TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第74話 新宿周辺にて

「ここにある日、ザ・ヒーローが出現したと伝えられているんだ」

 

 生体エナジー協会遺構を探して、新宿周辺を探し回っていると。

 ボロボロのビル……廃墟の中で襤褸を纏った男性と遭遇した。

 

 そして近場の状況を聞こうと話し掛けたら、そんなことを熱のこもった口調で伝えられたんだ。

 どうやら、男性は伝説の英雄であるザ・ヒーローを崇拝してるらしい。

 

 俺たちはその布教の相手ってわけだ。

 まぁ、俺たちだって伝説の英雄ザ・ヒーローに興味が無いわけじゃないから

 

「ザ・ヒーローってその前の経歴は不明なんですか?」

 

 純粋に知らんかったから。

 何処から来た人間なんだ……?

 ザ・ヒーロー……?

 

「ああ、ある日突然現れて、立ち塞がる存在を悉く打ち滅ぼして、最終的にカテドラルで四大天使とカオスの大悪魔4体を倒し、神も悪魔も追い払ったんだ」

 

 俺たちが応対すると。

 するとさらに熱の籠った話をする。

 

 ……曰く

 

 ザ・ヒーローには仲間がいて、同年代の少年が2人。

 そしてその2人が、それぞれメシア教とガイア教の中心人物になったとか。

 

「えっと」

 

 今、仲間って言ったよな?

 

 俺は男性に聞き返す。

 

「ザ・ヒーローには仲間がいて、その2人はその後メシア教徒とガイア教の中心人物になったと?」

 

「ああ!」

 

 男性は興奮していた。

 それって……

 

「……その仲間はどうなったんですか?」

 

「ザ・ヒーローが自分の手で倒したんだそうだ」

 

 えー……

 

 そんな話、知らなかった。

 仲間、っていうか……多分友達だったんだよな?

 

 それを倒す……いや、殺したんだろうな。

 甘い世界じゃ無かっただろうし。

 

 何を思ってそんなことをしたんだろうか……?

 俺には多分、できないよ。

 

 俺は

 

「……ザ・ヒーローの心境が分かりません……」

 

 そう、呟くように返すと

 男性は

 

「神も悪魔も追い払わなければならないという確固たる信念があったんだよ」

 

 うっとりとそう口にする。

 

 ……正直。

 

 俺はその男性に嫌悪感を持った。

 別にザ・ヒーローを非難するわけじゃ無いけど……

 

 ザ・ヒーローの苦渋の決断を、賞賛するのは何か違わないか……?

 

「ザ・ヒーローの決断が軽くないのは理解しました」

 

 そこで。

 ライドウが口を出して来る。

 

「ところで、このあたりには詳しいんでしょうか?」

 

 ……俺たちの目的は生体エナジー協会の遺構探しだもんな。

 

 

 

 男性によると、このあたりの土地で悪魔が出て来て人を追い返すような場所は無いそうだ。

 ……番をさせてるんだろ?

 

 代わりに……

 

「妙な悪魔が話し掛けて来るときがある、ねぇねぇ、って」

 

 曰く……

 

 カラスみたいな羽根を背中に生やしてる、ピクシーサイズの女悪魔で。

 そんなのが

 

「この辺に宝が埋まってるよ、るよ!」

 

「アタシについて来て、来て!」

 

 ……そんなことを言うんだと。

 

 それ以外何もして来ないんだけどさ……

 

 そんなことを言われて「マジで!?」ってホイホイ乗ってしまうアホがこの地下世界にいるわけがなく。

 皆逃げてるらしい。

 

 なるほど……




まぁ、30年の時間をタイムスリップして来たとは普通は思わんしな。

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