TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話 作:XX(旧山川海のすけ)
ホーリータウンは堅苦しい街だ。
元々はセンターに入ることが出来ない熱心なメシア教徒の受け皿……
誰でも行くことのできる聖域。
そういう目的で作られたエリアだったらしい。
だけど……
住民の数は少ない。
理由は簡単で。
娯楽が無いんだよね。
一応、ディスコだとか飲み屋だとかは無いことは無いんだが……
ヴァルハラエリアみたいな、売春宿は存在しないし。
コロシアムも無い。
ヴァルハラエリアの娯楽を知れば、ここの娯楽はお遊びだ。
……だから
こんなところに住みたがるのは多分老人だけなんだ。
ゲートから車を使ってホーリータウンの司令部に出向き。
そこでライドウと一緒に、任務の詳細を聞くために会議室で座って待つ。
すると30分くらい過ぎてから、このホーリータウンを統治している市長に案内され。
やって来たんだ。
……メシアが。
メシア・アレフを俺は初めて目にして……
叫びそうになった。
お前、と。
メシア・アレフ……
忘れもしない。
そいつは……ホークだった。
兄貴を汚い手段で一方的に嬲り殺しにした外道……
それがメシアだったなんて。
睨みつけそうになった。
憎悪のあまり。
だけど……
(そんな真似をしたらライドウに迷惑が掛かる)
そう思い、平静を装った。
俺の振る舞いは、そのままライドウの評価に影響するんだ。
……耐えないと。
俺の復讐に、ライドウを巻き込むわけにはいかない。
「ささ、メシア様。こちらテンプルナイトのライドウ様です」
「葛葉ライドウです」
ライドウはそんな俺のことに気づかずに、ホーク=アレフに礼をしようとして
「サダハル!」
そこで少し強めの声が俺に飛ぶ。
叱責だ。
ハッとした。
……俺、椅子に座ったままだったんだ。
ライドウは立ってるのに。
「すみません!」
慌てて立ち上がり、頭を下げた。
「……アレフと言います。メシアの務めを果たさせていただきます。ライドウさん。そして従者の方」
メシアの方も俺たちに頭を下げる。
その態度は……
傲慢さを全く感じなかった。
何故か。
でも俺は、こいつが兄貴を殺したことは忘れていない。
「こちらはベス。俺のパートナーです」
「よろしくお願いします。テンプルナイトの方々」
そしてアレフの隣に立っていた、聖女のような身なりの女が頭を下げる。
アレフはメシアなのに、全くメシア教をイメージさせる装備をつけていなくて。
普通に高価そうな黒いアーマーを着て、左手にアームターミナル。
何処がメシアなんだ? そう思えるけど。
ベスは違った。
メシア教の聖印が刺繍された白いマントを身に着けて、その下に青いタイトスカートのワンピース。
そして神聖さをイメージさせる白と青のカラーリングのヘアバンド。
その髪の毛の色は黒で、長くて、キラキラ輝いていた。
当然かもしれないけど、すごい美人でもあった。
イメージとしては……他人を傷つけたことがただの一度もない。
そんな、清楚な美人だった。
ここまで整った女……いや女性は俺は今まで見たことが無くて。
感嘆のため息が出た。
こんな女性が、何の疑問もなく付き従っている……
そんな男なのか……
アレフは……
何なんだろう……?
この気持ちは……?
嫉妬では無いんだよな。
何故か。
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