TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話 作:XX(旧山川海のすけ)
アリババを探すために、俺はヴァルハラエリアのギャング「エインフェリアーズ」の構成員を目指した。
底辺層でウダウダやってても、悪魔召喚関係のプログラムは手に入らないし、復讐だって成し遂げられない。
ギャングだったらアリババと繋ぎがあるかもしれないだろ。
というか……
俺の発想では、それしか出て来なかった。
無論、ギャングを目指すことに疑問はあった。
あったけど……
「あと1回勝てば、俺はセンターに行ける。そのときはお前を一緒に連れて行ってやるよ」
「マジで!? 兄貴にはいっぱい彼女が居るのに、俺でいいの!?」
「……女なんか、センターにも居るだろ。でもオマエは1人しかいないんだ」
……鴨志田の兄貴。
兄貴は数いる女を差し置いて、センターに連れていく1人に俺を選んでくれたんだ。
その兄貴を無惨に殺したホークを俺は許さない……!
そう思うと、ギャングと接触を持とうとすることに対する恐怖は無くなったんだ。
ギャングは大体飲み屋に居る……と思う。
だから俺は、飲み屋に通った。
通って、スジモンに思える人と関係を持とうと頑張った。
そして……
「オマエ、エインフェリアーズに入りたいの?」
エインフェリアーズ構成員だという、金髪リーゼントでサングラスを掛けた若いアンちゃんが、俺の言葉を聞いてくれたんだ。
俺は発泡酒のジョッキを片手に
「はい! どうしてもやりたいことがあるんです!」
そう、なるべく元気に言葉を返す。
「……ふーん。何したいの?」
そんな金髪リーゼントのアンちゃんに
「伝説のハッカーのアリババに会いたいんです!」
「へぇ」
俺の言葉に。
アンちゃんは興味を覚えたみたいだった。
そして後日……
「よぉ、サダハルだっけ?」
「チワッス!」
あのときの飲み屋で、金髪リーゼントのアンちゃん……五味山さんに声を掛けられた。
五味山さんは笑顔でこう言ってくれた。
「オマエの話をウエにしたらさぁ、是非入団試験を受けさせてみたいって言われてさぁ……」
……俺はその言葉に、天から垂らされた蜘蛛の糸を掴んだ気がした。
この糸を、離してはいけない……!
「受けてみる?」
そんなの、決まってる。
「ハイ!」
……これ以外無い。
エインフェリアーズの入団試験。
それは……
スラム街の奥にある、禁教であるガイア教神殿に赴いて、ガイア教徒に文書を渡し、引き換えに品物を受け取ってくることだった。
これが出来たら、構成員に加えてやると言われたんだ。
……ガイア教徒って言うのは。
メシア教を敵視している、邪教集団だ。
旧世界ではメシア教を敵視して、攻撃を仕掛けて来ていたらしい。
とてつもなく危ない連中……
今の社会でも、ガイア教徒を見つけた場合、管理局に通報したら報奨金が出る。
そのくらい、危険視されている。
……そんな奴らと接触するなんて。
正直、俺はビビってるけど……
やらなきゃ、ギャングになれない。
ここは踏ん張るところだ……!
兄貴の仇を取るためだ!
踏ん張れ! 俺!
……俺は手に文書の入ったUSBメモリを持ち、スラム街を歩いていた。
そこら中、路上で寝てる人間が居る。
シャッターが下りた建物が立ち並び、完全に死んでる街。
スラム街になる前は、一体何の街だったんだろうな?
別に興味があるわけじゃ無いけどさ。
……で。
口頭で伝えられたガイア教神殿の場所に行くと。
すごくみすぼらしい、あまりにもショボイ飲み屋があったんだ。
……なのに。
妙に若い女が店員をしてて。
変だな、と思った。
でも……
カモフラージュなんだろうな。
さすがにそのくらいは予想できる。
俺は席のひとつに着き
注文を取りに来た店員に
「ウイスキーのイワクラの水割を1つ」
「コースターは?」
「赤でお願いします」
……これが符丁らしいんだよね。
この注文が。
……これを言った後に
「トイレの場所は?」
そう訊くと
店員は店の奥を指差し
「ここからまっすぐ奥に行き、そこにあるので」
……こんなふうに。
ガイア教神殿の入り口を教えて貰えるんだ。
果たして主人公は目的を果たせるのか……?
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