TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第43話 電波ジャック

 ホーリータウンの自室は静かだ。

 ヴァルハラエリアではマダムの館以外は喧騒に包まれていたが、ここは違う。

 本質的な騒がしさが無いから。

 

 俺はベッドに腰を下ろし、アームターミナルを装着し、契約中の仲魔のリストを眺めていた。

 

 妖精ハイピクシー

 地母神タウエレト

 大天使ラミエル

 破壊神アレス

 

 ……充実してきた顔ぶれに、少し誇らしい気持ちが湧く。

 ホーリータウンから、ファクトリーにまで足を延ばし、かき集めた仲魔を合体させて得た結果だ。

 

「これはきっとライドウにはまだ及ばないが……でも、イイな」

 

 しかし、その裏でもどかしい気持ちがある。

 あいつにこの力を見せたいのに、言えないこの現実。

 

 

 

 そしてアームターミナルを外して、携帯端末で公式放送を見ていた。

 ニュース番組だ。

 

『今日のミレニアムの悪魔注意報ですが……』

 

 キャスターが日々のくだらないニュースを読むために原稿を手にしていたのだけど。

 突然、人が駆け込んできて、別の原稿を手渡して来たんだ。

 

 ……一体何だ?

 

 わけがわからず、俺がその成り行きを見守っていると。

 キャスターがこう言って来たんだ。

 

『……緊急ニュースです。テンプルナイト筆頭騎士・ザインがセンターを裏切りました』

 

 ……え?

 あのザインが?

 

 弱い悪魔なら、素手で仕留められるって噂の、あのテンプルナイト最強の男の?

 骨格が太くて、髪も短く、実直で真面目を絵に描いたような武人の?

 

 直接会ったことはないけれど、ライドウの口からその凄さは何度も聞かされて来てて。

 間違いなく一流の戦士。

 

 それがセンターを裏切った?

 

 マジなのか……!?

 

 俺がそう狼狽えていると

 

『ザインはTOKYOミレニアムを崩壊に導こうと、デマを撒き散らしているようです。市民の皆様、決して耳を貸しては……』

 

 キャスターの呼びかけ途中で。

 突然画面が乱れ、ニュース番組が別のものに切り替わった。

 

 ……問題の裏切りのテンプルナイト・ザインの姿を映す映像に。

 

 

 

 ザインはテンプルナイトの制服を着て、カメラの前に立っていた。

 そして強い決意を秘めた目で、じっとこちらを見つめ。

 

 語り出した。

 

『ミレニアムを治めるセンターの真のねらいを明かそう』

 

 ザインの声が低く響く。俺は息を呑んで画面を見つめる。

 

『センターは平和な千年王国を造ると言っているが、それは一部の選ばれた人間だけが生きる世界だ。ミレニアムは千年王国へ行ける人間を選び出すために造られた。それが終わると、ミレニアムは用無し……全て破壊される! ヴァルハラ・エリアは用が無くなったため、魔王アバドンに飲み込まれ消滅した。それは明日の全てのエリアの運命だ……』

 

 やっぱりか。

 俺はそう思った。

 

 アリババの言葉が頭をよぎる……

 

 センターが首謀者だって話は、本当だったんだな……

 

 そして、ザインはさらに続けた。

 

『ファクトリーが特にひどい。労働者は悪魔が歌う歌の力で無理矢理勤労意欲を引き出され、働きが期待値に達していない者はスレイブに改造される!』

 

 これもやっぱりか。

 俺はあのときの経験を思い出す。

 

 機械と思われたスレイブに脳があり、倒した後に悪霊レギオンが生まれたときの、あの経験を……

 

 そのときだった。

 ノックも無しにドアが勢いよく開いた。振り向くと、ライドウが息を切らして立ってた。

 

 そのいつも冷静な目を混乱と動揺、焦りで揺らし、青褪めた表情で……。




センターの本性を知ったライドウは……?

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