TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第40話 仲魔が欲しい

 ホーリータウンの街から少し離れて。

 人が居住できる建物が消えたエリアに入り込んだ。

 

 その途端

 

『ここから先、悪魔が発生します』

 

 そんな警告がアームターミナルから入る。

 その警告で俺は覚悟を固める。

 ……あと、少しだけ期待も。

 

 俺はライドウに内緒でここに来た。アームターミナルを腕に装着し、使い慣れたプラズマソードを携えて。

 

 胸の奥に罪悪感がある、だけど、今は避けられないしな。

 

「ここは俺が踏ん張るしかないところだ」

 

 

 

 最初に俺の目の前に現れたのは、食人鬼である幽鬼グールだった。

 

 ガリガリに痩せた体に灰色の肌、素っ裸で獣のように四つん這いになり、俺の隙を窺ってる。

 

 俺はアームターミナルの契約モードを起動し「お前、俺の仲魔になれ」と強引に交渉を始めた。

 同意が取れたら即契約。そのつもりで

 

 だけど……

 

「グヘヘ、腕を1本くれたら考えてやるよ!」

 

 そう叫び、グールは俺の言葉を無視して襲いかかってきた。

 

 やられるわけにはいかないから、仕方なく応戦し、斬撃を浴びせる。

 

 無論、命を奪わない範囲で。

 

「グオッ!」

 

 グールは動きを止めた。

 

「これでどうだ! 俺はお前より強いんだ!」

 

 そう力量差を分からせようと叫んだが、グールは悲鳴を上げて逃げていく。

 

 力じゃダメなのか……?

 手引書には「悪魔と契約を結ぶ方法で一番簡単なのは、悪魔に力量差を突きつけることで、脅迫することです」ってあったのに。

 

 

 

 次に遭遇したのは幽鬼グーラー。

 女のグールだ。

 

 グールより少し肉付きが良くて、髪が長い。

 で、何故か綺麗な金髪だった。

 男性のグールはケダモノそのものの様子なのに。

 

 目は赤く、肌は赤紫色。

 

 全裸だったグールと違い、こいつは一応汚れてはいたがワンピースを着ていた。

 

 そんな悪魔が、優しい笑みを浮かべていた。

 

 ……いけるのか?

 

 力で押さえつけるやり方がダメなら、こうするしかないだろ……

 

 友好的。

 だから俺は

 

「お前が欲しい。力を貸してくれないか?」

 

 穏やかに声をかけた。

 

 グーラーは笑みを深くした。

 

「ホントぉ? 優しい男ねぇ」

 

 向こうも穏やかに返して来る。

 そしてのろのろと接近して来て。

 

「そのカッコイイ顔を良く見せて頂戴」

 

 俺はそれを受け入れて……

 

 だけど

 

 間合いに入ったとき。

 グーラーは豹変した。

 

 爪を振り上げ、襲い掛かって来たんだ。

 

 ……グーラーの爪には麻痺毒がある。

 

 ようは、騙された。

 グーラーのやつ、自分の爪の間合いに入るため、俺の会話に乗ったふりをしたんだ。

 

 間一髪それを躱し、俺は反射行動でグーラーの右手を切断した。

 

「ぐぎゃあああああ!」

 

 悲鳴をあげて。

 そのまま、グーラーも逃げて行った。




無駄なことをしている主人公。

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