TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話 作:XX(旧山川海のすけ)
2人の男が剣を打ち合わせている。
2人とも、強い。
アレフの剣をじっくり見たのははじめてだけど
凄まじいと思った。
全然弱い男ではない。
……兄貴とも、1対1で戦っておけよ、そこまで強いなら……!
俺はそう思い、アレフに苛立った。
戦いは互角。
だったけど
……若干、ダレスの方が優勢。
手数がさ、ダレスの方が多いんだ。
アレフはどちらかといえば防戦に回っていた。
「何だその甘い剣は! 聞いて呆れる!」
ダレスの勝ち誇った言葉。
戦う者としては理想的かもな。
精神でも上回っているわけだし。
アレフは憎い相手……
だけど……
俺は正直、アレフに勝って欲しかった。
アレフが負ければ、兄貴があのダレスとかいう馬の骨以下になる……
お願いだ、勝ってくれ……!
「どうした!? 剣捌きが鈍っているぞ!」
そぅら!
ダレスが大振りの横薙ぎ斬撃を加える。
身体を回転させるような動きで、重さが伝わる必殺の胴薙ぎ。
……アレフの剣が横に大きく弾かれる!
ダレスはそれほどの一撃を加えておきながら、体勢を崩さなかった。
それどころか、構えの崩れたアレフに追撃の袈裟を繰り出して……
アレフがそれを体捌きだけで回避して、後ろに大きく下がると
「貰った!」
ダレスは大きく踏み込み、回避不能の位置から真っ向唐竹割りの斬撃を振り下ろす。
……いや、振り下ろした。
それは、アレフではなく
……ベスに。
寸前で、ベスが2人の間に乱入したのだ。
そしてダレスの剣をその身体で受けた。
胸から腹にかけて、ザックリと
「な……!」
アレフの驚愕……いや、絶望の声。
崩れ落ちるベス。
そこに……
「卑怯な! 女を盾にするとは!」
ダレスのその一言。
その一言で……
アレフの動きが変わった。
まるで魔獣族の悪魔のように、風を巻いてダレスに接近し。
その左拳でダレスの脇腹に一撃を加える。
「うおっ!」
鎧を着込んでいたからか、ダメージは無かったものの。
予想外の一撃にダレスの注意が一瞬逸れ……
その隙に、アレフは右手で逆手に持っていた刀を、逆袈裟の軌道で切り上げた。
「グアッ!」
ダレスの右腕にまともに決まり、剣はダレスの前腕部を深く傷つける。
血が噴き出した。
今負わされた腕の傷と、突如襲って来たアレフの猛攻にダレスは怯んでいた。
だがアレフはそんなダレスのことなど構うわけがない。
剣を両手で持ち直し、ダレスの左手、足に。
次々斬撃を繰り出して、追い込んでいく。
……鬼神のような剣だ。
形勢逆転。
その斬撃の嵐を喰らい、己の剣を取り落としてしまうダレス。
アレフはそんなダレスに転倒させる意味合いの蹴り込みを叩き入れて……
その目論見通り転倒したダレスを、踏み込みで追い込んでその胸を踏みつけ。
起き上がれなくなったダレスの顔面目掛けて、その手の中の刀の切っ先を向け
「ぶっ殺してやる! 死ね!」
怒りの形相で突きこもうとした。
死を覚悟し、真っ青な顔でそれを見るダレス。
そのときだった
「やめて」
……その場に、ベスの声が響き渡ったんだ。
ここのシーン、御紙島千明先生のコミカライズ真2が非常に良くて。
当時読んで燃えたんですよね。
本作を読んでいただき感謝です。
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