TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話 作:XX(旧山川海のすけ)
俺とライドウは、暴れ回るスレイブたちを制圧するために動き出した。
怒号と金属音が響き合う。
俺たちは襲ってくる緑色の肌をしたスレイブたちと交戦する。
俺はプラズマソードを手に、訓練で培った戦闘技術をフルに使って応戦する。
「サダハル、右だ!」
ライドウの声が鋭く飛んできた瞬間、俺は身体を捻って横に飛び、振り下ろされる鉄パイプをギリギリで避ける。
その隙にライドウが前に出た。彼は静かに目を細めると、手に持った金属の筒……封魔管を開封した。
「来い、フェンリル。フレスベルグ」
一瞬にして空気が変わった。
封魔管から溢れ出した緑色の輝きが、カタチを形成し……
白い毛並みの巨大な狼・妖獣フェンリル。
その隣には……
同じく白く輝く巨大な鷲・凶鳥フレスベルグが羽ばたく。
ルオオオオ!
クエエエ!
雄叫びのような鳴き声をあげる2体の仲魔。
その2体は
「やれ」
そのライドウの短い指示で
即座に反応する。
フェンリルが口を開き、灼熱の火炎の息をスレイブたちに向けて吐き出した。
炎は唸りを上げながらスレイブを飲み込み、数体が一瞬で黒焦げになって崩れ落ちる。
一方、フレスベルグは高く飛び上がり、鋭い鳴き声とともにアイスブレスを吐き出す。
吹雪のような冷気が鉱山の地面を凍らせ、スレイブたちの動きを封じていく。
「すげえ……」
俺は思わず呟きながらも、手を休めずプラズマソードで凍ったスレイブの頭部を叩き割る。
連携は完璧だった。俺が接近戦で削ぎ、ライドウの仲魔が広範囲を制圧する。
やがて、スレイブたちの暴動は収まり、鉱山には静寂が戻った。
地面には無数のスレイブの残骸が散らばり、焦げた臭いと冷気が混ざり合った異様な空気が漂っている。
俺は息を整えながら、プラズマソードを鞘に収めた。
「終わったか……」
ライドウがフェンリルとフレスベルグを封魔管に封じ、静かに俺の方を見た。
その目はいつも通り冷静だったが、どこか考え込むような影があった。
俺はしばらくその場に立ち尽くし、頭の中を整理しようとした。
スレイブたちの叫び声が耳にこびりついている。
「メシア教徒死スベシ」
「テンプルナイト死ネ」
あれはプログラムされた言葉じゃない。
感情が籠っていた。
機械が勝手に喋ってる感じじゃなかった。
そして、あのスレイブの頭部から覗いた白い脳みそ……。
「……なぁ、ライドウ」
俺は意を決して口を開いた。
「やっぱり何かおかしいよな。ハッキングって線は分かるけど、それだけじゃ説明がつかない気がする。あいつらの言葉、あの動き……。それに、あの脳みそだよ」
ライドウは黙って俺の言葉を聞いていた。
俺はさらに続ける。
「スレイブって、複数の悪魔の合成生物に改造手術を施したものだって聞いてた。でもさ、本当は違うんじゃないのか?あそこに人間の脳みそが使われてるんじゃないのかって……そんな気がしてくるんだ」
一瞬、ライドウの眉が微かに動いた気がした。
「……それは無いだろ」
彼は静かにそう返した。だけど、その声には普段の自信が少し薄れているように感じた。
「無いのか?本当に?」
俺は食い下がる。
そして続ける。
「だってさ、人間を使ったら本末転倒だろ。スレイブってのは人が道具にできないから作られたはずなのに。なのに、もし本当に人間の脳みそが使われてるなら……何だよそれって」
ライドウは視線を逸らし、地面に転がるスレイブの残骸を見下ろした。
「……確かに、君が言うように妙な点はある」
彼がそう認めたのは意外だった。
いつも冷静で、テンプルナイトとしての忠誠心が揺るがないライドウがだ。
「だが、ハッキング以外に原因があるなら、それが何なのか。そこまで考えが及ばない」
俺は頷きつつも、心の中のもやもやが消えない。
「でもよ、ライドウ。あいつらが暴れてた理由がハッキングじゃないとしたら……あいつら自身が何かを『感じて』動いてたってことになるよな」
その言葉に、ライドウは再び黙り込んだ。
彼の表情に僅かな動揺がある気がした。
俺と同じ疑問を、彼もどこかで抱いているのかもしれない。
そのとき
おおおおおおおおおおおお……
その場に、突然。
地鳴りのような唸り声……いや呻き声が轟き始めたんだ。
果たして何が起きるのか?
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