TOKYOミレニアムから40代目が旅立つまでの話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第95話 説得

 毒ガスは無くなったけど、のんびりしている時間は無いんだよ。

 鍋食ってる場合じゃなくなった。

 

 鍋を放置し、俺たちは外に出た。

 

 人通りは変わらない。

 ほとんど見当たらない状態だ。

 

 ……でもな。

 

 ホーリータウンの人たちは毒ガスの恐怖に怯えているはずだ。

 

 色々想像してしまう。

 

 自暴自棄になって暴れ出したり。

 毒ガスを流されるその前に自殺しようとしたり。

 あるかもしれないし。

 

 ……焦って来た。

 どうすりゃいいんだ……?

 

 アリババが空調ロックしてくれた上、大教会の地下世界への扉を解放してくれた時点で解決した気になってたが、全然解決してないじゃないか。

 

「なぁライドウ、ホーリータウンの人々にどう伝えれば良いと思う?」

 

 行き詰ったので俺がそう問いかけ

 

「私は……」

 

 ライドウが、思うところを言いかけたとき。

 

「皆さん! 死を恐れてはいけません! センターは正義です!」

 

 ……突然、大きな声が聞こえて来た。

 

「私たちが、ここで息絶えることも神の思し召しであるなら……仕方ないことなのです!」

 

 ……これは……

 

 メシア教のイカれた信者かよ!

 

 

 

 慌てて駆け付けると、メシア教の敬虔な信者が身に着ける青と白基調のローブのような服……メシア服を身に着けた若い女が、頭のトチ狂ったことを大声で言っていた。

 

「最期の瞬間まで、センターのために祈りましょう! そうすれば必ず救いが訪れます!」

 

 こいつ何をわけのわからんことを言ってんだ!

 

「意味不明の戯言を垂れ流すのは止めろ!」

 

 俺の方も声を張り上げる。

 するとだ

 

「意味不明ですって!? センターを信じ続けることは何より大切なのよ!?」

 

 目を吊り上げて、同じように大声で返して来る。

 

「私の何が間違っているって言うのよ!?」

 

「全部だ全部!」

 

 俺は勢いで

 

「みんな! 聞いてくれ!」

 

 ホーリータウンの住居の中に引っ込んでいる住人たちに向けて叫ぶ。

 

「ホーリータウンの大教会に、地下世界に向かうための通路がある!」

 

 脱出経路の提示。 

 

「逃げられるんだ! 決断するときだ!」

 

「地下世界は天国じゃ無い! だけどここにいるよりマシだろう!」

 

 ライドウも協力してくれた。

 

 するとだ

 

「地下世界に行くことを扇動するなんて! この悪魔め!」

 

 さっきまで、街と心中することを大声で説いていたメシア教徒のイカれ女信者が口から泡を飛ばしながら喚きはじめた。

 

「センターが死ねと言ったら死ぬべきなの! そんなことも分からないの!?」

 

「分かるわけねーだろ! 死にたきゃ1人で死んでろよ! 他人を巻き込むな!」

 

 そっからはただの罵り合い。

 言葉のバトルでは断じて無かった。

 

 だけど

 

「センターの言うことに素直に従えないなんてキモい! 黙れセンターに文句を言うな!」

 

 目のイってしまっている女信者の喚き声で。

 

 家から人々が出て来たんだ。

 何をワーワー言ってるんだと、気になったのかもしれないな。

 

 だから俺は

 

「みんな聞いてくれ!」

 

 もう一度言葉にした。

 今状況から抜け出す方法を。




原作ゲームでもおるんよね。
死ぬのを受け入れましょうと呼びかけるメシア教徒。

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