TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話 作:XX(旧山川海のすけ)
涙を堪えて、自分の部屋に戻って来た。
ヴァルハラエリアスラム街近くにある安アパートに。
俺はこの辺で生まれた。
俺はこのTOKYOミレニアムに不法入国した女が、売春した挙句に妊娠し、勝手に産んで捨てていった子供だ。
このTOKYOミレニアムはメシア教という宗教が国教で、メシア教の教え「十徳」に慈悲というものがあるから……
一応、教団が俺を拾って12才くらいまで育ててくれた。
そして簡単な計算と日本語の読み書きができる程度の教育をくれて……
その後、このヴァルハラエリアに放り出された。
俺の母親は売春婦だった以外は何者だったのか知らないけど、多分……白人だったんじゃないだろうか?
……俺、髪は黒いけど眼が青いんだ。
顔つきも、日本人とちょっと違ってる。
ここは元々日本という国だったから、住人の男はほとんど血統的には日本人なんだよな……
だから、確率的におそらくそうだ。
でも……
だったら、もうちょっと高い身長と、逞しい身体も付いてくれば良かったのに。
そんなことを、ゴミ捨て場から拾って来て、自室に置いている姿見に自分の姿を映しながら考える。
……ホント、使えねえ親。
稼ぐために誰とも知れない男に股を開いて、挙句勝手に俺を産んで、逃げてった。
……俺は親に感謝なんてしてない。
最低限の教育をつけてくれたメシア教団には多少感謝はしてるけどな。
もっと体格が良ければ、あの男……ホークに対する復讐も、成し遂げられる確率が上がるのに。
あの男……卑怯な奴だったけど……
決して弱そうでは無かったからな。
兄貴に負けないくらい体格良くて、黒髪の長髪で、目の力が強くて……
全く兄貴を恐れて無かった。
それは多分、悪魔召喚の後ろ盾があったからだろう。
だけど……
少なくとも、アイツは兄貴の気迫に気圧されない程度の胆力はあったんだ。
……だから
俺が目論見通り、悪魔召喚の力を手に入れても、簡単に勝てるとは思っていない。
あくまでそれは、同じ土俵に立てただけだろうな。
……さっきからしきりに言ってる「悪魔」だけど。
それは旧世界を滅ぼした怪物のことだ。
旧世界は今よりも遥かに住み良い世界だったそうだけど……
ある日、悪魔が大量に発生し……そのせいで滅亡した。
とんでもない恐ろしいやつらで、人類の天敵だ。
奴らは人間を襲うからな。生体マグネタイトというものを奪うために。
……そんな奴らを呼び出し、操る……
悪魔召喚がどれだけのチート技か分かるだろ?
銃火器で武装したり、爆弾を持って試合に挑むのと全然違うんだよ……!
だからなんとしても、手に入れないと!
悪魔召喚!
伝説の英雄ザ・ヒーローはコンピューターでやっていたらしい。
どうやったのか分からないが。
……でも、コンピューターでやれるってことは、プログラムなんだろうな。
何処で手に入るんだ……?
少なくとも、公には出回ってない。
聞いたことも無い。
……俺の友人は少なくて。
知り合いに、コンピューターの達人……ハッカーはいないんだ。
だからホントのところが分からない……
名前は知ってんだけどな……
有名どころのハッカーの
アリババって言うんだけどさ。
凄腕ハッカーで、このTOKYOミレニアムを支配している階層が住む「センター」にハッキングを掛け、センターが抱えている機密情報をいくつも盗み出し、トロフィー代わりに抱え込んでいるという噂だ。
アリババなら、知ってるかもしれない。
悪魔召喚を可能にするプログラムについて……
真2の世界にはアームターミナルは普通にあるんですけど、悪魔召喚プログラムは一般に無いっぽいんですよね。
主人公のホークも、ヴァーチャルトレーナーの中でスティーブンに遭遇するまで無いですし。
……しかし。
悪魔召喚プログラムが無いのに、アームターミナルを何のためにつけてんだ?
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