TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話 作:XX(旧山川海のすけ)
第48話 地下の世界
ケルビムを倒し、巨大な門を潜ると、俺とライドウは地下世界に足を踏み入れた。
扉の向こうから、意外に湿っぽくない風が吹きつけてくる。
地下でも風があるのか。
そう思いつつ外に出た瞬間、俺は目を疑った。
なんか、地下世界が明るいんだ。
真昼みたいとは言わないまでも、薄暗い地下とは思えないほどの光が広がってる。
変に思って頭上を見上げると、遥か高みの天井付近で何かが徘徊してた。
それがものすごく輝いてて、まるで動く照明みたいに地下を照らしてる。
「ありゃなんだ……?」
俺は思わず呟いた。
ライドウも眩しさに目を細めて上を見上げ
「地下でこんな光は異常だな」
そう言った。
確かに、地下世界って暗くて不気味なイメージしかなかったのに、これは予想外だった。
(……悪魔なら何か知ってるかも?)
悪魔なら、地下世界に行った経験あってもおかしくないよな。
そう思った俺は何か知ってるかもと思い、アームターミナルを操作してハイピクシーを召喚した。
「サダハル、何の用ー?」
銀髪を逆立てたハイピクシーが、空中に現れ宙返りする。
俺は天井の発光体を指して訊く。
「なぁ、ハイピクシー。あの上にいる輝いてるアレ、一体何?」
ハイピクシーは上を見上げ「ふーん、あれね」と軽い調子で答えてくれる。
「あれは妖獣アパオシャだよ。ガイア教徒が地下に太陽がないと困るから、代わりに召喚したんだよね。結構便利でしょ?」
「妖獣アパオシャ……なるほどな」
あれは悪魔なのか。
俺は頷きながら、アパオシャの光を見つめた。
ガイア教徒がそんな工夫をしてるなんて、ちょっと意外だった。
そんな細やかなことをしてなさそうな気がしたのに。
ライドウが「確かに合理的だ。良いアイディアだと思う」と呟く。
確かに、この明るさがあれば地下でも生きていけるよな。
さて、それはそれとして……
俺はもうひとつの用事について訊ねた。
「なぁ、ハイピクシー。ガイア教徒の本拠地の上野に行くにはどうすればいい?」
俺が聞くと、ハイピクシーは少し考えて「んー、地下世界は私もちょっとしか知らないけどさ」と前置きしてから教えてくれた。
「地下鉄の坑道を使うのが一番確実だよ。昔の東京の路線が残ってるから、そこを通れば上野まで行けると思う」
「地下鉄か……分かった、ありがとう」
そう俺が礼を言い帰還のコマンドを打ち込むと、ハイピクシーは「どういたしましてー! じゃあ、またね、サダハル!」と笑顔で返す。
そして光の中に消えて行った。
そこでライドウが俺を見て、「地下鉄を探すか」と提案。
俺は頷き、アームターミナルの地図機能を起動した。
地下世界の構造が少しずつ描かれていく中、俺たちは歩き出す。
地下世界は広い。
アパオシャの光に照らされた地面は、ひび割れたアスファルトと雑草が混ざった不思議な風景だ。
遠くに崩れたビルや鉄塔が見えて、昔の東京という街の残骸って感じがする。
俺とライドウは黙って進みながら、地下鉄の坑道を探した。
地下鉄というぐらいだから、地下への階段かエレベーターが入り口のハズ。
ライドウの足音がすぐ後ろで響いてて、それが安心だった。
ライドウが傍に居てくれる。
それだけで、俺はどんな困難も乗り越えられる気がする。
どれくらい歩いたか……
目の前に大きな建物が見えてきた。
それはヴァルハラエリアのコロシアムに似ていて。
表示を見るとそこには「東京ドーム」と書かれていた。
中からワーワーという騒ぎ声が漏れてきて、何かやってる気配がする。
「何をやってるんだろうか……?」
ライドウがそんなことを。
俺たちはドームの入り口に近づき、中を覗いてみた。
そして中に入り込んで、騒ぎ声の主を確認すると
そこでは……
見慣れているけど、見慣れていないことが繰り広げられていたんだ。
中で行われていることとは?
本作を読んでいただき感謝です。
続きが気になる、面白かった。
その場合は評価、お気に入り、コメント等を頂けますと嬉しいです。