TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話 作:XX(旧山川海のすけ)
『裁きの時間です』
メルカバーはその言葉とともに、雷撃をその手から撃ち出して来た。
稲光が迸る。
咄嗟にオオヤマツミが前に進み出て、その雷撃魔法をその身で受け止める。
「この程度、耐えられるわ。見縊るでない」
オオヤマツミの不敵な声。
さすがオオヤマツミ。
俺たちは彼の後ろに隠れ雷撃をやり過ごした後。
散ってメルカバーを討つために動き出した。
メルカバーの雷撃に耐えるオオヤマツミに、背後に隠れたコノハナサクヤが回復魔法を掛けている。
コノハナサクヤは電撃が弱点だったな。
あの親子に集中している間に、こちらも動かないと。
雷撃攻撃を継続しながら。
メルカバーは、何対もあるその翼で大きく羽ばたいた。
そして高い位置……この元老の間の、宗教画が描かれた天井付近に舞い上がり、そこでホバリングするように留まった。
あの位置だと、俺やライドウ、フェンリルのような地上の悪魔には手が出せない……!
その位置からメルカバーが雷撃を放ち続け……
その腰の部分から2つ生えている竜の首……顎みたいなものを伸ばして。
その口腔内部に、輝く魔力を蓄積し始めた。
マズイ……!
メルカバーは何か、とんでもないことをしてくる!
「サセヌ!」
そこに。
フレスベルグが襲い掛かるが
メルカバーは剣触手2本でそれを対処し、近づけさせない。
フレスベルグは爪撃やアイスブレスを浴びせようとしてるが、阻まれている。
やがて
ボッ、と。
メルカバーはその竜の顎から、輝くレーザーの息……レーザーブレスを吐き出した。
純白の光はまっすぐにオオヤマツミの身体……足や肩を貫いて
「グウウウウウッ!」
オオヤマツミに膝をつかせた。
「父上!」
コノハナサクヤの悲鳴。
すぐさま大規模な回復魔法を掛けるため、彼女は舞うような動きに入るけど
『させませんよ……』
そこにメルカバーの雷撃が飛んでくる。
「きゃああああああ!」
悲鳴と共に吹き飛ばされ、コノハナサクヤはこの元老の間の床に墜落。
倒れ伏して動かなくなった。
……消滅はしていないから死んではいないんだろうけど……行動不能だ。
『邪悪なりし者よ。覚悟するが良いでしょう』
メルカバーはそこに剣触手を伸ばしてきた。
コノハナサクヤにトドメを刺すつもりなのか。
……させねえよ!
そこに俺とライドウが割り込んだ。
俺たちは風神剣と雷神剣で、襲ってくるその2本の剣触手の攻撃を弾き返す。
『罪を重ねるのは止めるのです』
メルカバーの斬撃が続く。
それを躱し、弾き続ける俺たち。
そこに。
ウオオオオオ!
吠え声と共に飛び込んで来たフェンリルが
触手の1本に噛みつき、メルカバーの動きを封じた。
『ヌウウウ! 小癪な!』
メルカバーは、そんなフェンリルをレーザーブレスで焼き払おうと魔力蓄積の終了した竜の顎の一つを向ける。
そのときだった。
別の方向から、光が撃ち出され、メルカバーの竜の顎をひとつ灼き貫いた。
神獣ドゥムジがチャージしていた「至高の魔弾」の光弾だ。
光弾を撃ち出した尾を高く掲げたまま、こちらを見ていた神獣ドゥムジが、その羊の顔に会心の笑みを浮かべた気がした。
俺は
よくやってくれた!
そう言いたかったが
その前に
『おのれえ!』
メルカバーが
残った竜の顎を神獣ドゥムジに向け。
レーザーブレスを吐き出したんだ。
直撃したレーザーブレスは、神獣ドゥムジの胴体を貫いて
神獣ドゥムジを即死させ、塵に変えた。
(……神獣ドゥムジ。よくやってくれた。ありがとう)
俺はそれにショックを受けたけど、感謝した。
俺の自慢の仲魔がやってくれたんだ。
メルカバーの竜の顎を1つ、潰してくれた。
その犠牲は無駄にはしない……!
見ててくれ。
絶対に勝ってみせるからな……!
犠牲を出しつつ、前に進む。
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