潜入し、元老院を完全に潰す計画を立てて実行に移していた。

 じっくり作戦を練ってる時間が無いんだ。

 

 陽動役はトキがしてくれることになった。

 後楽園闘技場の地下最大トーナメントに勝ち残った闘技者を中心にした陽動部隊。

 

 全員が全員、来てくれたわけじゃないけど、頼もしくはある。

 

 弱者じゃないはずだしな。

 

「センターの企みが成就する科学的根拠は無いことを、私の身で証明してやる」

 

 陽動役に加わってくれる闘技者の1人で。

 右腕を機械化している中年の眼鏡男性・大月氏がそんなことを言いつつ(たぎ)っていた。

 トーナメントで戦ったときは異常者だと思って戦慄していたが。

 

 味方の場合は頼もしいよな。

 

 きっと大暴れしてセンターの目をくぎ付けにしてくれるはずだ。

 

「では、グズグズしている時間は無い。行こう」

 

 アレフの号令。

 

 俺とライドウは元老院を。

 

 そしてアレフとヒロコ、ザインはメギド・アークの破壊を受け持つ。

 

 ――さぁ、絶対に勝つぞ!




メギド・アークさえ潰せば箱舟は安全なんよ。

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