TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第6章:決断のとき
第39話 新しい目標


 衝撃的な話を聞き、ずっと欲しかったものを手に入れ。

 俺はディスコ・ムーンライトから自室に戻ってきた。

 

 ドアを閉めると、騒がしかった音楽と熱気が遠ざかり、静寂が耳に染みる。

 

 鞄からアームターミナルを取り出し、ベッドに腰を下ろしてそれを手に持った。

 強化プラスチックの表面が滑らか。

 重さは軽く、何故か手の中でずっしり重かった。

 

 アリババの言葉が頭をぐるぐる回ってる。

 

「センターが首謀者」

 

「市民は不良品」

 

「ライドウに言うな」

 

 どれも信じたくないことだ。

 だけど、感情で否定するには重すぎて。

 

 説得力がありすぎる。

 

「……悪魔召喚プログラム。何なのか」

 

 俺は呟いて、アームターミナルを左手に装着して起動した。

 

 現実逃避の意味もあったかもしれないけど。

 この、ずっと求めていた伝説のプログラム。

 

 もう、これを使って倒したい相手は居ないけど、欲しがってたものだし。

 興味が無いわけない。

 

 アームターミナルを起動すると、キーボードの上に映像が投影されて、そこに起動画面が表示され。

 

 そこにアルゴンソフトのロゴが表示された。

 

 ……骨董品かこれ?

 旧世界の会社だよな? 確か。

 

 ……あれかな。

 メシア教傘下の会社のOS使うと、セキュリティが気になるってことか?

 専門家じゃないから良くわからんけどさ。

 

 空中投影された小さな画面が点灯し、メニュー画面が表示された。

 

 そこに取り扱い説明書があったので、まずそれを目を凝らして読んだ。

 

「悪魔契約の基本。本プログラムの機能について。熟練者になるために」

 

 色々あるな……これはメモを取りながら読まないと理解でき無さそうだ。

 

 俺は投影された内容を纏める意味でメモしつつ読み進め

 

「邪教の館……そうか。悪魔使い御用達のそういう施設、ヤミであったんだ」

 

 様々な知らないことがあって、メモを取りながら俺は少し興奮していた。

 俺の知らない世界が広がって行く感じだ。

 

 

 

 説明書を読み、内容を纏め終えて、俺は一旦アームターミナルを終了させた。

 

 頭の中が整理しきれなくて、しばらくじっと天井を見つめる。

 

 アリババの警告が耳に残ってる。

 

「ライドウに言えば、お前が抹殺される可能性がある」

 

 ライドウの顔が浮かんだ。

 

 あいつの冷静な目、肩に置かれた温かい手。

 俺を救ってくれたときの言葉。

 

 ……あいつなら、きっと分かってくれる。

 相談したいって気持ちがぐっと込み上げてくる。

 

 ……でも、そのたびに「もしも」が頭をよぎる。

 

 もしライドウがセンターを選んだら?

 

 もし俺が裏切り者として密告されたら?

 

「……ダメだ。ライドウは誘えない」

 

 俺は小さく呟いて、拳を握った。

 

 アリババの言う通りなら、ライドウに真実を話すのは危険すぎる。

 

 テンプルナイトとしてのあいつを巻き込むわけにはいかない。

 でも、1人でこの真実と向き合うのは辛すぎる。

 

 ……重すぎるんだ。

 

 ライドウと一緒に戦ってきた日々が頭をよぎる。

 アイツとはずっと一緒にやっていきたい。

 

 そんな思いがあるから。

 

 言いたいけど……

 怖いんだ。

 

「……とりあえず、力をつけるんだ」

 

 俺は左手を翳してアームターミナルを見つめる。

 これがあれば俺も悪魔を使役し、力を振るうことが出来る。

 ライドウのような強大な力を……

 

 そうなったとき、俺ははじめてライドウと対等になる。

 そんなことをふと考えた。

 

「力をつけてライドウに並び、そのときは……」

 

 ……言おう。

 俺が知った真実を。

 

 俺はそう考えた。

 

 その結果何が起きても、起きたことから決断を無様に後悔するような。

 そんな情けないことにならない。

 

 そんな俺になってから、言うんだ。

 

 アレフを倒すという目標はもう無くなってしまった。

 だけど今の俺に、もうひとつ目標が出来た。

 

 ……今度は復讐じゃ無い。

 

 ライドウを救うことになるかもしれない、誰に恥じることも無い、堂々とした目標だ!




果たして主人公の願いは届くのか?

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