TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第4章:世界の崩壊
第27話 スレイブ


 コロシアムでアンチメシア・ダレスが倒された後。

 途端に、センターはアレフを報道にのせるようになった。

 

 表向きは「神聖さを保つためとはいえ、アレフを報道しなかったからこそ、アンチメシアに付け込まれる隙になった」という理由。

 

 これに懲りて今後は改善します。

 そういう理由だ。

 

 ……だけど……

 

(嘘吐け)

 

 口には出せないけど。

 そんな気がしたんだ。

 

 本当は、アレフを祀り上げるために

 

 卑しい自分の偽物を、自分の手で打ち倒した救世主。

 

 これを演出するために、やったことなんじゃ無いのか?

 根拠は無い。

 

 俺がそう思っただけだ。

 

 だから口には出さなかった。

 ライドウに馬鹿だとは思われたくない。

 

 

 ……でも。

 

 あのとき、ライドウも。

 

 あの、死んだベスをとっとと片付け、アレフを讃える大合唱の音頭を取ったセンターの司教のやり方には

 

 眉を……潜めていたような気がする。

 俺にはそう見えた。

 

 ……確かめていないけど。

 

 

 

「サダハル、仕事だ」

 

 またか。

 あの最低な決闘イベントから数日後。

 

 自主トレで、俺がマダムの屋敷のマシンジムスペースで鍛えていると。

 

 ライドウがやってきて俺に仕事を告げる。

 ライドウが言うには

 

「ファクトリーでデモノイドが暴れているらしい」

 

 ……デモノイド?

 

 またデミナンディか?

 明らかに問題あるだろ。

 こうも問題起こすなら

 

 だから

 

「またデミナンディか? いっそのこと、ロボトミー手術でもした方が良いんじゃ……?」

 

 走ってたランナーから降りて、汗を拭きつつ

 そう、言おうとしたら

 

「そうじゃない」

 

 ライドウは頭を左右に振り

 

「スレイブだ」

 

 短くそう、言ったんだ。

 

 

 

 スレイブとは、その名に奴隷という意味を持ち、ファクトリーエリアでの東京の遺物発掘に従事する、つるはしを持った作業用デモノイドだ。

 ヘルメットを被った屈強な男の姿のデモノイドだけど、そのヘルメットの中には頭部は無く、代わりにコンピュータが入っていて。

 それによって制御されているらしい。

 

 その素材は剛力自慢の悪魔複数と、機械。

 因子をミックスした悪魔の頭部を取り去り、代わりに機械の脳……電子頭脳を取り付け、それでノンストップで力仕事を続け、従順な労働力として機能させているTOKYOミレニアムの貴重な労働力。

 

 東京の遺物発掘はほとんど価値あるものが発掘できないので、9割が無駄骨だから、デモノイド以外にやらせると拷問に近いものがあるんだが、それを肩代わりしてくれる大変ありがたいデモノイドだ。

 

 それが暴れている? なんで?

 

 電子制御だろ?

 ファクトリーのメインPCが故障したとかそんなのか?

 

 そう、思ったから

 

「何でスレイブが暴れんだよ? あいつら人形じゃなかったの?」

 

 そう訊ねたら

 

「……うん。そのはずなんだけどね……」

 

 俺が口にしたこと。

 ライドウも変な話に思ってるみたいだったよ。




何で人形が暴れるの?

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