TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第29話 意味不明

 俺とライドウは、ファクトリーエリアを駆け抜けて。

 目的地である鉱山へとバイクを走らせた。

 

 そこでは、スレイブにより東京の遺物を掘り起こす作業が行われているはずなんだけど。

 

 事前に聞いた連絡通り……

 

 鉱山に到着すると、そこに内部の様子を映す大きなモニタがあって。

 

 そこでは想像を絶する光景が広がっていた。

 

 ヘルメットを被り、緑色の肌をした屈強な上半身裸の男性作業員……。

 それがスレイブの姿なんだけど。

 

 その、数多くのデモノイド・スレイブが、作業を放棄して暴れ回っている。

 

 鉄パイプや掘削道具を手に持って暴動を起こしていた。

 

 

 

「何だよこれは……?」

 

 俺は思わず呟いていた。

 バイクをここまで運転して来たライドウも、眉をひそめてその様子を見つめている。

 

 そこに鉱山の職員さんの1人が慌てて俺たちに近づいてきた。

 

「やっと来てくれた! テンプルナイト様ご苦労様です!」

 

 職員さんは挨拶もそこそこに

 

「助けてください! 突然スレイブたちが暴れ出して……制御が効かなくなったんです!」

 

 緊張で汗だくのその男は、焦り声で状況を説明した。

 なんでも、電子頭脳の一斉システムチェックをした際に

 

 突然スレイブたちが「メシア教徒死スベシ!」と言い始め。

 暴れ出したんだそうだ。

 

 何だよそれ……?

 

 

 

 職員さんの現場説明を聞いた後。

 

 ライドウが

 

「……システムチェックのときに、外部からハッキングを受けた形跡は?」

 

 そう言った。

 だけど職員さんは首を左右に振り

 

「分かりません」

 

 そう言うだけで

 

「助けて下さい」

 

 そして、そう言うだけだった。

 

 ……ハッキング。

 

 俺はそのとき、最近ヴァーチャル・トレーナーを使わなくなったので、久しく会わなくなった電脳世界だけの知り合いのことを思い出した。

 

 アリババ。

 

 アイツならできそうだな。

 でも、アイツはこんな、他人を傷つけることにはコンピューターを使わない奴だし……

 

 そう思いつつ、俺たちは現場に向かう。

 

 現場では

 

 意味不明なことを言いつつ、暴れているスレイブたちで溢れていた。

 

「……ホントに何かおかしいな。可能性としてはハッキングしか無いのは分かるけど……」

 

 そこで俺は言葉を切り

 

「本当にハッキングなのか?」

 

 誰かに操られているという風に、何故か見えなかったんだ。

 俺はそこに自発的なもの……意志を感じたんだ。

 

 だから俺がそう言うと、ライドウが静かに頷いた。

 

「……ハッキング以外無いだろ。スレイブはある意味機械なのだし」

 

 おそらく、ライドウの言ってることが正しいんだろう。

 でも、何か……

 

 その時、1体のスレイブがつるはしを手にこちらに突進してきた。

 

「テンプルナイト死ネエエエエ!」

 

 俺は咄嗟に身を躱し、腰のプラズマソードを抜きつけてその右腕を切りつける。

 

「グオオオオ!」

 

 プラズマソードの威力は凄まじい。

 スレイブのつるはしを握っていた右手がぶっ飛んで。

 俺は積み重ねた訓練の結果、反射的にそのままスレイブの頭部に一撃を加えた。

 すると、スレイブのヘルメットが割れ、中から異様な光景が露わになった。

 

 そこには複雑な機械もあったけど……

 

 同じように、白いウネウネしたもの……。

 一目で分かる、生身の脳みそもあったんだ。

 

「何!?」

 

 俺は一瞬目を疑った。

 こいつら、悪魔を使った人造生物で、頭を取り去ってるんじゃないのか?

 

 どういうことなんだ……?

 

 俺は無論専門家じゃ無いけど……

 

 変な気がした。

 電子頭脳だから、不眠不休で働いても文句ひとつ言わない。

 

 そういう風に聞いていたのに……

 

 まさか、本当は素体に人間の肉体を使ってるとか?

 ふとそんな、とんでもない想像が過った。

 

 馬鹿な。

 あり得ない。

 

 何で素体に人間を使わないといけないんだ。

 人は道具に出来ないから、スレイブを導入した。

 

 そのはずなのに。

 本末転倒だろ、それ……

 

 一瞬、動揺で動きが止まり

 

 そこに

 

「サダハル!」

 

 ハッとする。

 

「ボサッとするな!」

 

 ライドウの鋭い声が飛んで来て、俺は再起動した。

 別のスレイブが数体、つるはしやスコップ、鉄パイプを手に襲ってきている。

 怒号とともに。

 

「死ネメシアン共ーッ!」

 

 ……今はそれどころじゃない!

 

 考えるのは後だ!




なんで生身の脳みそがあるんでしょうねぇ?
おかしくない?

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