TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話 作:XX(旧山川海のすけ)
バジリスク討伐はかなり手古摺った。
こいつ、不利になると躊躇わず逃げるんだよ。
厄介な。
で、追って追って、何とか討伐した後。
メシアが魔王キングフロストを討伐したという連絡を受けた。
「こちらを私たちが請け負って良かったな。魔王キングフロスト討伐が大幅に遅れるところだった」
ライドウの言葉に、俺は頷く。
キングフロスト討伐が遅れると、ホーリータウンの凍結被害が長引いて。
住人に被害が出ていた。
前も言ったけど、ここのエリアは老人が多いからな。
「無事に討伐完了、ご苦労様です」
戦いが済んで。
俺たちはまた司令部の会議室に出向き。
そこでホーリータウン市長からの労いを受けていた。
「真冬よりも低温状態になっていたこのホーリータウンも、すっかり通常の気温に戻りましたよ」
市長は笑いながらハンカチで汗を拭いている。
ついさっきまで真冬より気温が低い状態に服装が最適化されていたからか。
暖房を切った状態でも「今度は暑い」んだろうな。
そういう俺も、テンプルナイトの制服の上着を脱ぎたい衝動に駆られている。
俺も寒い状態に合わせて服を着てたからな。
「何よりです」
だけどライドウは汗ひとつ掻いていない。
気合で汗を止めているんだろうか?
「テンプルナイトの方々、邪龍バジリスク討伐は完全にお任せする形になってしまい申し訳ありませんでした」
メシアのパートナーの女性・ベスが俺たちにそんなお詫びを口にする。
ああ、そうだったんだ。
ということは、バジリスクって1体しか居なかったんだ。
じゃあ増援なんて要らんじゃん。
さすがにたった1体のバジリスクを、俺たち2人で討伐出来ないなら、それは俺たちの存在意義が疑われる事態だと思うし。
礼を言われるのは違うよな。
「いや、たった1体。それを俺たち2人で倒せないのは駄目でしょ」
なのでつい。
うっかり返してしまった。
……ライドウの顔を潰したかもしれない。
そう反省する。
だけど
「えっ」
そこで市長は声を上げたんだ。
その様子に、俺の意識がそっちに向いた。
「どうしました?」
そこでライドウが市長に視線を向ける。
市長は
「……いや、確か2体以上確認されたはずなんですが……おかしいな。でも確実に討伐は成されたと……」
困惑の表情で、そう呟く。
どういうことだ……?
気になるな……
俺たちは1体しか討伐して無いし。
それなのに……
そこで沈黙が下りた。
だけど
「まぁ、後でその辺はこちらで調べておきます。メシア様、新聞とニュースに載せるための写真を撮らせていただけますか?」
市長は笑顔を作り直してそうメシアに持ち掛ける。
分かんないことで今考えても仕方ないってことかね。
写真か……
俺はこれまでメシアの写真を見たことが無かった。
その理由は色々考えたけどさ……
「写真は勘弁して欲しい」
「メシアの写真は撮ってはいけないことになっているのです」
……そしたらやっぱりというか。
メシアとベスが口を揃えてそんなことを。
まぁ、それ以外理由ないなとは思ってたけどさ。
どんな理由なんだろうな……?
写真を撮られると魂を奪われるとか……?
まさかね。
明治時代とかいうやつじゃあるまいし。
メシアが写真撮影禁止なのは捏造設定ですが……
後の展開考えると、無いとオカシイ気もするんですよね。
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