TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話 作:XX(旧山川海のすけ)
予選は乱戦だったけど、俺とライドウは問題なく通過し、32名の本戦出場者に選ばれた。
とりあえず第一関門はクリアだ。
次の日、最大地下トーナメント本戦が始まった。
東京ドームの観客席は人で溢れ、荒んだ衣装を身に纏った連中が叫び声を上げている。
アナウンサーの声がドーム内に響き、全選手の入場が始まった。
32名がグラウンドに並び、1人ずつ名前と特徴が紹介される。
「オレはヅラではないフサフサの地毛なのだ!! 御存知教師・反谷孝志!!」
「教師の仕事はどーしたッ! 科学的根拠の炎、未だ消えずッ!! 改造もプラズマも思いのまま!! 教師大月だ!!」
「美少年はあたしのもの! 邪魔するやつは思いきり噛み砕き飲み込むだけ!! 美顔女王! 大谷花子!」
「エロォォォォいッ説明不要!! 18才!! 爆乳!! 新田維緒だ!!」
「悪魔討伐で磨いた銃撃術!! 人外ハンター商会のデンジャラス・メスライオン ノゾミだ」
「自分を試しに地下へきたッ!! 地上からの挑戦者 サダハル!!」
「旧世界からの名が今ベールを脱ぐ!! 同じく地上世界から葛葉ライドウだ!!」
……とそんな感じで紹介され、観客がさらに湧く。
そして、般若面の少女の番になった。
アナウンサーが声を張り上げる。
「強者のスカウトマンとはよく言ったもの!! ガイア教団アサシン部隊の奥義が今 実戦でバクハツする!! ガイア教徒 トキだ―――!!」
「……トキ? ガイア教団のアサシン?」
俺は思わず呟いた。
ライドウが隣で「ガイア教徒か……。予想外だな」と小さく言う。
上野のガイア教徒に近づくつもりが、こんな形で先に会うとは思わなかった。
本戦が開始された。
ルールはシンプルで過酷だ。1対1の戦い。
どちらかが気絶するか死ぬか、降参するまで続く。
俺はまあ、危なげなく準決勝まで勝ち進むことは出来た。
弱い相手じゃなかったけどな。
だが、もう片方の準決勝で信じられないことが起きたんだ。
ライドウがトキと対戦し、敗れてしまった。
試合を見た観客の話だと、ライドウはフェンリルとフレスベルグを駆使して序盤善戦したらしい。
フェンリルのファイアブレス、フレスベルグのアイスブレスがトキを追い詰めたそうだ。
しかし異形の女悪魔が割り込んでそれをその身で受けて……。
なんと無効化した。
異形の女悪魔には、火炎と氷結の技が通用しなかったんだ。
そこでライドウは決断したらしい。「降参する」と宣言したそうだ。
「ライドウが……降参?」
俺は呆然と呟いた。あいつが負けるなんて想像もしてなかった。
仕合場から戻ってきたライドウが俺に近づき、静かに言った。
「サダハル、すまない。……フェンリルとフレスベルグを失う恐れがあると判断した」
なるほど……。
今その2体の仲魔を失うと、この先やっていけなくなる可能性があるからか。
俺に降参の理由を話すライドウの顔は本当に悔しそうだった。
「いや……いいよ。生きてりゃ次がある」
俺はそう言って笑った。
ライドウが出来ないことは、俺がやれば良いんだ。
任せろ。
「決勝は頼む。サダハル」
ライドウの言葉に、俺は強く頷いた。
ガイア教団のアサシンエリートだろうと、やってやる!
俺はそう思い、アームターミナルを装着した左手を握りしめた。
最強の戦士が見たいかー!?
儂もじゃ、儂もじゃよ!
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