TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話 作:XX(旧山川海のすけ)
「えっ」
ある日。
俺用に支給されたテンプルナイトの端末で、ネットニュースを見ていたら。
こんな記事を見つけた。
『メシア・アレフは偽物である! 神に遣わされた真のメシアは俺だ!』
……え?
どゆこと?
よく読んでみると、ダレスという男が自分こそメシアだと名乗り、アレフを否定しているとのこと。
なんだいこりゃ?
……飲み込めない。
だから俺は
「なぁ、ライドウ。なんかとんでもないニュースが」
一緒に寝起きしている部屋で、畳の上で読書に勤しんでいるライドウにそう言うと
「……ちょっと前にセンターの司教から連絡が来た。知ってる。ダレスの件だろ?」
彼は本を閉じて、神妙な顔で俺を見て
ちょっと納得しかねることを言って来た。
「そのせいで、今度決闘が行われるらしい」
ハァ?
なんで?
アレフのやつ、センターに見いだされた救世主なんじゃないのか?
センターが間違ってるわけ、無いんだよな?
俺は困惑した。
俺はアレフは嫌いだけど……
センターが間違った選択をするなんて全く考えていなかったから。
本当に意味が分からなかった。
何でセンターが「ダレスこそ大噓吐きだ。涜神の罪で有罪だ」って言わないの?
あと、そもそも論としてさ……
何でこんなことになったのに、アレフの写真を公開しないんだ?
アレフの見た目はそんなメシアを装うような詐欺師には見えない見た目なのに。
そして。
後日指令が来て。
ヴァルハラエリアのコロシアムで、アレフとダレスのメシア決定戦……つまり果し合いが本当に執り行われることになったんだ。
その際俺たちは立会人として、当日決闘を齧り付きの位置で見守ることになった。
しかしホント、一体どういうことなんだ……?
何でセンターはアレフを守らないんだ……?
ずっと待ち望んでいたメシアなんじゃ無いのかよ……?
ホント、わけが分からない……
ワーワーと、観客が席を埋め尽くしている。
これからどちらがメシアなのかを決定する戦いが行われるんだ。
それも、1対1。
アレフとダレスのタイマンだ。
兄貴のときのような、悪魔召喚は抜きで。
……そこに俺は理不尽さを感じたけど……
この戦いはどちらがメシアなのかという戦いだから
そうなるのが自然なのかもしれない……
2人の男が、コロシアムのバトルフィールド……砂を敷き詰められた、円形の闘技場で睨み合っている。
片方はアレフ。
俺の兄貴の命を奪った、憎い相手。
黒髪の長髪の男で、見た目は悪くない。
ホークという前の名前に相応しく、眼光鋭くて。
兄貴のことが無ければ、俺はこいつをここまで嫌っていなかったかもしれない。
彼は今、一振りの剣……所謂日本刀を引っ提げて立っていた。
目の前の敵を睨み据えながら。
その背後には、彼のパートナーのベスが不安そうに見守っている。
そしてそんな彼に対するのは……
「よくぞ逃げずに来たなアンチメシア・アレフ!」
同じくらいの身長で、体型もそんなに変わらない男。
……ただ
野性的な容貌で、アレフと違い顔つきに穏やかさの片鱗を感じない。
そんな男だ。
おそらく強いんだろうが、それだけ。
そんな感じの容貌の戦士だった。
こいつがダレス……
自称・真の救世主。
ダレスは言った。
自分の剣を鞘から抜いて、その鞘を投げ捨てながら。
「だが偽物の分際で救世主を名乗った罪は万死に値する! 覚悟するがいい!」
その一方的な宣言に。
アレフは
「……掛かってこい!」
言い返さず。
ただ、逃げ出さない意志だけをその口に乗せ。
そしてふたりがぶつかり、戦いが始まった。
メシアの地位を巡る戦いの行方は……?
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