TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第108話 君さえいれば

 センターへの陽動部隊の派兵は、ファクトリーエリアとホーリータウンエリアの通路から行った。

 

 俺たちはヴァルハラエリアの通路から向かう。

 

 ヴァルハラエリアは一度消滅したエリアだから、重点的に見られないかもしれない。

 それだけの考えなんだけど。

 

 幸いというかなんというか、迎撃はされなかった。

 

 センターのエリアに出ると、そこらじゅうで破壊活動が起きていた。

 小奇麗なショーウインドウが割られ、略奪も起きているようだ。

 

 ……正直、気分は良くないが。

 止めさせる時間も余裕も無い。

 

 俺たちはガイア教徒の陽動部隊の破壊活動に紛れ、センター中央タワーに辿り着き。

 

 道中のテンプルナイトの死体から引っぺがした服で変装していたので、真正面から乗り込む。

 センター中央タワーにもガイア教徒が入り込んでて、中は騒然としていた。

 

 センター中央タワーで暴れていたのは、カメンヒジリ……そしてアサシンだ。

 笠を被った男たちが戦っている。

 

 カメンヒジリが手持ちの仮面を次々に付け替え、悪魔を自分に憑依させ

 

「覇ぁ!」

 

 衝撃魔法を放ち、襲ってくる剣撃を反射し、あるいは魔法も反射した。

 

 カメンヒジリは仮面から悪魔の力を借り受けて戦う魔法使い。

 

 そしてアサシンは、魔法に依らず白兵戦のみで1対多で戦い抜く戦士なんだ。

 

 数は少ないが、死体の山を築いていた。

 

 おそらく彼ら、生きて帰ることは考えちゃいないな……

 

 助力は当然しない。

 俺たちの役目はそうじゃないんだ。

 

 心で感謝しつつ、俺たちはアレフとザインのが先導していく道を辿り、エレベーターに直行した。

 

 2人はセンター中央タワーに来た経験があるというか……ザインは普通にここに居たからね。

 完璧だった。

 

 エレベーターに乗るのには多少勇気が要った。

 潜入の関係上、使わないわけにはいかないし。

 

 顔を伏せ、発覚しないことを願いながら俺たちは20階を目指す。

 

 もし途中でエレベーターを止められたら、そのときは天井を破って無理矢理進むしか無いんだよな……

 

 そう思いつつ、エレベーターの動きを点灯するランプの位置で見守る。

 

 そして

 

 チーンという音と共に。

 扉が開き。

 

 俺たちは20階に到着した。

 

 

 

 ここから先は階段を使うんだ。

 

 まず、そこでコードIDの扉がある。

 

 俺たちが別行動になるのは22階……

 

「なぁ、ライドウ」

 

「……なんだ?」

 

 俺の言葉に、ライドウは階段を目指して歩きながらそう返す。

 俺は

 

「ザインやアレフに今のうちに言っておきたいことがあるなら言っておいた方が良いぞ」

 

 元々、センターの組織に長くいたのはライドウだ。

 俺とは違って色々あるだろ。

 

 だけど

 

「……無いよ」

 

 そう静かに、穏やかに。

 

「本当に無いのか? 次は無いかもしれないぞ?」

 

「別に良いんだ……」

 

 君さえいれば、今の私は別に良い。

 

 その言葉を聞いたとき。

 俺は

 

 心の底から嬉しかった。




最終決戦が迫る。

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