TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話 作:XX(旧山川海のすけ)
「ええと」
俺はとっとと文書と引き換えに品物を受け取って帰りたいんだ。
早くしてほしい。
こんなところに長居したくない。
帰りたい。
「モノをくれよ。帰りたいんだ」
……本来は言うべきじゃないかもしれないけど。
急かした。
落ち着かないんだ。
だけど
「……それはならぬ。お前たちはもう帰れぬ」
……は?
俺は真っ白になった。
何で?
帰れないってどういうこと?
俺のそんな思いが顔に出てたのか
つるっぱげの司祭が嗤った。
……嘲笑なのはすぐ分かった。
同時に、ガチャン、と後ろのドアから音がした。
……鍵を掛けられた?
ガイア教司祭は笑みを張りつけながら
「……あのUSBメモリにはな、パスワード付き文書が入っておってな」
話し出した。
「その文書に書いておったのよ……」
こんなことを
「ご依頼の悪魔の生贄要員です。お納め下さい」
……そんな……!
俺、ただの運び屋をするだけの試験内容だと思ったのに。
品物は俺で……
そもそも、これは試験でも何でもなかったのか……?
くそう……
悔しい……!
「……畜生……! 騙すなんてヒデエだろ……!」
俺のそんな言葉を
「騙される者が悪いのだ。頭が弱いからそうなる」
司祭はせせら笑い
「そして弱い者は醜く価値が無い。……諦めて生まれ変わるのだな」
司祭は淡々とそう言って、パンパンと手を鳴らす。
すると……
「これが贄か……? まぁ、悪くは無いな」
奥からのそり、と人影が現れたんだ。
それは……
赤と白の縞模様のカラフルな襟巻を巻いた、ローブの怪人物。
ローブの下は何も着ていないのか、ローブの裾から見える太腿は素肌。
性別は男性で、かなりの年配。
「ドウマン殿。2人も贄を捧げるのですから、是非とも高位悪魔の召喚を……」
「分かっておる」
ドウマン……
こいつ、果たして人間なんだろうか……?
なんだか、雰囲気に人外を感じた。
ひょっとしたら悪魔なのかもしれない……
絶体絶命だ。
もう、助からないだろう……
だけど……
俺の後ろにいる細っこいヤツ。
こいつは俺以上に怖い思いをしてるはずだ。
俺より弱そうだし。
だから……
俺は護身用に持ち歩いているアタックナイフを腰の鞘から抜いた。
抜いて、言ったんだ
「後ろのお前ッ! 俺がやられている間に何とかそこの扉を破って逃げろッ!」
まず無理だろうけど。
無理じゃないかもしれない。
……だったら、やるべきだ。
俺はそう思ったんだ。
だけどさ……
「……ありがとう」
後ろの奴は。
何だか全く怯えて無くて。
「君は優しいね。でも、大丈夫だよ」
その言葉を聞いた瞬間。
司祭とドウマンの顔が驚愕で固まっていた。
一体何が……?
俺は振り向き、絶句した。
そこには……
純白の巨大な狼と……
同じく純白の巨大な鷲……
共に、3メートル近い大きさがある。
一目で分かる……これは悪魔だ……!
……コイツ……一体?
あの細っこい綺麗な少年は、小さく笑いその2体の悪魔を撫でて
言った。
「私は強いんだ」
真2の世界では、日本の神族と仏教の神々が数多く地下世界に封印されている設定ですので。
ヤタガラスは出せないんよね。
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