TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第47話 2人の悪魔召喚士

 地下の広い空間に響く重い空気が、俺とライドウを包んでいた。

 目の前に存在している番人……天使ケルビムは、4つの顔──人間、獅子、牡牛、鷲──がそれぞれの目で俺たちを見つけ、歪な形で存在している4枚の翼で羽ばたき、舞い上がる。

 4つ車輪のついた山車のような姿が動き始めた。

 

「サダハル、準備しろ」

 

 ライドウが剣を構え、俺に鋭く言う。

 俺は頷き、アームターミナルを操作して仲魔を召喚した。

 

 床に魔法陣が浮かび上がり、3体の仲魔が召喚される。

 

 地母神タウエレト。

 ピンク色のカバの獣人の姿の地母神。

 それが美女の声を発する。

 

「呼んだか主よ」

 

 大天使ラミエル。

 4枚の翼を持つ美青年で、緑色の髪と桃色の肌が薄暗い光に映える。

 

 破壊神アレス。

 西洋の甲冑を着込んだ3メートル近い巨人が、剣を手に重々しく構える。

 

 ライドウも封魔管を開封して仲魔を召喚。

 緑色の輝きから妖獣フェンリルと凶鳥フレスベルグが現れ、それぞれ唸りと羽ばたきで威圧感を放った。

 

「倒すぞ」

 

 俺の言葉に、ライドウが「ああ」と短く返す。戦闘が始まった。

 

 ケルビムが最初に動いた。

 4つの車輪が回転し、そこから輝く炎の輪──リングカッターとでもいうべきものが俺たちに向かって飛んできた。

 

 俺とライドウは咄嗟に横に飛び、地面が焦げる音が響く。

 

「タウエレト、防御を!」

 

 俺の指示に、タウエレトが両手を広げ「我が守りを」と魔法を発動。

 全体に防御上昇魔法が広がり、柔らかい光が俺たちを包んだ。

 

 次のリングカッターが飛んできたが、今度は衝撃が少し和らいだ。

 アレスが割り込んでそれを防ぐ。

 

 無傷では無いが、耐えられるようだ。

 そこで

 

「フェンリル、ファイアブレス!」

 

 ライドウが叫ぶと、フェンリルが口を開き、炎の息を吐き出した。

 だが、ケルビムは羽ばたき、それを回避する。

 

 効かないわけではないが、当てられない。

 飛べないフェンリルに、飛べるケルビムを狙うのは難しいのか……!

 だったら……

 

「ラミエル、火炎魔法だ!」

 

「承知だサダハル」

 

 ラミエルが翼を広げ「燃えよ!」と呟き、火炎魔法を放つ。

 飛行状態のラミエルの火炎弾が命中し、ケルビムの動きが止まった。

 

 今だ!

 

「アレス! 撃ち落とせ!」

 

 俺の言葉を受けて巨人が剣を振り上げ、剣気を飛ばしてケルビムを斬る。

 それを浴びてケルビムはバランスを崩し、墜落する。

 

「今だ畳み掛けるぞ!」

 

 俺はアレスに突撃を命じた。

 墜落したケルビムを一気に倒すため。

 

 だけど……

 

 オオオオオオ!!

 

 4つの顔が吠え、狂ったようにリングカッターを打ち込んでくる。

 させないということか。

 

 防戦に追いやられるアレス。

 

「くそっ……」

 

 この状況に俺が呟くと、ライドウが

 

「大丈夫だ。任せろ」

 

 ……任せろ……?

 戸惑う俺に

 

「行け!」

 

 オオオオ!

 

 ……フェンリルが突っ込んだんだ。

 フェンリルの爪と牙が乱れ飛びケルビムをズタズタにしていく。

 

 ガアアアアアアア!!

 

 ケルビムの断末魔の叫び。

 そして

 

 そのまま決着がついた。

 

 ケルビムがマグネタイトに分解し、消えていく……

 

「……やったぞ」

 

 俺は少し興奮しながら剣を下ろした。

 楽な相手では無かったから。

 

 そしてライドウが「助かった、サダハル」と俺の肩を叩く。

 その手に触れて、胸が熱くなった。

 

 召喚していた仲魔を引っ込め、俺たちは

 

「サダハル、これから先もよろしく頼む」

 

 そんなライドウの言葉に

 俺はライドウと同じ立ち位置で戦えたことを悟った。

 

 だから俺は

 

「ああ!」

 

 喜びに震える声を抑え。

 俺は頷き、巨大な門を見上げる。

 

 門を開けた。

 

 ケルビムを倒した先にある門の先、そこには暗い通路が続いてる。

 そして俺たちは頷き合い、互いに背中を預け、地下世界へと進んだんだ。




これにて第6章は終了。
次回から第7章です。

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