TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第83話 エグゼクター

 監視塔の扉を押し開け、俺とライドウは内部に足を踏み入れた。

 薄暗い通路に、足元を照らす非常灯の微かな光が揺れる。

 悪魔の気配が漂い、遠くで唸り声が響く。

 

「サダハル、慎重に進め」

 

 ライドウの言葉に俺は頷く。

 

 ……しかし。

 結構な頻度で悪魔に遭遇しそうになる。

 

 監視塔の中を徘徊している悪魔は天使が中心かと思ったけど、堕天使、夜魔、鬼女

 

 ゾンビまで居た。

 

 そのせいで一向に先に進めない。

 どうすればいいんだよ……?

 

 俺はアリババに相談したいと思ったが、話声で悪魔に気づかれるのは確実だ。

 一応、回線はまだ繋いで貰ってるんだけど……

 

 そのときだ。

 風神剣から軽やかな声が響いた。

 

『ねぇねぇ!』

 

 アマノザコだ。

 俺は

 

「今はおしゃべりはやめろ」

 

 俺は短くそう嗜めるように言うと

 アマノザコは

 

『さっきの人にお願いしてみれば、ればー?』

 

 ……さっきの人?

 アリババのことを言ってんのかな?

 

 まぁそれは今はどうでもいい。

 

「声出すと悪魔に気づかれるだろ!」

 

 いい加減にしてくれ!

 俺が小声でそう返すと。

 

『だったら音を消すよ、すよー!』

 

 アマノザコがそう言った次の瞬間。

 

 周囲の音が消えた。

 足音、呼吸、剣の擦れる音──全てが無音の世界に飲み込まれる。

 

 アマノザコは天狗の祖の悪魔らしい。

 天狗は風を操るものだから、そこからの能力かもしれない。

 

 俺は驚きつつ、アリババに呼び掛ける。

 

「アリババ、ちょっといいか?」

 

『なんだ? 今大丈夫なのか?』

 

 ……ホント、回線を繋ぎっぱなしにしておいて良かった。

 俺は彼女に伝える

 

「アリババ、監視塔の中の悪魔と戦うのを避けたいんだ。なんか手はないか?」

 

 するとアリババの声が即座に返ってきた。

 

『了解。ちょっと待ってろ』

 

 数秒後、塔の中でけたたましいサイレンが鳴り響いた。

 

 続いて。

 

『牧場区画でデミナンディが集団で暴れ出しました。職員の手が足りません。人間変身できる者は変身した上でサポートをお願い致します』

 

 ……女性風の合成音声による塔内放送。

 

 それに反応し塔内の悪魔たちが一斉に動き出した。

 

 人間に化けられる悪魔──堕天使や夜魔、鬼女たちが、職員の姿になって通路を駆け抜けて外へ向かった。

 俺とライドウは壁に身を寄せ、息を潜める。

 

 悪魔の気配が薄れ、ほぼ居なくなったと確信した後。

 

 俺はアリババに囁いた。

 

「アリババ、助かった! 礼を言うよ!」

 

『礼は別にいいから、急ぐんだ』

 

 俺たちは階段を駆け上がり、セイレーンの部屋を目指す。

 急がないと。

 

 そこに、途中でアリババから緊急の通信が入る。

 

『センターの粛清部隊が監視塔にやってきた。おそらくザインを追ってるのだと思う。急げ!』

 

「粛清部隊だと……つまり、エグゼクターたちか!?」

 

 ライドウがそれを聞き、緊張感のある声音で呟く。

 俺は

 

「エグゼクターって何だ!?」

 

 聞き流せないものを感じたので訊ねる。

 ライドウは教えてくれた。

 

「エグゼクターとは、メシア教団を裏切ったテンプルナイトを抹殺するために存在する殺し屋集団だ」

 

 テンプルナイトの権力を悪用して我欲を満たした者や。

 テンプルナイトにありながら、十罪でも重大な罪……涜神の罪、不信心の罪、殺傷の罪、裏切りの罪を犯した者を粛清する。

 

 テンプルナイトを完封状態で一方的に抹殺できるようにするための訓練を日々積んでいる奴らだそうだ。

 

 知らなかった!

 そんな連中が存在していたのかよ!?




メシアン・エグゼクターは好きなメシア教徒なんですよ。
イカレてるデザインが最高に良いです。
次点で好きなのは狂信者。

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