TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話 作:XX(旧山川海のすけ)
監視塔の最上階、セイレーンの部屋の前で、エグゼクターのチェーンソーが不気味に唸る。
笑顔の紋様が描かれた覆面、赤い衣装にメシア教の聖印が輝く6人の粛清部隊。
そいつらが、俺とライドウ、そしてザインを睨む。
俺はアームターミナルを操作し、国津神オオヤマツミと神獣ドゥムジを追加召喚した。
魔法陣2つから、オオヤマツミの巨岩のような姿と、ドゥムジの羊顔と蠍の異形が出現した。
ライドウは封魔管からフェンリルとフレスベルグを呼び出す。
狼の咆哮と大鷲の羽ばたく音が、緊迫した空気を切り裂く。
そして次の瞬間、エグゼクター6人が一斉に叫んだ。
「封印の鎖に縛られよ!」
エグゼクターたちの胸の聖印が輝き、魔法を封じる波動がザインを襲う。
これがエグゼクターの基本戦術なのか。
魔法を数の暴力で封じ、魔法の使えなくなった相手を寄ってたかって嬲り殺すのが。
奴らの狙い通り、魔法を封じられたのだろうか。
ザインは魔法を使おうとしなかった。
だが、ザインは動じなかったんだ。
全く恐れずに、素手でチェーンソーを持ったエグゼクターに突進したんだ。
蹴り、掌底、肘打ち──その一撃一撃が、まるで嵐のように正確で猛烈だ。
エグゼクターの1人が仰け反る。
覆面に拳を喰い込まされて。
残りの5人が動揺し、叫んだ。
「魔法なしで我々と互角だと!?」
ザインの戦闘力は、俺の想像を遥かに超えていた。
これがかつて最強のテンプルナイトと呼ばれた男の力か……。
俺は呆然と見つめてしまう。
だが、ライドウの声が俺を現実に引き戻した。
「サダハル、ボサッとするな!」
「そうだ、畳み掛けるぞ!」
我に返り、俺は風神剣を抜き放ち、オオヤマツミに「アイツらを蹴散らせ!」と命令した。
だが、その瞬間、アームターミナルからアリババの声が響く。
『サダハル! 聞いてくれ! いいか!?』
後にしてくれ! と叫びそうになったが、アリババは状況を把握してるはずだ。
つまり緊急性が高いんだ。
考えを変えた。
「手短に頼む!」
そんな俺の言葉にアリババが急いで応えてくれる。
『監視カメラに異様な男女2人組が映った。パンツスーツの高身長の女と、軍服の男だ』
その言葉に俺の背筋が凍った。
それって上野の街での悪夢の主……!
「20代目とヘット……!」
ライドウを殺すための戦力、マシン兵士20代目葛葉ライドウと、その監視役ヘットが監視塔に入り込んでいるのか……!
「まずいな……ここに20代目とヘットが来たら、セイレーンを助けることなんて不可能だ」
ライドウがそう低く呟く。
エグゼクターを全滅させた後、ベルフェゴールを討てばいい。
俺たちのその予定が木っ端微塵になるかもしれない。
この場合、俺はどうすれば良いんだろうか……!?
数秒考え、俺は……
閃き、決断した。
「ライドウ! 悪いがここは頼む!」
そう口にして、俺は
「俺がベルフェゴールを倒して、セイレーンを連れ出す!」
そう言って。
ザインが先に挑み、返り討ちにあった部屋に飛び込んだんだ。
果たして1人で勝てるのか……?
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