TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話 作:XX(旧山川海のすけ)
疑問に思いながらも、ファクトリーエリアにやって来た。
ファクトリーでは農場や工場で、労働者たちが勤労に勤しんでる。
ここで働いているのは、ヴァルハラエリアでもホーリータウンでも働き口が無い人間や、懲役刑を受けている犯罪者だ。
だけど、誰も不満そうな顔はしていない。
やりがいある仕事を与えられ、誇らしく働いているんだ。
汗を流して。
水を飲み、塩飴を舐めながら。
「……このエリアは、メシア教の素晴らしさを象徴している気がするんだ」
バイクで農場横を通り過ぎながら、俺はバイクを運転するライドウがそう呟くのを聞く。
……まあ、同感かな。
ここまで他人のために一生懸命働く姿は、流石に俺だって感動みたいなものがあるから。
本心から労働を喜びに感じないと、この笑顔にはならないと俺は思う。
……でも
この間のコロシアムのあれは、流石に気持ち悪いと思ったんだ。
そして……
「なぁ」
俺は後ろの席でライドウに掴まりながら
話し掛けた
「……何かな?」
ライドウの声は優しい。
俺は……
「突然何を言うんだと思うかもしれないけど」
そう言ってから
「コロシアムで普段行われている試合って……」
コロシアムの試合の決着は、対戦相手の死亡か降参。
その2択なんだ。
……ほとんどが殺害で決着するんだけどな。
理由は……
「降参しても誰も認めないんだよ。だから、決着は実質相手の殺害以外無くて」
「うん」
何故降参が認められないのか。
それは単純な理由で……
偽の降参で、反撃を考える奴がいるんだ。
だから、危なくて降参を認められないんだな。
兄貴も1度、それをやられて大怪我をしたことがあって。
それ以来、必ず斬首で決着をつけるようになった。
だから俺は、兄貴が対戦相手を必ず殺して来たことに全く、何も問題を感じたことは無かったし。
それは今もそうだ。
……だけど。
それはあの……アレフだって同じなんだよな。
あいつだって勝たないといけない理由があったからコロシアムに来たのだろうし。
悪魔召喚がルール違反に数えられない以上、あれはアリだろ……
それを……
大切だっただろう、あのベスという女性を殺されたときに怒り狂った姿を見て、何か理解できたんだ。
あいつにだって、譲れないものだとか守りたいものがあったはずなんだ、って。
「俺の兄貴、負けただけなんだよな……」
負けただけ。
単純な理由だ。
負けたら殺されるのは、アイツも一緒……
「そうか」
……ライドウは詳しく聞かなかった。
ただ、こう言った。
「勇気の徳だ」
主人公の心境の変化。
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